覚えておきたい男性のシーン別平服マナー
男性は、ビジネスでもプライベートでも服装のマナーで人となりが判断されやすい傾向があります。ひと昔前に比べると公の場で許されるカジュアルファッションが多くなったものの、勘違いで恥をかいてしまうこともあるかもしれません。正装と平服の区別をつけにくいという男性もいるでしょう。ここでは、男性のシーン別平服マナーについてご紹介します。
正装と平服の違い
平服の定義
平服とは、普段着を意味すると辞書にも出ています。しかし、実際の生活では、Tシャツやジーンズなどの普段着を平服とはいわないのが一般的です。平服=私服とは限らず、平服も公の場に出ることができるファッションの一種と考えられています。平服は、いわば略礼服のことなのです。
お祝い事や法事の案内状に、「平服でお越しください」とある場合は、礼服である必要はないという意味です。あくまでも、略礼服でということですから間違わないようにしておきましょう。
ドレスコードの種類
服装の基準であるドレスコードは、イベントでの服装や食事の席に登場する際のマナーとされています。大きく分けて3つの種類があり、正礼装・準礼装・略礼装になります。最低限この3つを覚えておくとよいでしょう。平服は、略礼装にあたります。
正礼装は、男性の場合、モーニングです。ただしこれは昼の場合で、夜には燕尾服を着用するのが正礼装となります。モーニングは、お祝い事にも葬儀にも着用できます。入学式や卒業式などでは、教職員がモーニングを着ることもあります。一方、燕尾服は格式の高い結婚式や披露宴にて着用されます。晩餐会でホワイトタイのドレスコードがある場合は、燕尾服を着るのが正解です。日本ではこうしたマナーが根づいていませんが、欧米では当然のマナーです。西洋スタイルの服装をする以上は、西洋式のマナーを守るのがおしゃれでもあります。
準礼装は、昼はディレクターズスーツ、夜はタキシードを指します。ディレクターズスーツとは、ブラックスーツよりもワンランク上の服装です。昼間の慶事に着用され、結婚式や披露宴では主賓や新郎新婦の父、上司などが着る服装とされています。タキシードは夜部門の準礼装ですが、ブラックタイの指定がある場合はタキシードにするのが正解です。
略礼装の平服は、ブラックスーツあるいはビジネス用のダークスーツが正解です。昼夜で区別する必要はなく、慶事にも弔事にも着用できます。
シーン別男性の平服
法事での平服
法事での男性の平服といえば、略喪服を意味します。喪服は、法事の際に着用する礼服のことです。喪服にも正喪服・準喪服・略喪服があり、略喪服が法事での平服を指すわけです。略喪服の着用は、一般的に三回忌以降とされています。平服を指定されている法事では、かしこまった喪服を着て行くほうが失礼にあたります。地味なダークスーツを着用するようにし、目立たなければストライプなどが入っていても大丈夫です。
ただし、インナーで着るシャツは白、ネクタイは黒が基本だと覚えておきましょう。また、ジャケットに動物柄を選ぶのは殺生を意味するためNGです。ベルトや靴も、黒にするのが基本的なマナーです。
バッグはセカンドバッグが便利で、時計などよく光るようなものは避けておくようにしましょう。法事ではお焼香に立ったり座ったりすることもあり、大きなバッグは邪魔になります。セカンドバッグであれば小脇に抱えることもできて、便利です。
面接の際の平服
就職活動では、リクルートスーツを着用するのが一般的です。特に新卒で就職を目指す場合には、平服で来社するように指定されることもあまりないでしょう。面接で平服を指定された場合は、黒や紺、グレーなどの地味めなカラーのスーツを着用すれば問題ありません。シャツは、白が基本です。
転職での面接では、業界によっても平服の範囲が異なります。あまりカジュアル過ぎるのは考えものですが、ラフな服装の社員が多い会社にガチガチのリクルートスーツを着用して訪問しても、カラーが合わないと思われかねません。
夏の平服
平服の種類の中でも、スマートカジュアルやビジネスカジュアルと呼ばれるファッションがあります。スマートカジュアルは、平服が指定されている招待やレストランでのディナー、観劇にふさわしいスタイルです。ジャケットとパンツが基本で、スーツを着用するほどでもない席に適しています。ビジネスカジュアルは、スマートカジュアルのビジネスバージョンをイメージしておくとよいでしょう。クールビズやウォームビズでも、ビジネスカジュアルがよく着用されています。
スマートカジュアルでもビジネスカジュアルでも、ジャケットを着用するのが基本です。ただし、その場の雰囲気によっては、ジャケットを着なくても許されることもあります。ただし、その際にはドレスシャツを着用することをおすすめします。ネクタイは、平服では必須アイテムではありません。とはいえ、ネクタイを締めないコーディネートは締まらない印象になってしまう可能性があるため、気を付けましょう。
夏場にはポロシャツが平服として許される範囲でもありますが、カジュアル過ぎるデザインは避けておくのが賢明です。台襟ポロと呼ばれる、フォーマルなポロシャツであればきちんとした印象に見えます。
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