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小満とはどんな時期か?
三月(弥生)
 
二十四節気
 

小満とはどんな時期か?

緑鮮やかな春というイメージを持っている方も多いと思いますが、5月下旬になると沖縄や九州地方では梅雨入りします。つまり、段々と夏が近づいてくる様子を肌で感じる時期です。では、この時期の旬やイベントには、どんなものがあるのでしょうか? 以下で詳しく紹介していきます。

小満とは?

小満の特徴を知ろう

二十四節気における第8番目の節気である小満。沖縄や九州では梅雨入りし始める時期であり、沖縄においては次の節気と合わせた「小満芒種(すーまんぼーすー)」という言葉が梅雨の意味として使われます。その他の地域では、まだ春らしさを残したところも多く、ゴールデンウィークの余韻に浸りつつも、迫り来る夏の様子を肌で感じ、梅雨明けのその時に構えるといった、正に季節の境目にあたります。秋に蒔いた麦が成熟し、旬を迎えることから、農耕者にとっては非常に重要な時期となります。
暦便覧において小満は「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されており、太陽の光を浴びた万物が成長していく季節であることを表しています。前記した麦の成熟もそのひとつで、麦畑が美しく金色に輝くのが印象的な時期です。

小満の時期の旬の食材や草花は?

小満の時期は、前記した様に「秋麦」が旬を迎えます。しかしながら、秋麦ってどうやって食べるの? と悩む方も多いと思いますが、ご飯に混ぜて炊いたり、味噌や小麦粉などにして味わうこともできます。中でも、麦茶として飲むのが最も有名なのではないでしょうか。さらにこの時期は、ビワ、さくらんぼ、メロンなどのフルーツも旬を迎えます。そして特筆すべきは野菜で、中でも「らっきょう」は小満の時期に採れる旬のものです。原産は中国ですが、9世紀までに日本に伝来し、元は薬用として使われていたそうです。現在では野菜として親しまれ、酢漬けにしてカレーなどに入れて味わう方が多いでしょう。ちなみに、らっきょうを若摘みしたものは「エシャレット」と呼ばれ、食欲増進効果の高い野菜として有名です。また、アスパラガスなどの夏野菜が採れる時期でもありますが、種類は少なく、本格的な夏野菜の旬を迎えるのはもう少し先になります。

七十二候における小満

七十二候における小満の初候は「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」となり、蚕が桑の葉を食べて成長する頃になります。蚕は桑を食餌とし、絹を産生して蛹(さなぎ)の繭(まゆ)を作ることで有名です。ちなみに蚕は家畜化された昆虫で、野生には生息しないことはあまり知られていないでしょう。絹を生産する貴重な昆虫であることから、世界各国の製糸生産を支えた、ある種文化と共に歩んだ昆虫と言えます。
そして次候は「紅花栄(べにばなさかう)」。食用油の原料として知られた紅花が咲く頃です。ちなみに、紅花は元々古代エジプト時代から染料として利用されていました。日本においては平安時代に千葉県長南町で盛んに栽培され、江戸中期以降になると、山形県の最上地方や埼玉県の上尾市周辺でも栽培された様です。
さらに末候は「麦秋至(むぎのときいたる)」となり、これは読んだままの意味で、麦が成熟して穂を付ける頃ということです。ちなみに、この時期に穂を揺らしながら吹き渡る風のことを「麦嵐」、同様に降る雨のことを「麦雨」とそれぞれ呼びます。

小満の時期に行われるイベント

小満にまつわるイベントが行われる

小満の時期になると、麦の穂が育ち、山の草木が実をつけ始めます。農業もひと段落し、気候も安定していることから、全国的にこの時期を祝うお祭りが行われます。例えば、長野県佐久市臼田では、毎年この時期になると「小満祭(こまんさい)」というお祭りが催され、多くの観光客で賑わいます。商店街や千曲川河川敷では300を超える露店が立ち並び、植木市などが開催されます。また、町中でパレードが行われるだけでなく、特設会場ではショーや小満太鼓の演奏が楽しめるなど、様々な催しが行われます。毎年この時期に決まって行われる伝統行事として地元の方々にはもちろん、他県からの観光客で賑わうお祭りです。

その他のイベントは?

別段「小満」にまつわるイベントという訳ではありませんが、地域によってはまだ春の陽気を帯びているところも少なくないので、自然を楽しむイベントも多々行われています。中でも長野県中野市にある一本松公園では、小満の時期に「なかのバラまつり」が開催されます。園内に咲き誇る、凡そ800種類ものバラを鑑賞できるだけでなく、バラにまつわるお菓子や、バラの販売まで行っており、全国のバラ愛好家が集うことで知られています。また、群馬県甘楽群にある神津牧場では、季節外れの春の花を堪能できる「神津牧場花まつり」が開催されます。なぜ小満の時期に春の花なのか? というと、神津牧場は標高1000メートルもの高さに位置し、北海道同様に春の訪れが遅れます。このことによって、桜を始めとする様々な春の花が5月上旬から中旬にかけて咲き誇るのです。忙しくて花見を忘れてしまった方などは、5月のお休みを使って、花見に行ってみてはいかがでしょうか?