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「十日夜」の正しい意味や日付について知ろう
十一月(霜月)
 

「十日夜」の正しい意味や日付について知ろう

十五夜という日は有名かと思われますが、十日夜については少しマイナーな印象かもしれません。十日夜とはどのような日なのでしょうか。日本において重要な意味を持つ日なので、ぜひ知っておいてください。

十日夜の意味とは

十日夜はどんな日?

この日は、毎年11月10日であると決められています。十五夜と十三夜に並び、お月見に適している、雲が少なく月がきれいに見えると縁起がいい日などといわれています。意味合いとしても、他2つと同様で、月齢が新月から数えて10日目であるためです。
また特徴的なのが、読み方についてです。十日夜の読みは、「とおかんや」もしくは「とおかや」と読みます。古くからある月の数えであるため、昔の人には聞こえ心地のよい読みであったのかもしれません。というのも、この十日夜はもともと旧暦10月10日に定められていたものだからです。旧暦の頃から続いている文化なので、何とも趣が感じられてなりません。そのまま新暦に換算すると11月27日になりますが、現代では1か月ずらした11月10日がその日にあてられています。

十日夜はどんなことをする日?

前述で、十五夜や十三夜と並び月を愛でる日と紹介していますが、十日夜のみ少しばかり目的が異なります。確かにそれもひとつなのですが、メインではありません。十日夜のみについては、実は収穫祭が開催される日として親しまれています。具体的には、十五夜が中秋の名月、十三夜は中秋の名月の次の名月といわれていますが、十日のものについては田を刈り上げたことに対するお祝いである、収穫祝いが中心です。もちろん、月の美しい日でもあるため、空を見上げながらお祝いに浸るというのもおすすめです。
なぜ収穫祝いが開かれるかというと、それは11月10日が田の神様が山へ帰る日であるといわれているためです。伝承は地方によって異なりますが、この説は比較的広く見られるようです。ちなみにこの田の神様とは、守り神である案山子を表しています。そのため、十日夜には自分たちでなく、案山子にお供え物をしてお月見を楽しんでもらうような光景も多く見られます。この行事は、かかしあげと呼ばれています。

十日夜の豆知識をご紹介

十日夜におこなわれる盛大な行事

かかしあげもひとつの行事ですが、実はもっと盛大なお祝いが開かれることも知られています。たとえば、「わらづと」や「わら鉄砲」と呼ばれるもので地面をたたく行事です。これは稲の茎を束ねて作られており、唱えごとをしながらおこないます。これには、その年お世話になった地面の神様を励ます意味合いがこめられています。また同時に、作物を食い荒らしにくるもぐらを追い払う効果にも繋げられているそうです。季節行事と田を守る作業の2つが合わせられた、一石二鳥の方法といえるでしょう。
また、食の面でもお祝いがおこなわれます。収穫祭であるため、やはり収穫物でお祝いするというのも重要になってくるのでしょう。つきたての餅を楽しんだり、また牡丹餅を田に埋めて豊作を願うといった地域もあるようです。案山子に供えたり田に埋めたり、そして自分たちで楽しんだりと、農家にとって餅はなくてはならない食べ物であるようです。十五夜や十三夜でも餅はおなじみの食べ物ですが、お祝いの意味合いが込められる分、こちらの行事の方が少しにぎやかな印象でしょう。

土地土地によって異なる

日本は農耕民族の国であるため、稲作に励む人は日本中に存在します。それだけに、土地土地で異なる収穫祭が見られるのも特徴的です。たとえば同じ十日夜でも、東日本で「刈り上げ十日」、そして西日本で「亥の子」のように呼び名が異なるといった具合です。ちなみに「亥」とは十二支のひとつで、旧暦の10月にあたる月名とされていました。新暦では1か月ずれる考え方となるため、11月10日のことを表すようになったそうです。その他にも、収穫への感謝だけでなく子孫繁栄や無病息災を願う、大根畑の豊作を願うために開かれるなど、さまざまです。知れば知るほど、奥深さが感じられる日ではないでしょうか。

十五夜と十三夜の豆知識

十日夜に餅が関連深いとご紹介しましたが、実は他の十五夜、十三夜にもそれぞれまた違った食べ物が関係しています。もちろん餅もそのひとつなのですが、合わせて別の食べ物を供えることでも知られているのです。十日夜を知る上で、合わせて豆知識として覚えておいてみてはいかがでしょうか。
たとえば十五夜では、里芋などの芋類を供えます。こちらもまた、米と同様秋の収穫で有名な季節の味覚です。そして十三夜については、栗や枝豆を供えます。栗もまた秋の味覚ですが、枝豆は一風変わった印象かもしれません。こうした理由から、別の名称もつけられています。主には、十五夜が「芋名月」、そして十三夜が「栗名月」「豆名月」といった具合です。お供え物の食べ物をそのまま冠して、分かりやすい名前です。ぜひ、こちらも覚えておいてください。