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お祝い状やお礼文に使える11月の季語・時候の挨拶を知ろう
十一月(霜月)
 

お祝い状やお礼文に使える11月の季語・時候の挨拶を知ろう

依頼、お祝い、お礼、お詫び、報告と目的は違えど、手紙の本質は自分の気持ちや考えを先方に伝えるものです。しかし、会話とは違い、手紙は一方通行ですから、いきなり本題に入ってしまっては、言いたいことだけ言っているような、ぶしつけな印象を先方に与えてしまいかねません。そこで、本題に入る前のワンクッションとなるのが、時候の挨拶です。同時に、この時候の挨拶はあらたまった手紙では必ず使われる手紙のマナーです。伝えたいことが読み手の心にすんなり入って行くようにするためにも、また、礼を失しないためにも、本題に入る前に相手を気遣う心を忘れずに時候のあいさつ文を書きましょう。手紙の文面を考えるのは苦手という方でも、慣用句として形式が定まっているだけに、という方でもすんなり手紙を書き始められますから、時候のあいさつはたいへん便利なツールともいえるかもしれません。ここでは、11月に送る手紙やお礼文で使える季語や時候の挨拶について、代表的なものを紹介していきます。是非参考にしてみてください。

11月とはどういう季節か?

寒さ深まる冬直前、紅葉が映える美しい季節

朝露は凍り、霜も降り始める冬直前の11月。日本における秋は、9月から始まり、11月で終わります。つまり、秋と冬のちょうど境目の時期となり、「深秋」などと言われる秋最後の月です。この時期の特徴と言えば、何と言っても「紅葉」に尽きます。日本の北側から西に向かって徐々に青々とした葉が色づき、11月になるとそれらは完全に赤く染まります。故に、この時期は行楽シーズンとして、日本各地の自然スポットに多くの観光客が集まります。

11月の時候のあいさつの文例

ビジネス文書では、「初冬」「深秋」「晩秋」などの季語を文頭に据え、以降の定型文に繋げるケースが主です。また、個人向けの文書では、「酉の市」や「七五三」など、行事を表す言葉を盛り込み、季節感のある文書にまとめる傾向にあります。お酒が好きな方には、「熱燗そろそろ恋しくなり」の様な、オツな文面を盛り込むのも好印象を与えるのではないかと思います。なお、以下のような見本を参考にして書く場合は、くれぐれもその時の天候や気温に気をつけましょう。残暑厳しい初秋や、初冬と言いつつ平均気温が例年より高いなんてこともあります。その時の状況に合った文面を書くことを心がけた方が良いでしょう。

【ビジネス向き】
・晩秋の季節、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます
・初冬のみぎり、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます
・暮秋の候、皆さまますますご健勝のこととお慶び申し上げます
・深秋の候、ますますご発展のことと、欣快至極に存じます
・寒暖不同のみぎり、貴社ますますご隆盛、慶賀の至りでございます

【個人向き】
・秋も一段と深まり、皆さまいかがお過ごしでしょうか
・鮮やかな黄葉(紅葉)の季節、ますますお元気でご活躍のことと存じます
・酉の市が開かれる季節になりました
・近所の神社で千歳飴を手にした、袴姿の男の子をみかけました

11月に送る手紙の結びの文例

寒い時期の文末には、体調を労う言葉を盛り込むのが定番です。さらに、以下の例文を読むと「ビジネス向き」、「個人向き」、両方に共通していることがわかりますが、目上の方に対する言葉の選び方には注意し、くれぐれもビジネス向けと個人向けの文面が混同しない様に意識して書きましょう。

【ビジネス向き】
・霜月の折、くれぐれもお風邪など召さらぬようご自愛ください
・年末余日少なき折(11月半ば頃より可)、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます
・師走に向けましても、ご愛顧賜れば幸甚の至りに存じます
・年末に向けまして何かとご多用と存じますが、先の件ご一報お待ちしております

【個人向き】
・寒さが増してきますが、どうぞお健やかにお過ごしください
・寒暖不同の折、健康には十分にお気をつけください
・年末に向かい、諸事ご多用のことと存じますが、ご一報いただけたら幸甚です
・霜月の折、何卒ご自愛ください
・肌寒さが続きますが、健康にはくれぐれもご留意ください
・気ぜわしい師走まであとわずかですが、お互い健康には十分注意して参りましょう

11月を意味するキーワード

11月を表現する季節感ある単語

「立冬」「仲冬」「晩冬」と流れ、2月に「立春」を迎えるまでの期間は冬となります。つまり、「立冬」という季語があることからわかる様に、暦の上で11月は冬の始まりの時期となるのです。また、共通しているのは「冬」というワード、そして「霜」や「雪」など、寒さを象徴するものが多くなっています。しかしながら、一般的に11月は「まだ秋」として認識されているので、「これからさらに寒くなる」、「いよいよ秋終盤」の様に、「これから本格的な冬の到来となるので、体調には十分気をつけて欲しい」といった労いの一文があると、この時期らしい文面に仕上がるのはないでしょうか。

11月に使える季節を表す言葉

11月の季節を示す言葉の代表的なものには、次のようなものがあります。
立冬(11月7日頃、二十四節気のひとつ)、小雪(11月22日頃、二十四節気のひとつ)、神楽月(11月の異称)、雪待月(11月の異称)など。これらの言葉を使う際は、時期が大きくズレない様、先方に届くタイミングを考慮して書きましょう。