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高崎と東京のだるま市の開催日、内容について
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高崎と東京のだるま市の開催日、内容について

だるまは、仏教禅宗の開祖である達磨大師の座禅姿を模して作られた置物です。達磨大師が、洞窟の壁に向かって9年間座禅したことで手足が腐ってしまったという伝説から、手足のない形の置物が作られるようになったということです。だるまは、現在では宗派を問わず広く縁起ものとして親しまれていて、「ダルマ市」が関東を中心に開催されています。この記事では「高崎だるま市」と「深大寺だるま市」についてご紹介します。

高崎のだるま市の開催日と内容

高崎だるまとは

群馬県高崎市はだるま作りで有名です。だるまは全国各地で作られていますが、その中でも全国生産の80%を占めるのが、高崎市で作られている「高崎だるま」です。冬に風が強く乾燥する気候がだるま作りに適していたため、農閑期の副業として盛んに行われるようになったといわれています。
高崎だるまの特徴はふっくらと丸みを帯びた形状です。また眉毛は鶴、髭は亀を表しています。日本では「鶴は千年、亀は万年」ということわざにもあるように、鶴と亀は長寿を象徴する縁起の良い生き物です。お腹には「福入」、肩には「家内安全」「商売繁盛」「目標達成」などの願いを込めて金文字で書かれています。高崎だるまは、その縁起の良さから昔から多くの人に親しまれており、選挙の立候補の際に左目玉を墨で入れ、当選後に右目玉を墨で入れる「選挙だるま」のほとんどは高崎で生産されたものです。

高崎だるま市の開催日と内容

従来、「高崎だるま市」は高崎市にある少林寺達磨寺で毎年1月6日~1月7日に開催され、毎年数十万人の人が訪れていたといいます。しかし、2016年に寺側と群馬県神農街商協同組合、群馬県達磨製造協同組合との折り合いがつかず、従来の寺で行われていたダルマ市は「少林山七草大祭」として規模を縮小することとなり、2017年より「高崎だるま市」は場所を変えて開催されています。2018年の「高崎だるま市」は1月1日~1月2日の日程で、高崎駅西口駅前通りで開催されました(2019年以降については高崎市のホームページなどで確認が必要です)。
この催しのみどころは、なんといっても2.8mの巨大だるまで、この巨大だるまと記念写真を撮るのがおすすめです。また、金色に輝くだるまも展示されていて、訪れた人が新年の抱負や願いごとなどを自由に書くことができます。伝統的な高崎だるまはもちろん、干支だるま、カラーだるまなどが販売され、だるま職人による実演や名入れ(有料)なども行われています。飲食店も20点以上出店していて、串焼き、もつ煮、だるま弁当、地酒などを楽しめるほか、おもちゃやお菓子、地元の名産品もあるのでお土産を買うのもいいです。宅配便ブースも設けられていて、大きなだるまを買った場合でも手ぶらで帰ることができ、便利です。また、初詣スポット無料巡回バスは、西コースと東コースの2コースが運行されていて、そのまま初詣をすることもできます。その他のみどころとして、マーチング、三味線、二胡、和太鼓の演奏、踊りや舞などをみることができます。2018年は35万人を動員し、たいへん賑やかなお祭りとなったようです。

東京で行われるだるま市について

東京だるまとは

「東京だるま」は、別名「多摩だるま」ともいわれ、東京西部で生産されています。かつて多摩では養蚕が盛んに行われていて、養蚕農家が豊作や無病息災を願って神棚に飾ったことからだるま作りが広まり、ダルマ市が開催されるようになったそうです。現在も東京で行われているダルマ市には「拝島大師だるま市」(昭島市)、「青梅市だるま市」(青梅市)、「初不動大祭」(日野市)、「深大寺だるま市」(調布市)などがあります。中でも「三大だるま市」のひとつとして有名な「深大寺だるま市」について詳しくみていきましょう。

深大寺だるま市

東京調布市にある深大寺で開催される「深大寺(じんだいじ)だるま市」の正式な名称は「厄除元三大師大祭(やくよけがんざんだいしたいさい)」です。江戸時代中期に始まったといわれ、地元の人には「だるまさん」という愛称で親しまれています。
例年、深大寺山門の梅の花が見頃を迎える3月3日、4日の両日にわたり執り行われ、300以上のだるま店や露店が並び、6万人以上の人が境内を埋めます。
深大寺だるま市の最大の見どころは、3日、4日の午後2時より開始される「お練り行列」です。雅楽のしらべにあわせて、法衣を身にまとったお坊さんが練り歩く姿は、まるで平安絵巻のような優雅さで圧巻です。深大寺だるま市に行くなら、見逃さないようにしたいものです。
購入しただるまをお坊さんにより直々に開眼してもらえるのも、このダルマ市ならではです。普通、開眼には黒目を塗るのですが、深大寺ではインドのサンスクリット語である梵字を入れます。開眼には深大寺の僧侶に、だるまの左目にものごとのはじまりを意味する「阿(あ)」という文字を入れてもらいます。願いが叶ったら右目にものごとの終わりを意味する「吽(うん)」という字を入れてもらい、感謝の気持ちをこめて奉納しましょう。