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皐月とは~皐月の由来や歴史を知ろう
五月(皐月)
 

皐月とは~皐月の由来や歴史を知ろう

日本では、古来から暦の月に名前を付けています。このような月の名前付けを「和風月名」と呼びます。
現在一般的に使われている新暦に対して、旧暦と呼ばれる昔から使われていた暦でその月に行われる行事や季節に合わせて名づけた名前なのです。実際には現在の暦の季節感とは1~2ヶ月ほどのずれが生じます。

皐月とは

皐月とは

皐月は、5月のことを表す旧暦での名前で、読みは「さつき」と読みます。旧暦とは、明治5年12月2日まで使われていた太陰太陽暦のことです。その翌日の12月3日から現行の新暦と言われている太陽暦に変わりました。
その旧暦での5月のことを皐月と呼ばれていました。その後、新暦に変わったことから、旧暦とは1~2ヶ月の差が出来ました。たとえば、新暦の現在の正月は1月1日ですが、旧暦での正月はおおむね1月22日頃から2月20日頃にあたるのです。毎年の旧正月は旧暦法に従って決められています。

旧暦と新暦について

なぜこのように日付がずれるのかというと、現在の新暦はグレゴリオ暦と呼ばれる、太陽の動きを基にして定められたものです。グレゴリオ暦とは、ローマ教皇グレゴリウス13世が、それまで使われていたユリウス暦の改良を命じ、1582年10月15日から使用されている暦法で、1年を365日と定めて、1月から12月までに振り分けた暦となります。
それに対して、旧暦は元々アジア圏で広く使われていた月の満ち欠けなどの動きを基とした暦なのです。特に日本で使われていた旧暦は、日本独自に何回も改良された暦であって、最後に使われた旧暦は天保歴(てんぽうれき)と言います。天保暦は、天保15年1月1日(1844年2月18日)に寛政暦から改暦され明治5年12月2日(1872年12月31日)まで約29年間使用された暦です。

天保暦での月の名前

つまり旧暦とは、この最後の天保歴のことを言うのです。天保歴での暦の名前は、1月が睦月(むつき)、2月が如月(きさらぎ) 、3月が弥生(やよい)、4月が卯月(うづき) 、5月が皐月(さつき)、6月が水無月(みなづき)、7月が文月(ふみづき)、8月が葉月(はづき)、9月は長月(ながつき) 、10月は神無月(かんなづき)、11月は霜月(しもつき) 、12月は師走(しわす)と名付けられていました。
新暦に変わってからも、旧暦の月の名前はそのまま引き継がれて、現在も使われているのです。

皐が持つ意味

皐月の由来とは

5月は、皐月(さつき)です。名前の由来は諸説ありますので、解説します。一つは、田植をする月であることから「早苗月(さなへつき)」と言っていたものを略したという説です。二つ目は、稲を植えることを古語で「さ」と呼び田植えの月ということで「さ」月となったというものです。
漢字「皐」には「神に捧げる稲」の意味があるため、皐月が当てられたとも言われています。皐月5月は、さわやかな新緑のころ、田の神様を奉じて田植えをする季節を意味します。また、かつて物忌み月と言って禁欲の期間としたこともあったようです。
また、皐月というツツジ科の植物があり、山奥の岩肌などに自生し可憐な花を咲かせるため、盆栽などで親しまれています。サツキツツジ(皐月躑躅)などとも呼ばれていますが、他のツツジより開花が一ヶ月程度遅く、旧暦の五月皐月の頃に一斉に咲き揃うところからその名が付いたそうです。
「皐」という漢字の読みは、「コウ」「さつき」「すすむ」「たか」「たかし」などがあります。実は、人名漢字の一つなのです。「皐」という漢字には、水辺の平らな地、きし、沼・さわのきし辺などの意味や、「 ああ」など声をゆるやかに長く引いて魂を呼ぶ様、またそのときの声などや、声をのばして大声で呼ぶさま、 明るくかわいた陰暦の五月などの意味があります。
そして「皐」という漢字は、元々は「皋」という漢字でした。「皋」は「白+大+十(まとめる)」で、白い光のさす大きな台地をあらわします。明るい、たかい、広がるなどの意味を含みます。皐はその略体なのです。
また、同じような漢字の使い方として「早苗(さなえ)」「五月雨(さみだれ・早水垂)」「早蕨(さわらび)」などがありますが、どれも「早」という漢字が使われています。

月の名前の意味について

旧暦では、1月から12月までのそれぞれの月に名前を付けて呼んでいました。皐月はその名前の一つなのです。以下に、それぞれの月の名前と由来を説明します。

1月:睦月(むつき)と読みますが、「睦まじき月」という意味があります。
2月:如月(きさらぎ)と読みますが、いまだ寒くて「更に衣を着る」というところから、衣更着(きさらぎ)という字があてられたのです。絹更月と書くこともあります。
3月:弥生(やよい)と読みますが、草木が生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったのです。
4月:卯月(うつき)と読みます。卯月の名前の由来は、卯(うつぎ)の花が咲く月「卯の花月(うのはなづき)」から来ています。干支の卯(ウサギ)が4番目であることが由来という説もあります。
6月:水無月(みなづき)です。文字通り、梅雨(五月雨)が明けて水が涸れてなくなる月というのが由来と言われています。
7月:文月(ふみづき・ふづき)です。7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風にさらす風習が名前の由来となります。
8月:葉月(はづき)です。木の葉が紅葉して落ちる月「葉落ち月(はおちづき)」「葉月(はづき)」が由来です。旧暦の8月は秋分を含む月でもありました。
9月:長月(ながつき)です。長月は、「夜長月(よながつき)」から来ています。秋の夜長が名前の由来です。
10月:神無月(かんなづき)です。神無月は、日本中の神様が出雲の出雲大社に集まるため、神様がいなくなる月となるので神無月(かんなづき)と呼ばれています。ちなみに出雲では10月を神在月と呼んでいます。
11月:霜月(しもつき)です。霜が降る月の意味があります。神楽月(かぐらづき)、子月(ねづき)と呼ばれることもあります。
12月:師走(しわす)です。師とは仏僧のことで、僧が仏事などで忙しく走り回るほど忙しいことが由来しています。平安後期の「色葉字類抄」にその旨の記載があります。