ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
お祝い状やお礼文に使える3月の季語・時候の挨拶を知ろう
メールや手紙の季語・時候の挨拶
 
三月(弥生)
 

お祝い状やお礼文に使える3月の季語・時候の挨拶を知ろう

依頼、お祝い、お礼、お詫び、報告と目的は違えど、手紙の本質は自分の気持ちや考えを先方に伝えるものです。しかし、会話とは違い、手紙は一方通行ですから、いきなり本題に入ってしまっては、言いたいことだけ言っているような、ぶしつけな印象を先方に与えてしまいかねません。そこで、本題に入る前のワンクッションとなるのが、時候の挨拶です。同時に、この時候の挨拶はあらたまった手紙では必ず使われる手紙のマナーです。伝えたいことが読み手の心にすんなり入って行くようにするためにも、また、礼を失しないためにも、本題に入る前に相手を気遣う心を忘れずに時候のあいさつ文を書きましょう。手紙の文面を考えるのは苦手という方でも、慣用句として形式が定まっているため、スムーズに手紙を書き始められますから、時候のあいさつはたいへん便利なツールともいえるかもしれません。ここでは、3月に送る手紙やお礼文で使える季語や時候の挨拶について、代表的なものを紹介していきます。是非参考にしてみてください。

3月とはどういう季節か?

草花が咲き、人々が活動的になる暖かな季節

3月は、仕事や学業において年度の変わり目であり、いよいよ春めいて暖かくなり、草花が咲いて鳥が盛んにさえずり、虫も活動をし始める季節です。季節の行事としては、3月3日の桃の節句である「ひなまつり」があり、昼と夜の時間が同じになる「春分の日」と、その前後の「彼岸」があります。また十二支がひと巡りし、数えで13歳を迎えた子供の幸福を祈る、「十三詣り」も3月の行事です。そして、学校という枠組みの中では、卒業という大きな節目のある月でもあります。寒い冬を越えて気温が高まり、人々が活動的になる爽やかな時期です。また、ひなまつりをはじめとするお祝い事が多いので、手紙やお礼文をしたためる機会も増えるでしょう。

時候のあいさつと3月の文例

「花月」、「花見月」とも言われる3月ですから、文面に春めいた様子を、桃などの折々の花々に託して表してみると季節感が出るでしょう。また、「桃の節句」、「春分」、「彼岸」といった時間軸の区切りで使うのも、より季節感のある文面に仕上がると思います。

【ビジネス向き】
・早春の候、貴社におかれましては、ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます
・啓蟄の候、貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます
・早春の候、皆様におかれましては益々ご清栄の事とお慶び申し上げます
・暑さ寒さも彼岸までと申しますが、まだ肌寒い日が続きます
・若草萌ゆる候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます

【個人向き】
・啓蟄の候、いかがお過ごしでしょうか
・寒さも一段落し、ようやく桃の節句の季節となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか
・浅春の候、お変わりなくお過ごしでしょうか
・水温む季節となりました。お元気でお過ごしでしょうか
・桜の開花が待たれる頃となりました

3月に送る手紙の結びの文例

手紙のはじまりに慣用的な表現があるように、終わりにも慣用的な表現があります。結びの恒例とも言える、体調を気遣う一文はもちろん、3月ゆえに「新年度」といった季語を盛り込むものも目立ちます。

【ビジネス向き】
・春寒の折り、なにとぞお身体にはお気遣いください
・まだまだ寒さが残っておりますゆえ、お風邪など召されませんようご自愛ください
・桜の季節も間近です。お元気に新年度をお迎えください
・浅春の折、何卒ご自愛下さい
・春草萌えいずる好季節、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます

【個人向き】
・桃の節句も過ぎすっかり春めいてきましたが、油断なさらず健康には十分注意してください
・何かと忙しい季節の変わり目かと思いますが、無理せずお体大切に
・新生活が、実り多きものとなりますよう願っています
・巣立ちの春に、心からのエールを送ります
・ひと雨毎に寒さの緩む季節です。お体を大切に、ますますのご活躍を期待しています

3月を意味するキーワード

季節の言葉

3月という季節を表現するのに、決まった言葉があります。俳句、古くは連歌などで定められた季語のようなものです。たとえば、啓蟄、燕、梅は春を表すといったように、一年の特定の時期を示す言葉が定められています。この季節を表す言葉を、時効のあいさつの中に織り込みます。たとえば、3月を示すものとしては、「春分」という言葉がありますが、「春分を過ぎ、桃の香りのうるわしさに春を実感しております。」のように、何かしら季節の表す言葉を時候のあいさつ文に入れましょう。また古風な表現を使って、「春分の候」「春分のみぎり」と時候の挨拶の冒頭に入れると、よりあらたまった印象を先方に与えられます。これは、後ろに「ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます」などと、かしこまった様子で続けるときにセットで使われることが多い表現です。

3月に使える季節を表す言葉

3月の季節を示す言葉の代表的なものには、次のようなものがあります。
桃の節句(3月3日)、啓蟄(二十四節気のひとつ、3月6日頃)、早春、浅春(春の始まりを指し、2月の立春から3月の半ばまで)、彼岸(3月21日あたり)桃、桃花(3月を象徴する花)、土筆(3月全般に対応)、春雷(立春を過ぎてからの雷)、水ぬるむ(啓蟄以降)など。
これらの言葉を使う際は、時期が大きくズレない様、先方に届くタイミングを考慮して書きましょう。