ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
夏至祭の主な内容と開催地について
二十四節気
 
六月(水無月)
 

夏至祭の主な内容と開催地について

夏至は、毎年6月21日ごろで、北半球において1年のうちで昼が最も長く、夜が最も短い日です。太陽が最も北に寄るため、北極では太陽が沈まず、南極では太陽が現れません。日本の大部分では梅雨のまっただ中で、夏至をお祝いする全国的な風習はありませんが、夏が短い北欧ではとても大切な日で「夏至祭」というお祭りがあるそうです。この記事では、夏至祭について紹介します。

夏至祭の主な内容

夏至祭とは?

夏至のお祭りは、北欧やヨーロッパの国々で行われている夏至を祝うお祭りです。暗く長い冬が続く北欧の国では、夏至は夏の到来を意味するとても喜ばしい日です。ヨーロッパや北欧の国々では、夏至の日は国民の休日に定められ、大小さまざまなイベントが行われます。ここでは、スウェーデン、フィンランド、イギリスのストーンヘンジの夏至のお祭りについて詳しくみていきましょう。

スウェーデンの夏至祭

スウェーデンでは、毎年6月19日から26日の間の土曜日が夏至のお祭り(祝日)とその前日がお休みです。カレンダー上の夏至のお祭りは土曜日なのですが、実際にお祝いするのはその前日(イヴ)になります。多くの人が夏至祭に合わせて休暇をとったり、サマーハウスでゆっくり過ごしたりします。夏至のお祭りの最大のイベントは「マイストング」とよばれる夏至柱を立てることです。マイストングは「五月の柱」という意味で、豊穣のシンボルです。これは、ドイツなどで行われる五月祭の柱(メイポール)が伝わったものとされていますが、スウェーデンでは冬が長いため、緑が美しく花が咲きほこる夏至の時期にマイストングを立ててお祝いするようになったといわれています。大きなものでは20mを超える大木に、野の花やモミの葉などを美しく飾りつけるのが伝統です。夏至祭では、家族や、親戚、友人、地域の人などが集まりお祝いをします。夏至柱を立てた後、その周りで民族衣装に身をつつんだ人々や花冠をかぶった女性や子どもが、バイオリンや民族楽器の演奏に合わせてフォークダンスを踊ったり歌ったりします。伝統料理のニシンの酢漬けや茹でたジャガイモ、サーモン、フルーツやケーキなどを食べ、お酒をたのしみながら夜遅くまで盛り上がるのがスウェーデンでの祝いかたです。また、夏至のお祭りには古くからの言い伝えがあります。夏至祭の夜、野で摘んだ7種の花束を枕に敷いて寝ると、夢の中で未来の伴侶に逢えるというものです。

フィンランドの夏至祭

フィンランドでは夏至のことを、ユハンヌス(juhannus)と呼びます。夏至祭の時期は、フィンランドも祝日となっていて、都会を離れて田舎のコテージで過ごすのが伝統的な過ごし方です。また、湖のそばで悪い精霊を追い払うコッコ(kokko)と呼ばれる大きなかがり火を焚きます。コッコを焚き、大酒を飲んで大騒ぎをすると、その年は豊作で幸せになれるという言い伝えに習い、一晩中野外でお祝いをします。最近では、バーベキューや釣り、セーリングを楽しむ人もいるそうです。

ストーンヘンジの夏至の祭典

ストーンヘンジは、イギリス南部のウィルトシャー州ソールズベリ平原にある巨石建造物で、環状列石(ストーンサークル)のことです。円陣状に並んだ直立巨石とそれらを囲む土塁(どるい)からなり、世界でも有名な先史時代からの遺跡です。例年、夏至の日の未明から夜明けにかけて夏至を迎える儀式が執り行われ、古代ケルトの民が信仰した、ドルイド(Druid)教の教徒の祭司役を務める人などを含めて、数万人の人々がストーンヘンジに集まります。毎年夏至の日にストーンヘンジでは、ヒール・ストーンと呼ばれる高さ6mの玄武岩と、中心にある祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇り、とても神秘的な光景です。

夏至祭はどこで行われるものか

夏至は各国で祭りになっている

夏至のお祭りが行われる国は、上に書いたスウェーデン、フィンランド以外にもたくさんあります。ノルウェー、ラトビア、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、オーストリアの一部の地域などです。これらの国々でも、焚き火をたいたり、豊穣を願って儀式が行われたりします。また、カップルが焚き火をとびこえたり、花冠を川に流したりして恋のゆくえや将来を占います。これらの国でも、夏至の日の太陽は不思議なパワーがある存在となっています。
実は、日本にも夏至祭が行われているところがあります。三重県伊勢市にある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)、スウェーデンのレクサンドと姉妹都市になっている北海道の当別町や長野県小海町です。この中から、日本らしい儀式が色濃く残る二見興玉神社でおこなわれる夏至のお祭りについてご紹介します。

二見興玉神社の夏至祭

日本の夏至のお祭りのなかで特に有名なのが、三重県伊勢市にある二見興玉神社でおこなわれる夏至祭です。伊勢市の二見浦の夫婦岩(めおといわ)では、夏至の前後には岩と岩の間から朝日が昇るすがたが見られます。この夏至祭では、太陽のエネルギーが最も強い夏至の日に、日の出を浴びながら、夫婦岩に向かって海に入り身を清める「禊(みそぎ)」の行事です。古くから、この夫婦岩のある二見浦一帯は、日本の総氏神で太陽神である「天照大神(あまてらすおおかみ)」を祀った伊勢神宮への参拝者が、お参り前に心身を清める神聖な場所だったといいます。午前3時30分より夏至のお祭りが行われ、日の出の時刻(午前4時40分頃)にあわせて禊の行事が行われます。ヨーロッパ夏至祭と日本の二見興玉神社とでは、祭りの様子が全く異なりますが、太陽のパワーを神聖視するという点では共通しているのが興味深いです。