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稚児行列とは?
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稚児行列
 

稚児行列とは?

伝統的な昔の装束を身に着けた子供達が列を作って行進する子供の祭り、それが稚児行列です。おもに、花祭りのような寺院の法会、各神社の祭礼といったお祭りに合わせて行われることが多いようです。そういった稚児行列についてこのページでは紹介しています。そもそも稚児とは何なのか、稚児行列には誰でも参加できるのか? 参加できる条件は? 自分の子供を参加させるにはどうすればよいのか? など、参考になさってください。

稚児行列が行われる機会や稚児の意味とは?

稚児行列の稚児とはそもそもどういうものなのか

そもそも稚児とはどういう意味かというと、幼児や子供のことを指します。日本古来の神道的な考えでは、子供はまだ穢れを得ていないため神霊が宿る、または神霊に近い存在であるとされていたといいます。そうした考えから、子供はさまざまなお祭り事の行事には重要な出演者となったようです。ここで紹介している稚児行列以外にも舞やお囃子(はやし)を奉納したりなど、日本各地のお祭りで子供が重要な役割を担うことがあります。
一方、仏教寺院の稚児は、女人禁制のお寺で僧侶達に仕える存在でした。はじまりは、仏教が隆盛した奈良時代の頃で、貴族や有力者の子供達が躾と教育のために寺院へ預けられるようになっていたそうです。さらに一般の家庭の子供も稚児として預けられるようになりますが、こちらの稚児達が僧侶達の身の回りの世話を行いました。こうした稚児達は成人と共に多くは僧侶になることもなく還俗(げんぞく)したそうです。この寺院における稚児としては、鞍馬寺に預けられたのちの源義経こと牛若丸が有名でしょう。そのほかにも、説話集などの古典などから、一般的にも稚児というとお寺にあずけられた子供達をまず連想する方は多いかもしれません。
現代的な意味においては、稚児は稚児行列などのお祭りに参加する子供達のことを指すようにもなっています。

稚児行列が行われることが多い花祭りとは?

稚児行列が行われるのは、それぞれの寺社のお祭りによります。神社の場合は、それぞれの神社で年に1,2回ある重要なお祭り、例大祭で稚児行列、もしくはお神輿や山車などの行列にしたがう形のものなどが行われることが多く見られます。一方、お寺の場合は、花祭りなどの仏教行事のときに行われることが多いようです。4月8日に行われる花祭りとは、潅仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)とも呼ばれ、仏教の創始者とされるお釈迦様の誕生を祝うものです。どのような行事かというと、境内に花々で飾り立てた小さなお堂を作り、そこに安置した誕生仏に甘茶を参拝者が注ぐ行事です。ほかに幼い子供達に仏縁をとお寺の新築修築を祝う落慶(らっけい)法要などのタイミングで稚児行列を開催することもあるようです。

一般的な稚児行列の様相

稚児行列に参加するお稚児さん達は、袴を基本として平安時代の神官や巫女の衣装を着ることが多いようです。冠は、男の子の場合は烏帽子、女の子の場合は天冠が多く見受けられます。また昔の装束に身を包むだけでなく、化粧も施されるのが一般的なようです。額にあやつこと呼ばれる模様や位星(くらいぼし)と呼ばれる赤もしくは黒の丸を描いたり、鼻筋を白く塗るなどが基本となっているようです。加えて紅をひいたりなど、より厚く化粧を施す場合も見られます。そうした装束や化粧で飾り立てて、境内や各町内など地域を練り歩きます。

稚児行列に参加するにはどうしたらいいのか?

稚児行列を行うことのある寺社のリサーチから

子供の健康と成長を願って神事であるお祭りに参加させたい、子供を地域の行事に参加させたい、いろいろな経験をさせたいなどなど、さまざまな理由で稚児行列に子供を参加させたい場合、まずやることはリサーチです。居住する地域の寺社のwebサイトがあれば、その年間行事のスケジュールや稚児行列の有無を、稚児行列を行っているのなら公募されているのか募集要項を確認してみると良いでしょう。また、自治体から広報で、稚児行列への参加者の募集が告知されることもあります。

稚児行列に参加するときの簡単なマナーなど

稚児行列の募集要項や参加する条件はさまざまですが、お稚児さんに相応しい年齢でなければいけませんから、何歳から何歳までという年齢制限や、初穂料、冥加金(みょうがきん)などの名目で参加費用などが明記されていると思います。参加費用は、稚児行列で身にまとう装束のレンタル代、化粧代、あれば記念写真撮影や記念品の費用ということになります。支払方法は当日のこともあれば、参加申し込み時にということもあるようです。
振込みなどでなく、寺社の担当の係りの方に直接参加費用を渡す際に気をつけたいのは、やはり包んで渡すのが丁寧で良いということです。紅白の蝶結びの水引をつけた熨斗袋のようにあらたまったものでなくても、無地の白封筒でもかまいません。なお、表書きは参加費用の名目に準じて、初穂料となっていれば「御初穂料」と書きましょう。
衣装の着付けに関しては、当日会場ですべて先方にしてもらえる場合もありますし、事前に講習を受けて保護者が行う場合もあります。保護者が自分でやらなければいけない場合は、当日我が子や我が孫がビシッと決まるようにしっかり着付けを覚えましょう。また、行列に参加する際、季節に応じて衣装の下に着るものに気をつかいましょう。また、履物に特に指定がなければ、子供が普段からはき慣れた歩きやすい靴にすることが重要です。そのほか、行列に保護者がつきそうケースもあるようですが、寺社の祭礼という行事ですから、突飛な服装は避けましょう。改まった格好がベターなようです。
稚児行列は子供の健やかな成長を祈願すると共に、現代の日常生活ではなかなか触れることのない、自国の歴史や古い文化に直に触れられる貴重な機会です。もし、機会があるなら参加すると、子供も保護者も良い想い出づくりができるかもしれません。