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その年の苦労を忘れて労うのが年忘れ
十二月(師走)
 

その年の苦労を忘れて労うのが年忘れ

年末になると、何かと「年忘れ」という言葉を良く耳にするかと思われます。文字通り、1年を忘れて新たな年に備えようという意味ですが、実はそれだけでもありません。語源や本来の意味を知って、より充実感のある年末を楽しんでみてはいかがでしょうか。

年忘れとは?

年忘れの意味について

古来から伝わる言葉の中には、現代の価値観では難しく感じられるものも少なくありません。ですが年忘れに関しては、年を忘れるというシンプルな表現となっているため、比較的なじみやすいのではないでしょうか。事実、各メディアやイベントごとなどで、多くもちいられています。年末のテレビ番組名によく使用されていることでも、有名です。
この言葉には、「1年間の苦労を忘れる」という意味が込められています。過去を振り返り自分を見つめなおすことも重要ですが、苦労に関しては翌年に引きずらない方がより自分のためとなるでしょう。年忘れには、そのような効果が期待できるのです。
分かりやすい言葉ですが、その歴史は古く、語源はかつての中国にあるともいわれています。中国には、古くから「忘年」という言葉があったそうです。とはいえ、意味はストレートに「年を忘れる」というわけでもありません。主には、「年老いたことを忘れる」、「上下の年齢を問題にしない」など、現代の日本にある無礼講にも近い意味合いであったようです。そんな言葉が日本に伝わり、独自の解釈を加えられて生まれたのが「年忘れ」という言葉といわれています。身近に使われる言葉ではありますが、本来の語源や意味を知ると、また一層奥深い時間を送れるようになるのではないでしょうか。

年忘れって何をすること?

年忘れは、ただの言葉でもありません。広く知られる、れっきとした行事です。とはいえ、何をすることなのかと聞かれても、すばやく答えられる人はそう多くないでしょう。なぜなら、また別の言葉で表現しているケースの方が多いためです。年忘れとは、ずばり「忘年会」のことです。忘年会では、職場や仲間内で酒や食事を楽しんでにぎやかに過ごしますが、実はこれこそが年を忘れるための行事であるといわれています。おいしい食事に囲まれてにぎやかに楽しめば、確かに1年の苦労も忘れ去ることができそうです。
現代的な居酒屋店に集まって楽しむ形が主流となっているため、忘年会と聞くと比較的近年できたもののように思えるかもしれませんが、こちらも歴史は深いです。始まりは古く、室町時代からであると伝えられています。ただ一般層が楽しむようなものではなく、皇族や貴族の行事として楽しまれるものであったそうで、決して身近な居酒屋で誰もが参加できるようなものでもなかったように感じられます。またその他、複数人で短歌を詠み合う、連歌を年忘れの席で楽しんだともいわれているそうです。現代にはない、古い日本ならではの風習のように感じられます。

日本で行われる年忘れイベント

年忘れの時期ならではのイベント

年忘れのストレートな意味として忘年会をご紹介しましたが、この言葉が冠されるイベントはそれだけでもありません。年末は、日本中が盛り上がりを見せる時期です。そのため、年を忘れるためのイベントはさまざまなところで見つけることが可能となっています。
たとえば代表的なのが、音楽イベントです。「年忘れ」の文字を冠したイベントは、にぎやかに楽しく年を越したい人に人気を博しています。本来の意味が、楽しく盛り上がって1年の苦労を忘れるというものなので、理に適ったイベントといえるでしょう。激しい音楽やノリの良い音楽を楽しんで、にぎやかに過ごしてみてはいかがでしょうか。
また、家族で参加できるイベントも少なくありません。主には、クイズやゲーム、またおせち料理作りの体験イベントなどが印象的です。年末に気分が高まるのは、大人ばかりでもありません。家族みんなで楽しいゲームなどを体感して、より一層絆を深めてみてはいかがでしょうか。親にとっては何かと忙しい時期かもしれませんが、検討して損はありません。きっと、良い家族の思い出になることでしょう。

年忘れを楽しむときの注意点

忘年会しかり、何かと気分が盛り上がる年末のタイミングでは、お酒が欠かせない存在です。楽しさを一層後押しする存在として、有意義に役立てられるでしょう。ですが一方で、お酒の事故が起こりやすいタイミングになるのもまた事実です。忘年会だからとはめを外して大酒し過ぎると、急性アルコール中毒などの症状をも引き起こしかねません。
また、理由は忘年会の席だからということだけでもありません。一年の最後を締めくくる会であるため、すでに年内の仕事を終えているケースも多いことでしょう。それに伴い、「明日は出勤の必要がないから」という状況も合わさって、つい飲み過ぎに至ってしまいやすくなるのです。いくら楽しくても、場がにぎやかであっても、節度は守ってお酒を味わうよう注意してください。