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大雪とはどんな時期か?
二十四節気
 
十二月(師走)
 

大雪とはどんな時期か?

いよいよ冬本番と言える12月。山岳地帯だけでなく、平野部でも初雪の知らせが届く時期を「大雪」と呼びます。熊が冬眠に入り、いよいよ冬将軍の到来が感じられる時期です。では、この時期の「旬」とは何か? そして、大雪の特徴や具体的な日にちはいつなのか? 詳しく解説していきます。

大雪とは?

大雪とはどんな時期か?

大雪は「雪をいよいよ降り重ねる折からなればなり」と言われ、「雪が積もってくる頃」を指します。山頂は美しく雪化粧を施し、平地・平野部にも初雪の知らせが届くと、日に日に寒さも増し、いよいよ季節は冬本番を迎えます。「大雪」は、本格的な冬の到来となる時期であり、師走を迎え、人々が忙しく動き始める時期になります。また、山岳地方などでは、大雪によって交通機関がマヒしたり、家屋が潰れてしまう程の大雪が降るなど、自然災害が増えることでも知られた時期です。そして、大雪を迎えると、この日から次の節気である冬至までのカウントダウンがスタートします。尚、大雪は小雪から数えて15日頃。二十四節気に於ける第21番目の節気で、12月7日頃となり、この日から21日までの約15日間が大雪の期間となります。

大雪の時期の旬の食材や草花は?

大雪の時期に旬を迎える食材としては、まず野菜だと白菜、大根、レンコン、かぼちゃなどで、特に大根はおでんや味噌汁など、冬の鉄板メニューには欠かさず入っている食材と言えます。整腸作用が高く、年末年始の酒席で暴飲暴食してしまった体も、大根を食すことでスッキリと不快感を解消してくれます。また、果物ではみかんやレモンなどが代表的ですが、実は洋ナシもこの時期に旬を迎えます。ただし、食べごろには個体差があり、実が硬い場合はまだ早く、柔らかくなってから食べると、甘くとろける様な食感を楽しむことができます。
そして大雪の時期に採れる海の幸は、ハマチ、サワラ、フグ、ヒラメ、ノリなど、非常に豊富です。中でもこの時期のタラは絶品と評判で、特に産卵期を迎えたタラはカニやエビなどを餌として食していることから、「鱈腹(たらふく)」という言葉が生まれたと言われる程に特徴的です。尚、美味しいタラはお腹の色が白く、背中の模様がクッキリしている様です。参考にしてみてはいかがでしょうか。

七十二候における大雪

大雪の初候は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」と言われます。これは、天地の気が塞がれ、冬が訪れる頃を意味し、グレー色の空に重い雲がかかるといった、この時期の特徴を表しています。ちなみに、「塞ぐ」という言葉は「寒さから人々を守る」という意味で書かれています。
そして次候は「熊蟄穴(くまあなにこもる)」となり、読んで字のごとく熊が穴倉にこもり、冬眠を始める頃という意味です。また、熊のみならず、リスやカエルなど、多くの生き物が冬ごもりを始める時期です。
さらに末候は「鱖魚群(さけのうおむらがる)」。鮭が川を遡上する頃という意味の言葉が据えられています。多くの方がご存知だと思いますが、この時期は海で育った鮭が産卵のために故郷の川へと里帰りをします。主に北国では冬を代表する光景として、広く知られているでしょう。

大雪の時期に行われるイベント

道具を供養する「針供養」

大雪が始まる12月7日、その翌日に行われる伝統的な行事として「針供養」があります。これは、文字通り「針を供養」するための行事なのですが、どうして針を供養するのか? それは、かつて針は着物を繕うための大切な道具として日常生活に欠かせないものだったからです。そしてこの日は、古くなって折れた針などを柔らかい豆腐やこんにゃくに刺し、川に流したり、神社に納めたりして裁縫の上達を願いました。事の起こりは江戸時代とされ、裁縫の上達のみならず、針の労をねぎらう祭りとして広まった様です。

その他の行事は?

また「針供養」の日は「事始め」の日としても知られています。事始めとは、年を司る神様である年神様を迎えるために正月行事の準備を始める日を指します。そして年神様を迎えるための正月行事が終わると、2月8日から人間の事始めとなり農作業など人の一年の営みが始まる日となるのです。ちなみに、年神様を迎える正月行事である「神事」の期間と、それ以外の日常の期間とで分けると、一方の始まりの日はまた一方の終わりの日になります。
さらに、旧暦の12月8日は無病息災を願って「味噌汁」を食す「お事汁」という日でもあります。お事汁は別名「六質汁(むしつじる)」とも言われ、芋、大根、人参、ゴボウ、小豆、こんにゃくなど、六種類の具を入れて作る味噌汁のことです。地方によって入れる具材は様々あるようですが、寒い季節に体を温めるための伝統長寿食として、現在でも親しまれた習慣になっているようです。