大寒とはどんな時期か?
正に冬本番といった1月末。全国的に最も気温が下がり、北の方では最低気温が氷点下になるところも珍しくありません。では、暦の上ではどんな時期にあたるのでしょうか? ここでは大寒とはどんな時期なのか? そして、旬の食材やイベントにはどんなものがあるのかについて詳しく紹介していきます。
目次
大寒とは?
大寒とはどんな時期か?
二十四節気の24番目の節気となる大寒は、「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と言われる様に、一年の間で最も寒い時期です。1月20日頃から2月3日頃の立春を迎えるまでが大寒にあたります。地域によっては寒波が厳しくなり、吹雪いて外出することもままならないなんてこともあり、雪による事故が増えることも少なくありません。しかしながらこの時期には「三寒四温」という言葉があり、これは「寒い日が三日続くと、後の四日は暖かくなる」という意味からもわかる様に、徐々に春の気配を感じられる時期でもあるのです。特に昨今では、温暖化の影響で年々平均気温が高くなっている地域もある様で、大寒でも都心部では雪が降らないなんてことも珍しくありません。
大寒の特徴
前記で何度となく紹介しましたが、大寒と言えばやはり寒さが最大の特徴と言えます。そしてこの時期にニュース等で言われるのが「いよいよ冬将軍の到来」という一言に他なりません。冬将軍とは、何も「人」を表す言葉ではありません。簡単に言ってしまうと厳しい冬の様子を擬人化した表現であり、日本においては冬季になると周期的に南下するシベリア寒気団のことを指します。語源は19世紀のイギリスの新聞にちなみます。ナポレオンがロシア進攻に失敗した原因として、General Frostのせいだと報じられ、それが日本に伝わり「冬将軍」と訳されたのです。そして、何日も厳しい寒さが続くと、空の上に冷たい将軍が居座っているかの様に感じることから、使われ始めたと言われています。
大寒の時期の旬の食材や草花は?
大寒の時期は、ブリの漁獲量が高まります。脂が乗って味わい深く、照り焼きや鍋の具材として食される魚です。ちなみにブリという名前は脂が多い魚であることから「アブラ」が変化して「ブリ」と呼ばれる様になったと言われています。そして旬の果物は主に金柑(きんかん)です。小さな実の中にはビタミンCがたっぷりと入っていて、栄養満点です。酸味が強いことから、蜜に漬けて食べる方法が有名です。また、丸くて形が良いものが美味しいと言われています。
また、この時期の野菜は牛蒡(ごぼう)が旬とされています。牛蒡は体内の毒素を排出してくれる働きがあると言われ、血液がサラサラになり、むくみの解消にも効果があるとされています。煮ても焼いても美味しく、毎日摂取する場合は「ごぼう茶」にして飲む方法もおすすめです。さらに大寒の時期は南天(なんてん)が赤い実をつけることでも知られています。南天は「難を転じて福をなす」という意味に通じることから縁起が良い木とされ、正月飾りなどに使われます。さらに、南天の実には咳止めの効果があることから、薬用として利用されていることは広く知られているでしょう。
七十二候における大寒
七十二候における大寒の初候は、「款冬華(ふきのはなさく)」となり、凍った地面に蕗(ふき)の花が咲き始める頃と言われています。積もった雪の間から、蕗の花が顔を出すと、いよいよ冬の終わりが近づき、草花は春に向けて起きる準備を始めます。
そして次候は「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」と言われ、沢の水が氷となり、厚く張りつめる頃になります。初候で春の訪れを感じ始めると謳っておきつつも、時期はまだ真冬です。年間最低気温を記録する時期であり、氷点下に達する地域が多い頃でもあります。
末候は「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」。鶏が春の気配を感じ、卵を産み始める時期という意味です。2月上旬になると日が長くなることから、自然な状態の鶏は産卵率が上がり、春から夏にかけて卵を産み続けます。
大寒の時期に行われるイベント
2月と言えば「節分」
立春の前日に当たることから「季節を分ける」という意味を持つ「節分」は、言わずとしれて2月のメインイベントとも言うべき行事でしょう。古より、季節の変わり目には鬼が出ると言われたことから、家の中の鬼を排除し、福を呼び込むために豆をまく慣わしがあります。また、地域によっては柊と鰯の頭を玄関に飾る習慣もあるそうです。
その他のイベントは?
大寒の時期に行われるイベントとして代表的なのは、北海道札幌市で行われる「さっぽろ雪まつり」です。同イベントは、2018年開催で69回を迎え、札幌市内にある大通り公園には、芸術的な大雪氷像の数々が所狭しと並びます。ちなみに、2017年の同イベントには約270万人もの観光客が来場し、大賑わいだったようです。冬の最後を飾る一大イベントとして全国的にも知られています。
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