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お正月を象徴するものといえば松迎え
お正月
 
十二月(師走)
 
正月飾り
 

お正月を象徴するものといえば松迎え

数ある正月行事の中でも、松迎えについてはあまり知られていないかもしれません。言葉自体はもちろん、その作業自体も近年はおこなう人が少なくなってきているようです。しかし、神聖でとても意義のある行事なので、知っておいて損はありません。詳しくまとめたので、参考になさってください。

松迎えの意味

松迎えって何のこと?

正月に関連深い松といえば、門松が有名でしょう。家や店先に飾って正月ならではの雰囲気を盛り上げてくれます。そして松迎えとは、まさにこの門松に関係した行事となっています。内容としては、門松をはじめとした正月飾りに使う松を、とりにいくことです。今ではあらゆるものが店舗やインターネットショッピングを通して手に入れられますが、昔はもちろん自分でとりにいかなくてはなりませんでした。正月を前に松の準備をする、そんな作業が毎年欠かせなかったのです。

門松を飾る理由

松迎えの主要な目的は、門松に使うための松を準備することです。数ある正月用品のなかでも、特に大掛かりで用意が大変かもしれません。ではいったい、なぜそんな門松を正月に飾るという風習が存在するのでしょうか。
諸説あるそうですが、基本的には歳神様を迎えるための道しるべといわれています。正月に神様を迎え入れられれば、1年間福の多い日々を送れるかもしれません。充実した1年を願うための、想いが込められた飾りつけとなっているのです。

なぜ松が縁起ものなのか

正月飾りには、松をもちいたものが少なくありません。その理由は、松が「祀る」を語源とする木であるともいわれているほどに、古くから神の依り代として信じられてきているためです。門松のほかには、神棚に飾られる木としても有名です。「神を待つ木」とも称される神聖な木を飾ることで、歳神様をはじめとした縁起のよい神様を呼ぶことに繋げられます。
また、数ある正月飾りの中でも門松は代表的な存在といえます。なぜなら、一部では門松のことを「正月様」と呼んでいるほどだからです。正月を代表する飾りつけ、だからこそ堂々「正月」の名が冠されているのでしょう。確かに、門松は正月ならではの存在であるため、店舗や家の出入り口で見かけると、年末年始らしさを感じられます。

松迎えする時期

松迎えをおこなう時期

松の準備もまた、正月用品全般の用意と合わせておこなわれます。つまり、前年12月の事始め時期からはじめていくというわけです。事始めとは、正月を準備万端な状態で迎えるために、12月のうちからさまざまな用意をしはじめることです。主には、12月13日以降であるといわれています。半月以上の十分な期間を使って徐々に準備していくため、直前になって慌てる心配も必要ありません。
近年では少なくなってきているかもしれませんが、実際に山や林に松をとりにいくともなれば、結構な作業です。それこそ、1日使って車で遠出してとりにいくといった展開も、大いに考えられるでしょう。年末の忙しいときにやろうと思うと、心身共に大変です。事始めの十分な期間を利用して、ぜひ余裕をもって実践してみてください。それこそ、商店やインターネットショッピングが広く普及している現代においてあまり意味のないことかもしれませんが、風習を重んじて、家族行事として楽しんでみてもよいのではないでしょうか。きっと、いい思い出になることでしょう。
ただ、注意しなければならない時期もあります。それは、13日からゆっくり準備を始められるものの、28日には終えておくべきであるということです。なぜなら、29日と31日は縁起が悪い日といわれているためです。29日は「二重苦」や「苦」といった意味合いが伴うため、この日に松を飾ると「苦松」になるといわれています。「苦松」は「苦を待つ」という意味にとれるため、縁起を重んじる日本人からすると、あまり適した日ではありません。また31日は、年内最後の日となり、一夜限りの飾りとなるため、神様に失礼であると考えられているからです。30日は特に問題ありませんが、前後の日が適さないため、少し準備をする日としては適当とは言い難いでしょう。できる限り、28日までに準備しておくのがおすすめです。

門松の起源とは

現代でもおなじみの門松ですが、歴史は古く、かなり以前の日本でも親しまれていました。それこそ、平安時代にはすでに登場していたという説すらあるほどです。ですが当時は、現代と少し形式が違っていたといわれています。門松といえば玄関の左右を挟むように置くのが定番ですが、当時は中心に一本どんと飾られていたそうです。左右に置く形よりもより一層目立つわけですから、松迎えもこだわって、慎重におこなわれていたことが想像できます。
門松を飾る理由は、昔ながらの風習だからこそかもしれませんが、たまには歴史も振り返ってみてはいかがでしょうか。平安時代から続く由緒正しい風習と知ると、ありがたみもより一層感じられてくることでしょう。飾りつけも松迎えも、きっと楽しくこなせることでしょう。