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山開き・海開きの由来やシーズンとは
七月(文月)
 

山開き・海開きの由来やシーズンとは

山開き・海開きとは、その年の登山や海水浴などのレジャーシーズンの始まりに行われる行事です。もともとは山岳信仰からくる山開きが始まりで、それにならって海開きが行事として行われるようになりました。日本は北と南では夏の訪れる時期が違い、地域によって山開き海開きが行われる時期が変わります。この記事では山開き・海開きのシーズンについてや、その由来などをご紹介しているのでぜひ参考になさってください。

山開き・海開きが行われるシーズン

山開き・海開きの時期

山開きはもともとは山伏や高僧などでないと登ることができない山に、定められた期間に一般人が立ち入ることへの安全祈願や神様に許しを得るための行事でした。昨今ではそういった霊験あらたかな(神様のご利益がある)山に入るための儀式という側面もありますが、気軽に登山をレジャーとして楽しむために山登りができる時期になったら安全祈願をして登山を解禁するという意味もあります。今では山岳信仰よりも、安全に登山ができるかどうかが基準で山開きが行われていることが多いでしょう。
一方の海開きも、海水浴などの海のレジャーが安全にできるかどうかが海開きの基準です。海の場合は水質や水温の検査や危険な漂着物などがないかどうかなどが確認されて、海開きとなります。北海道から沖縄にかけて気候に差がある日本では、山開き海開きの時期は地域によっても違いがあります。どちらも安全に楽しめるのは夏に入る時期なので、6月7月が全国で山開き海開きが行われるシーズンと言えるでしょう。

富士山の山開き

日本で一番の山と言えば、誰もが富士山と答えるのではないでしょうか。世界遺産にも登録され登山者も増えたことから、富士山の山開きを今か今かと待ち構えている人は多いでしょう。富士山は登山ルートが複数あるので、そのルートによって山開きの日が違うことも特徴のひとつです。
富士山の山開きはかつては7月1日に行われていましたが、現在では7月1日と7月10日の2パターンになっています。7月1日は山梨県側から登る吉田ルートで、7月10日は静岡県側から登る富士宮からのルートの山開きです。なかでも富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)で行われる山開きの神事は有名です。
浅間大社の山開きはかつては7月1日に行われてきましたが、2014年から7月10日に変わりました。これには7月に入っても登山道にはまだ雪が残っており、安全確保の整備のためという理由もあります。山梨県側のルートの山開きは7月1日のまま変わっていませんが、古くから7月1日に山開きの神事を行ってきたという伝統を重視しているようです。

沖縄の海開き

海開きも山開きと同じく本州では6月7月がシーズンですが、沖縄はもっと早い3月から4月が海開きのシーズンです。海開きは安全祈願も行いますが、夏のレジャーの始まりを告げるイベントでもあります。そのため人気の海水浴スポットなどでは、音楽ライブや花火大会など派手な催しもので海開きを演出します。海開きのイベントを目当てに沖縄にレジャーに行くのも楽しめるでしょう。

山開き・海開きの由来

山開きの由来

日本は山が多く、その国土の約70%が山地です。古くから日本人にとって山は身近な存在ですが、一方で自然の恵みをもたらす存在として畏敬の念を抱き山を信仰の対象として崇めてきました。そのため山を神聖なものと捉え、めったなことでは立ち入ることができない禁忌ともされてきたのでしょう。
聖域である山は一般の人は決して立ち入ることができない聖地として長く崇められてきましたが、江戸時代の中期頃になると、一般の人も聖域に入り山に祀られている神様を拝みたいという考えが広まったようです。これをきっかけとして定められた期間内であれば山に登ることが許されるようになり、一般の人々も山に登ることができるようになったことが始まりです。
山開きは山を登ることへの安全祈願もありますが、時期が来て山に登ることができるようになったことを祝う儀式でもあります。現在では夏山シーズンに入り登山ができるようになる日というイメージが強い山開きですが、日本各地にある霊山と呼ばれる山々では今でも宗教儀式としての山開きが行われています。

海開きの由来

山開きは神道を由来とする宗教儀式から始まったものですが、海開きはそういった宗教や信仰に基づいて生まれたものではありません。しかし山開きが安全を祈願し登山のシーズンの始まりを告げる行事であるように、海開きもそれに倣って始められた行事です。
山や山登りに危険があるように、海にもサメやクラゲによる被害や台風や大潮による被害など危険があります。そういった驚異は海の神の祟りとも考えられ、昔の人々は海を恐れ敬ってきました。そのため神主に安全祈願の奉納を行ってもらうことが海開きの大切な意味でもあり、海にまつわる神事として海開きが行われています。
現在では山も海も特別な慣例がない限り、誰もが自由に楽しむことができます。山開き・海開きの行われる前でも山に登ったり海水浴をすることはできるのですが、やはり安全を考えて行われる行事ですのでそれを守ってレジャーを楽しむのがよいでしょう。