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長月とはどのような月か?
九月(長月)
 

長月とはどのような月か?

旧暦においての9月の古い呼び名に長月というものがあります。昔使われていた旧暦とは実際の時期がずれていますが、現在使用されている新暦の9月も長月と呼びならわしています。この長月に見られる季節の行事などをこのページでは紹介しています。季節の移ろいを感じ、感性豊かな日々の暮らしを送る上で、参考になるかもしれません。

9月の別名、長月はいつで名前の由来は何?

長月、旧暦の9月は現在では10月頃にあたる

睦月(1月)、如月(2月)、弥生(3月)、古文でよく目にする、月を昔風の別の呼び方で呼ぶ名前です。現在でも12月の別名になる師走という言葉は目にする機会も多いと思われます。この昔の月の呼び方では、9月を長月と呼んでいました。また昔は太陰太陽暦という、俗に旧暦と呼ばれる暦を使っていて、現在使用されている太陽暦では10月上旬から11月上旬に相当します。しかし、便宜上、新暦の太陽暦においても9月を長月と呼び習わされています。そのため、長月という月から感じられる季節感には、昔のお話から受ける印象と現在のものとで、ずれを感じることがあるかもしれません。

長月の名前は何に由来しているのか?

長月の名前の由来には諸説あります。一番有名なものは夜長月(よながつき)から、長月になったという説でしょう。夜長月とは夜の長さがどんどん長くなっていくことを示しています。これは、現代の新暦では昼と夜の長さがほぼ等しくなる秋分の日(9月23日頃)が、名前が付けられた時代に使われていた旧暦では前の月にあったからです。また、長雨月(ながめづき)という雨が多く降る月という意味の名前から変化したという説もあります。さらに稲刈月(いなかりづき)、稲熟月(いなあがりつき)、穂長月(ほながづき)の読みを略して長を当てたという説、旧暦の9月13日、その年最後の観月(かんげつ)となる十三夜の月である
名残月(なごりづき)から変化したものという説などもあり、どれが正解かは分かっていません。

長月に行われる行事などから見られる季節感

二十四節気からうかがわれる長月の季節感

長月とも呼ばれる9月は、二十四節気と呼ばれる季節の区分では、処暑、白露、秋分に当てはまります。二十四節気とは一年を約15日ごとの24に区切ったもので、季節の移り変わりを把握するためのものです。一日の昼の長さが夜とほぼ等しくなったり、最短または最長になる、春分、夏至、冬至などよく目にしたり耳にする季節の言葉も、この二十四節気のなかの言葉です。古代の中国で考え出され、暦を中国から導入した日本に二十四節気という考えも伝わりました。この二十四節気の日付は、太陽と地球の位置関係で決められるため一定ではなく、その年により変わります。また、二十四節気をさらにそれぞれ3分割した七十二候というものもありますが、こちらは現在ではほとんど見る機会がないかもしれません。
長月の9月には30日間ありますが、おおよそ最初の約1週間分の日数が処暑になり、真ん中の約2週間分の日数は白露、残りの約1週間分の日数が秋分になります。これらの3つの二十四節気について個別に簡単な紹介をしましょう。最初の処暑は暑さが終わるという意味合いです。次に白露は草花に朝露がつくようになったことを示していて、秋の到来を感じさせる言葉です。最後の秋分は昼夜が同じくらいの時間になる日です。この日を境に夜の時間が長くなり、太陽が出ている時間が短いため必然的に涼しくなっていきます。9月の前半はまだ夏を感じさせるものがありますから、旧暦の8月と新暦の8月のずれが感じられるところで、処暑や白露には少し違和感を覚えるかもしれません。後半ともなれば秋らしさが感じられ、さほどの違和感は覚えなくなることでしょう。

長月に見られる行事やイベント

長月にはさまざまな季節の節目があります。まず国民の祝日として、敬老の日が9月の第3月曜日に、秋分の日が9月の23日頃にあります。また9月9日は、五節句の最後となる重陽の節句となっています。五節句とは江戸時代に制定された祭日で、ほかに人日の節句(1月7日)、上巳(じょうし)の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕の節句(7月7日)があります。一番大きい奇数(陽)が重なることから重陽の名前がついたといわれています。別名で菊の節句、栗の節句とも呼ばれます。
ほかに雑節と呼ばれる、中国で考えられた二十四節気が日本の季節感に合わない部分を補正する季節の区切り目が複数あります。順にあげると、立春からの日数をカウントする二百十日(8月末になる年もある)、二百二十日、秋分の日を中心として前後3日間のお彼岸などです。長月は雨の多い季節と同時に台風シーズンでもあります。二百十日や二百二十日は、そうした台風シーズンの到来を農家に知らせるものです。お彼岸は日本の祖霊信仰と仏教が融合した先祖供養の彼岸会が行われる時期です。暑さ寒さも彼岸までという言葉があるように、秋のお彼岸を境に秋らしい気温になっていきます。
また、ほかには中秋の名月として知られる十五夜もあります。秋という季節は空気が澄んでいて、とりわけ月がきれいに見えることから観月の風習が広まりました。
このように長月には夏から秋に移り変わる季節の節目が多くあり、また国民の祝日がふたつもありますから、休日を利用して季節感のある過ごし方を考えてみるのも良いかもしれません。