ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
1年で最も昼が短い日が朔旦冬至(さくたんとうじ)
十二月(師走)
 

1年で最も昼が短い日が朔旦冬至(さくたんとうじ)

朔旦冬至は、冬至の中でも特別な時期を表しています。十数年に1度しか訪れない貴重な時期であるため、ぜひ知っておいてください。とはいえ、少々解釈の難しい存在でもあります。ポイントごとに、ご紹介していきます。

朔旦冬至(さくたんとうじ)とは

朔旦冬至って何?

この冬至を知っている人は、少ないかもしれません。なぜかというと、19年に1度しか訪れないとても貴重な冬至の名前であるためです。朔旦冬至の時期が訪れればニュースなどで話題になりますが、それ以外のタイミングで注目されることはそうそうないでしょう。それだけに、貴重なタイミングを経験できる機会が訪れれば、ぜひ意識しておきたいものです。
普通の冬至と朔旦冬至のどこが違うかというと、それは太陽と月の周期との関係です。太陽と月は異なる周期で周っているため、基本的にそれぞれ状態が異なります。ですが、19年に一度、ふたつの周期における始まりが重なる瞬間が訪れます。それこそが、朔旦冬至です。名称は、「さくたんとうじ」と読みます。

朔旦冬至という名称の由来

なぜ2つの周期の始まりが重なる瞬間を朔旦冬至と呼ぶのかというと、冬至が太陽周期の最初にあたるためです。太陽は、中国で古くから二十四節気と呼ばれる周期において周っていると考えられてきました。1年で一番日が短い冬至をスタートとして、大寒、立春などを経て春分、1年でもっとも日照時間の長いタイミングである、冬至の真逆に存在する夏至、そして立秋や秋分、立冬など計23の節気を経てまた冬至へと戻ってきます。日照時間がもっとも短く、それでいてその日からまた太陽のエネルギーが復活していく節目であるとして、中国のみならず、日本でも古くからめでたい日とされてきました。
月の周期に関しては、もちろん名称が異なります。こちらは完全に月が陰る新月から始まり、十五夜や十六夜、満月などを経てまた新月へと戻っていきます。新月はまったく月の見えない状態であるため、普通に考えると少し寂しい印象を受けるかもしれませんが、冬至と同様で、その日からまた復活を始める節目であるともいい換えられるでしょう。だからこそ、冬至と新月が19年に1度のタイミングで重なる朔旦冬至は、めでたいとものされているのです。
では、なぜ冬至に「朔旦」という言葉が冠されているのでしょうか。それは、この二文字こそが新月と冬至を表しているためです。「朔」とは新月を表す「朔夜」という言葉の頭一文字です。そして「旦」は、「元旦」という言葉にも使われている通り日の出が表現されています。つまり、朔旦冬至はストレートに新月と冬至が重なる日の表された言葉というわけです。文字の意味から紐解くと、結構シンプルで分かりやすい印象のようにも感じられます。

朔旦冬至(さくたんとうじ)の時期

具体的な時期

さて、朔旦冬至について詳しく知れたら、次に気になるのはやはり次回訪れるタイミングでしょう。19年に1度という貴重な瞬間であるため、せっかくの時期を逃すとちょっと後悔させられてしまいそうです。まず、前回の朔旦冬至については、2014年でした。比較的近年であるため、残念ながら次回は結構先となってしまいます。
また、前回が2014年であれば次回は2033年では?とも思えるかもしれませんが、実はそうでもないのが実際のところです。本来なら19年後なのでそうなるのですが、2033年は朔旦冬至のタイミングを決める天保暦の暦法が使用できないという問題が起こる年に当たるため、例外的に朔旦冬至が訪れない年になってしまっているのです。とはいえ、天保暦が機能しない瞬間というのも1844年制定以来初めてのことなので、それはそれで貴重な瞬間ともいえるわけなのですが。
上記の理由から、実際次に訪れるタイミングは、2014年から38年後の2052年になります。前回を逃してしまった人からすれば、気の遠くなるような未来かもしれませんが、気長に待ちましょう。

冬至の慣わしといえば

朔旦冬至に限らず、冬至が訪れると古くから特有の風習がおこなわれてきました。次回の朔旦冬至はかなり先ですが、冬至自体は毎年訪れます。冬の醍醐味として、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
たとえば、食べ物についてです。冬至のときには、南瓜・小豆・ゆずを食べるとよいとされています。理由はそれぞれ、南瓜は「ん」の文字が入っているため運気を上げられる、小豆の赤い色は邪気を払う、旬の香りが楽しめるゆずは邪気払いになるから、といった具合です。「ん」がつけばよいわけですから、もちろん南瓜以外に大根やにんじんなども同様の運気アップが期待できます。
また、ゆずは食べるだけでもありません。お風呂に浮かべて、いわゆるゆず風呂を楽しむ上でも魅力的な存在となってくれます。温められたゆずは一層香り立ち、さらにはお湯にもほのかな匂いが漂います。身も心もくつろげる、季節感ある入浴タイムになることでしょう。