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雨水とはどんな時期か?
二十四節気
 
二月(如月)
 

雨水とはどんな時期か?

2月19日頃から3月4日頃にかけての時期は、二十四節気において「雨水」と言われる時期になります。この時期は雪が雨に変わり、雪解けが始まる春目前の頃です。またかねてより、農耕を始める時期として知られています。ここでは雨水とはどんな時期なのか? 詳しく説明していきます。

雨水とは?

雨水の特徴を知ろう

二十四節気において2番目の節気となる雨水は、春目前の時期にあたります。故に暦便覧でも「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されており、地域によっては春一番が吹き、鶯の鳴き声が聞こえ始めるところもある様です。しかしながら、関東や東北、さらには北海道においては、猛烈な寒気に襲われ、記録的な積雪になるところも珍しくありません。そんな雨水の具体的な時期は、2月19日頃から3月5日頃。関東以北に住む方々にとっては、まだ「春」というにはやや遠い時期でしょう。

雨水の時期の旬の食材や草花は?

雨水の時期の旬のものと言えば、まず「春キャベツ」が挙げられます。春キャベツは他のキャベツよりも独特の丸みがあり、重なりや巻が緩やかで葉が柔らかく、全体的に甘みが強いのが特徴です。季節がらまだ気温が低いところが多いので、スープやお鍋に入れる野菜として重宝されています。また、昔から春キャベツは胃腸の調子を整える保健食として食べられていた様です。さらに、魚介類の旬と言えば「ハマグリ」でしょう。慶次に欠かせない縁起物として親しまれるハマグリも、この時期に旬を迎える一品です。中でも結婚式には必ずと言っていいほど登場する食材で、その理由は二枚の貝殻が対のもの以外とは絶対に合わないとされることから、夫婦和合の象徴とされるためだそうです。
また、意外に思われるかもしれませんが、実は「菜の花」もこの時期に旬を迎える食材です。草花としての旬はもう少し先になりますが、食材としての菜の花は、まだつぼみの固い雨水の時期が食べ頃になります。菜の花は茹でておひたしなどで楽しむのが一般的です。ビタミンが豊富で、さらに鉄分やカリウム、カルシウムなどの栄養素もバランスよく含まれているおり、栄養価の高い野菜として知られています。

七十二候における雨水

七十二候における雨水の初候は「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」となり、冷たい雪から春の暖かい雨に変わり、大地に潤いを与える頃を指します。そして、寒さが緩んだことにより、冬眠していた動物たちも徐々に目を覚まし始めるのです。ちなみに、本格的な冬眠明けはまだもう少し先のの啓蟄あたりとなります。そして次候は「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」です。乾燥した空気が少しずつ潤み、湿度が増すことによって霧や靄(もや)がかかり、遠くの景色がおぼろげに見える頃を指します。ちなみに、春に出る霧を「霞(かすみ)」と呼び、夜の霧を「朧(おぼろ)」と呼びます。
さらに末候は「草木萠動(そうもくめばえいずる)」となります。いよいよ春の日差しが現れ、草木が芽吹く頃を指します。地域によっては寒さが和らぎ、平均気温も上がってくる時期です。山には土筆(つくし)も生え、山肌も茶から緑へと色づき始めます。春本番を間近に迎えた冬の終焉時と言えるでしょう。

雨水の時期に行われるイベント

雨水は雛人形を飾る時期として相応しい?

雨水が終わるその前日は、ご存知「ひな祭り」の日になります。詳しい説明はもはや不要だと思いますが、日本において女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事のことです。そして、ひな祭りのお祝いに欠かせないのが「雛人形」でしょう。その雛人形を飾り始める時期として最も相応しいとされるのが雨水の日なのです。かねてより、雨水の日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという説が残っています。それとは真逆に、節句の前日に慌てて飾る「一夜飾り」は縁起が悪いとされますので、できるだけ余裕を持って飾り始めることをおすすめします。ちなみに、雛人形をしまう時期として相応しいのは3月6日頃、つまり雨水が終わった翌日である啓蟄の頃の初日と言われているので覚えておきましょう。

1500本もの梅が咲き誇る

雨水の真っ只中となる2月25日には、毎年京都にある北野天満宮で「梅花祭」が開催されます。なぜこの日なのかと言うと、梅の花をこよなく愛した菅原道真公の命日だからです。ありし日に道真公が詠んだ和歌の中に「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」というものがあり、これは失意のうちに太宰府へ左遷させられた時期に詠まれた歌と言われ、訳すと「京都に咲く梅の花よ、私が居なくなっても忘れずに咲いて欲しい。そして、太宰府までその香りを届けておくれ」となり、その歌にちなんで毎年道真公の命日に梅花祭が行われているのです。ちなみに梅花祭では紅梅や白梅、一重、八重など、50種類もの梅が約1500本も咲くそうです。約900年もの歴史を誇るこの行事は、今や雨水の時期に欠かせない一大イベントとして、全国から多くの観光客が訪れます。