お祝い状やお礼文に使える2月の季語・時候の挨拶を知ろう
依頼、お祝い、お礼、お詫び、報告と目的は違えど、手紙の本質は自分の気持ちや考えを先方に伝えるものです。しかし、会話とは違い、手紙は一方通行ですから、いきなり本題に入ってしまっては、言いたいことだけ言っているような、ぶしつけな印象を先方に与えてしまいかねません。そこで、本題に入る前のワンクッションとなるのが、時候の挨拶です。同時に、この時候の挨拶はあらたまった手紙では必ず使われる手紙のマナーです。
伝えたいことが読み手の心にすんなり入って行くようにするためにも、また、礼を失しないためにも、本題に入る前に相手を気遣う心を忘れずに時候のあいさつ文を書きましょう。
手紙の文面を考えるのは苦手という方でも、慣用句として形式が定まっているため、スムーズに手紙を書き始められますから、時候のあいさつはたいへん便利なツールといえるかもしれません。ここでは、2月に送る手紙やお礼文で使える季語や時候の挨拶について、代表的なものを紹介していきます。是非参考にしてみてください。
目次
2月とはどういう季節か?
冬の寒さの中にも、春の到来を予感させる季節
厳しい寒さが続く2月ですが、春の兆しが見え始める時期でもあります。冬と春の境目の月といってもいいでしょう。2月といえば豆まきをする「節分」がありますが、これは「立春の前日に、季節の変わり目に家に入り込もうとする、災いをもたらす鬼を祓う行事」です。そして、立春を迎えると暦の上で春が始まるとされます。そして徐々に寒さが緩むと、別名で春告草と呼ばれる梅の花が咲き始め、春の訪れを本格的に感じさせてくれます。春の花といえばまず桜を連想する方がほとんどだと思いますが、奈良時代までは梅の花が代表的な春の花でした。平安時代の人物ですが、学問の神様、菅原道真も梅を愛したといわれています。また、梅と切り離せないのがウグイスです。花札の「梅にウグイス」でご存知の方も多いでしょう。ウグイスの初音もまた、春という新しい季節を告げるものとして昔から人々に好まれてきました。
2月の時候のあいさつの文例
先に触れたように、2月は月の中に冬と春があります。したがって、時候のあいさつは冬の余寒を気遣ったり、春の訪れに触れるようなものになりますが、時期や寒暖に合わせ、実際の気候とかけはなれないように気を付けるようにしましょう。
【ビジネス向き】
・余寒の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
・節分の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
・軽暖の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
・梅花の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます
【個人向き】
・節分を過ぎたとはいえ、残寒厳しく春の訪れが待ち遠しい日々ですが、皆様にはご健勝のことと拝察いたします。
・暦の上ではもう春ですが、変わらず厳しい寒さが続いております。
・立春とは名のみの寒さがつづいておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
・梅のつぼみがほころぶ季節となり、春の訪れが待ち遠しく感じます
2月に送る手紙の結びの文例
手紙のはじまりに慣用的な表現があるように、終わりにも慣用的な表現があります。
【ビジネス向き】
・酷寒のみぎり、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます
・梅の便りが聞かれる昨今、皆々様の益々のご健勝を心よりお祈りいたしております
・三寒四温の時節柄、どうかご自愛専一にてますますのご活躍をお祈り申し上げます
・皆様が、良き春をお迎えになりますようお祈り申し上げます
【個人向き】
・底冷えのする日が続いていますので、風邪などひかれませんようにご自愛ください
・立春とは申しますが、お風邪など召しませぬようお気を付けください
・幸多き春の門出となりますよう、心よりお祈り申し上げます
・そちらは、大雪とのことくれぐれも雪の事故にはお気をつけくださいませ
2月を意味するキーワードや季語
冬と春、ふたつの顔をもつ2月を表す季節の言葉
2月という季節を表現するのに、決まった言葉があります。俳句、古くは連歌などで定められた季語のようなものです。たとえば、啓蟄、燕、梅は春を表すといったように、1年の特定の時期を示す言葉が定められています。この季節を表す言葉を時効のあいさつの中に織り込みます。たとえば、2月を示すものとしては、「立春」という言葉がありますが、「立春を過ぎ寒さも少しはゆるんでまいりましたが…」と何かしら季節の表す言葉を、時候のあいさつ文に入れましょう。また古風な表現を使って、「立春の候」「立春のみぎり(早春のみぎり)」と時候の挨拶の冒頭に入れると、よりあらたまった印象を先方に与えられます。これは、後ろに「ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます」などと、かしこまった様子で続けるときにセットで使われることが多い表現です。
2月に使える季節を表す言葉
2月の季節を示す言葉の代表的なものには、次のようなものがあります。
節分(立春の前日、2月3日頃)、立春(二十四節気で春の始まり)、余寒(立春を過ぎてもまだ寒いこと)、春寒(春になってもまだ寒いこと)、梅花(2月を象徴する花)、向春(春に向かう季節のこと)、早春(春の始まりあたりを指す)など。
手紙が先方に届くタイミングや実際の気候に合わせて、使い分けて行きましょう。
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