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過ちを清めて新年を迎える! 年越しの大祓・人形の方法
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十二月(師走)
 

過ちを清めて新年を迎える! 年越しの大祓・人形の方法

どんなに優秀な方でも生きていくうえで過ちを犯すこともあるかもしれません。その場合には、年末を1つの区切りと考えて身を清める大祓の文化があります。大祓は6月と12月の年2回行われており、大祓とはそもそもどのようなものか、大祓でどのような清め方をするのか、といった基礎知識を以下で紹介していますので、参考になさってください。

大祓(おおはらい、おおはらえ)とは

大祓(おおはらい、おおはらえ)の意味・歴史

祓とは、知らず知らずのうちに犯している過ち・罪を祓い、身を清めるために行う神事です。12月の大晦日に行う祓が「大祓」もしくは「年越しの大祓」と呼ばれ、重要な年中行事の1つとされてきました。ちなみに、6月の大祓は「夏越(なごし)の大祓」と呼ばれています。平安時代にも祓を行っていた記録が残っており、私たちの文化と密接な関係がある神事です。
生きていく中で犯してしまう過ち・罪は「穢(けがれ)」と呼ばれます。穢れとは「気」が「枯れる」ことですので、過ちを犯す度に生きるエネルギーを損なっているとも考えられます。そこで祓を行うと「気」がよみがえって、生きるエネルギーが湧いてくるとされてきました。気が満ちた理想的な状態を「ハレ」と呼び、心地良く生活できるようになります。

大祓詞(おおはらえのことば)とは

大祓詞とは、大祓において穢れを落とすために唱えられていた言葉のことです。日本で最も古い祓詞とも言われて、平安朝でも使われていた記述が残っているほどの歴史があります。
約900の文字から成り立つ格調高い文章ですが、日本の神話や穢れの祓い方について説明されていて、心地良く生きるためのヒントを与えるものです。日常的に奉唱することでも心身の負担を軽減してくれると言われますので、気になった方は全文を調べてみてもよいでしょう。

茅の輪くぐりとは

茅の輪の起源は、日本神話までさかのぼります。病が流行った時に茅で作った輪を腰に下げることで難を逃れる教えが形を変えて、現在に伝わったものが茅の輪です。
現在のように大きな茅の輪が使われるようになったのは、江戸時代と言われています。無病息災を祈りながら茅の輪をくぐり、身を清めるねらいです。参列者がくぐった茅の輪は神社でお祓い、穢れを落とすとされています。参列者が自由に行うスタイルが多いのですが、神主さんに主導頂き、列をなしてくぐる事もあります。
くぐり方の作法は、神社によって異なります。一般的には、茅の輪の前に立って軽く礼をした後に左回りから始めるものとされています。元の位置に戻った後にもう一度礼をして、右回りに回ります。あらためて礼をして左回りを再度行った後、ご神前に進む流れです。
茅の輪くぐりをしている最中に「はらへたまへ きよめたまへ」からはじまる「神拝詞(しんぱいし)」を言いながらくぐる慣習もあります。神拝詞についても神社によって詳細が異なるところですので、参拝した際に確認しましょう。

人形(ひとがた)・形代(かたしろ)とは

人形・形代の意味と由来

大祓を行う神社に伺い、人形と呼ばれる和紙を受け取ります。人形が郵送される地域もあって、神社によって受け取り方が異なります。人形は私たちの身代わりをしてくれるもので、形代とも呼ぶこともあるようです。ついてしまった穢れを人形に移して、お祓いを受けます。
意味合いとしては、流し雛と同じです。私たちの穢れを背負った人形を川や海に流すことにより、厄払いをする風習が知られています。身代わりの歴史は縄文時代にはすでにはじまっていたとも言われ、歴史が深い文化です。古事記にも人形に関する記述があって、疾病や災いを遠ざけるために行われてきた風習とされています。

人形・形代の書き方

人形1枚につき1名分の身代わりとして、氏名・性別・年齢を書く方式が一般的です。年齢は、数え年を使います。誕生日をすでに迎えている方は実年齢+1歳、誕生日をまだ迎えていない方は実年齢+2歳と考えてください。各項目をどのように配置するかは明確な決まりがありませんので、つなげて書いても横に並べて書いても大丈夫です。神社で書き方が決まっている場合は、規程の作法に従いましょう。
各項目を書くだけでは、身代わりにはなりません。作った人形で、頭からつま先までの全身をなでましょう。足が痛い、腰痛持ちなどとくに気になる部位があれば、重点的に行います。息を3回吹きかけて、重なった穢れを人形へと移しましょう。
家族とはいえ他の方の人形には触らないのがマナーですので、丁寧に扱いましょう。余った人形は処分する、もしくは神社にお返ししてください。身代わりになったものを納めずにおくのは望ましいことではありませんので、神社が指定する方法で納めましょう。

初穂料は必要?

作った人形は元の袋に戻して神社に持参しますが、初穂料は必要でしょう。地域や風習によって相場は変わってきますが、500円~3,000円くらいを添えてお渡しするケースが多いようです。
神社のホームページに「ひと家族1,000円」といった記載があれば、その通りにお納めします。初穂料は気持ちとは言っても神社の運営に必要なお金ですから、しかるべき金額をお納めしましょう。