長寿を祝う験担ぎの食べ物６選

日本の食文化では、縁起がいい食べ物を節目のタイミングで頂く事により、験担ぎする風習があります。長寿をお祝いするにあたって盛り込みたい食材や縁起が良いとされる食べ物などについて紹介していきます。

厄除け・健康の験担ぎ3選

小豆を使った食べ物

小豆には厄払いの意味があって、お祝いシーンの定番です。お赤飯は神様のお供え物に赤米が使われていた名残とも言われて、様々なイベントで取り入れられる食べ物とされます。
みんなでお食事をする時間がとれない家族なら、お赤飯を贈るギフトセットはいかがでしょうか。朱色と紫色のふろしきで包むなど長寿お祝いにぴったりのパッケージにする事で、とても華やかに見せてくれます。
甘味が好きな方なら、あんこのお菓子も良いでしょう。無病息災や長寿の験担ぎになる黒豆を一緒に使った甘味もおすすめです。豆類全般に言える事ですが「まめまめしく働く」の語呂合わせが知られています。一生懸命働いて一人前になるまで守ってくれたご両親や祖父母へのお礼も込めていかがでしょうか。

伊予柑を使った食べ物

「いい予感」の語呂合わせから、験担ぎに使われます。ビタミンCを抱負に含む柑橘類は感染症予防にも役立つので、「いつまでも元気で仲良くあってほしい」という願いを込めてもてなしたい方には、非常に適した食べ物でしょう。
伊予柑を使ったゼリーやアイスクリームは、ご高齢の方でも食べやすいデザートです。お祝いの席での食事の〆に、験担ぎの意味を込めて加えるのも良いでしょう。洋食がお好みなら、フルーツサラダとして食事の中で提供するとお洒落です。爽やかな酸味は、前菜や箸休めに適しています。

アワビを使った食べ物

のし袋のモチーフともされるアワビも、縁起物として親しまれてきた食材です。中国では不老不死の媚薬として知られていて、薬効も注目されています。タンパク質やミネラルが入っている事に加えて、肝機能を高めてくれるタウリン・皮膚や粘膜を健康に保つビタミンAと健康維持に欠かせない栄養素が豊富です。
アワビを使ったプランがある料亭、レストランなら、節目の記念日をしっかりとお祝いしたい方も納得でしょう。刺身はもちろん、ステーキやお粥などいろいろな形で楽しめる工夫がなされるはずです。変わり種では、アワビをすりおろして「とろろ」のように食べるメニューもあります。本人の好みに合わせて、アワビをメインにしたコースを探してみてはいかがでしょうか。

福を呼ぶ験担ぎの食べ物3選

尾頭付きの鯛料理

「めでたい」魚としてお祝いにふさわしいメニューです。小豆同様に鯛の赤に邪気を払う意味もあって、悪運を遠ざけて福を呼ぶ食べ物として知られています。お祝いの席に欠かせない食材となったのは、江戸時代が始まりです。祝い膳は見た目の美しさも重視されるものですから、尾頭つきの堂々としたたたずまいが幸せを呼んでくれるとも考えられます。
自宅でお祝いする場合には、かごの上に紅白の敷き紙をはさんだり松の葉を添えたりすると華やかです。松の葉は常緑で寿命が長い特徴から、長寿を願う縁起物として知られています。同じく長寿の象徴である菊の葉、殺菌力が強い笹の葉など、他の葉物で代用しても問題ないので、華やかに見えるように盛りつけましょう。

細く長い幸せを願うごぼう

地中に真っ直ぐ根を伸ばすごぼうは「細く長く幸せ」が訪れるようにというねがいが込められた験担ぎの１つです。お正月のおせちにも、やわらかく煮たごぼうを軽くたたいた「たたきごぼう」が使われます。宮中のお正月の風物詩である花びら餅の芯も使われる野菜ですから、日本人にとっては特別な意味合いがあるのでしょう。
ごぼう茶が有名になったように、抗酸化作用が強い野菜として知られていて、生活習慣病予防や腸内環境正常化に貢献します。血糖値の上昇や悪玉コレステロールを抑える働きも期待されて、健康が気になる方にはぴったりの食材です。
メインに使うものではないとは言え、祝い膳の名傍役として活躍します。漬け物、揚げ物などいろいろな形にアレンジできるので、お好みの料理で盛り込みましょう。

長生きを象徴するえび料理

えびを漢字で書くと「海」の「老」となって、長寿の象徴とされています。長いヒゲが老人のように見える事から、この名前がつけられました。お正月のおせちにはえびのうま煮を入れますが、よりお祝いムードを高めるなら、伊勢海老が良いでしょう。大きなエビが１匹あるだけでもぐっと食卓は華やかになって、ハレの日にふさわしい雰囲気が出ます。
温泉旅館に家族旅行に出掛けるなど遠出するお祝いを考えているようなら、夕食のメインに伊勢海老を盛り込んでもらうのも一案です。お祝いに使いたい事をあらかじめ伝えておくと、料理の内容以外にも配慮が受けられるケースもあります。伊勢海老の刺身、アワビの焼き物といった験担ぎのフルコースを提供してくれる特別プランを設けている旅館もあるので、前もって調べてみるのはいかがでしょうか。