子供からお年寄りまで楽しめる餅つき(餅搗き)行事
餅といえば正月、そんな風に思っている人も少なくないことでしょう。事実餅つき(餅搗き)行事は、毎年正月の風物詩として親しまれています。ですが、なぜ餅つき(餅搗き)行事をおこなうのか知っている人は、そう多くないかもしれません。正しい意味を理解して、深みをかみ締めながら楽しむと、より一層意義のある行事となることでしょう。
目次
餅つき(餅搗き)行事の由来
餅つき(餅搗き)行事のはじまり
日本人は、正月をはじめさまざまなシーンで餅つき(餅搗き)行事をおこないます。ではいったい、なぜこのような風習が始まったのでしょうか。これには、古くからの日本における生活スタイルが関連しています。
日本人は、いわずと知れた農耕民族です。そのため古くから稲作信仰というものが存在しており、命を維持する上で欠かせない稲は神聖なものであると捉えられてきました。主には、稲には「稲魂(いなだま)」「穀霊(こくれい)」などとという神聖な霊が宿ると信じられ、長きに渡り大事に扱われてきたといった具合です。その証拠に、日本は古くから米を主食としてきており、さらにお金の代わりに米が使われていた時代すらあったほどです。その他、米から作ったお酒である日本酒も、日本ならではといえるでしょう。餅つき(餅搗き)行事には、そんな稲への感謝の気持ちが込められているのです。
あらゆる節目で楽しまれる餅つき(餅搗き)行事
餅といえば、やはり正月を真っ先にイメージする人が多いことでしょう。雑煮や鏡餅、そして餅つき(餅搗き)行事など、関連した存在が少なくありません。ですが、実際餅つき(餅搗き)行事がおこなわれる瞬間はそれだけでもないのが実際のところです。桃の節句や端午の節句、またその他でも人が集まるイベントなどでは、たびたび開催されています。やはり日本人の心には、現代でもなお稲作信仰が生き続けているのでしょう。
またそうした人気の理由には、餅つき(餅搗き)行事が複数の人で楽しめるイベントということも関係していることでしょう。二人一組で協力してつく、また一度に大量の餅を作るため、多くの人にふるまえるなど、大勢が参加するシーンに適しています。つきたての餅は、パックで売られている市販のものとは一味違います。大人も子供も楽しめる、記憶に残るイベントとして楽しめることでしょう。
餅つき(餅搗き)行事をする理由
特別な理由がある正月の餅つき(餅搗き)行事
前述で餅つき(餅搗き)行事が広く親しまれている理由をご紹介しましたが、正月のものに関してはさらに特別な意味合いが伴います。正月料理や飾りつけ、行事などあらゆる面で活用されているのは、それ相応の理由があるためなのです。正月に餅つき(餅搗き)行事を楽しむ特別さについて、ぜひ知ってみてください。
たとえば、鏡餅に関する理由です。正月は、古くから歳神様という新年に関連深い神様がやってくると信じられてきました。この神様は、1年を生きる気力である「年魂」を授けてくれます。そして、そんな魂の象徴としてもちいられ続けているのが何を隠そう鏡餅なのです。
なぜ正月の丸い餅を鏡餅と呼ぶのかといえば、それは三種の神器のひとつである「八咫(やた)の鏡」に代表される通り、古くから鏡は丸い形状の象徴であったためです。そんな鏡餅は、単なる象徴としてでなく、歳神様の依り代としても役割を果たすといわれています。1年を生き抜く気力を与えてくれる歳神様の恩恵が得られるわけですから、飾らない手はありません。あまり古い風習などは重んじないような家庭でも、鏡餅を置く価値は大いにあるでしょう。
またそんな鏡餅は、一定期間が過ぎると開いて雑煮にするのが一般的です。これには、「歯固め」の意味合いが込められています。丈夫な歯で何でも食べることは、長生きをすることに繋がります。そのため、1年の最初に固い鏡餅を食べることで、歯の健康を祈るという風習ができ上がったのです。ただおいしく味わえるだけでなく、深い意味が込められた存在であるということを、ぜひ見つめなおしてみてはいかがでしょう。
餅つき(餅搗き)行事の注意点
おいしくて楽しい餅やそれに関するイベントですが、注意点も伴います。たとえばつくときは、二人一組しっかり息を合わせておこなうことが欠かせません。ちょっとした気の緩みによって、杵でこね役の手を強くついてしまう可能性も出てきます。コントなどでよく見かける手法ですが、実際起こると笑い事ではありません。最後まで楽しくおこなえるよう、注意しましょう。
また、高齢者の人は餅による事故で命が危機に晒されるケースも多くみられます。事実、毎年多くの事故経験者や死亡者が出ているそうです。食感が楽しくおいしい餅ですが、一方で喉につまりやすい存在でもあるためです。万が一つまってしまったら、家族などの周囲の人に頼って、餅を取り出してもらいましょう。掃除機の吸引力で吸うと、症状を解消できるといった豆知識もあるようです。周囲の空気を乱さないよう大きな声は出したくないかもしれませんが、命に関わるとなればそうも言ってられません。
あなたにおすすめの関連商品はこちら