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お布施の由来と意味・紙幣の包み方と基本マナー
お布施
 
葬儀・葬式
 

お布施の由来と意味・紙幣の包み方と基本マナー

法要ではお寺のお世話になりますが、お布施はいくらお包みすればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。紙幣の包み方、使用する封筒など細かいルールや風習についても、気をつけたいポイントは多々あります。身内の不幸があった時に慌てずに対処できるように、一通りの基礎知識を見ておきましょう。

お布施とは

そもそもお布施とは?

お布施とは、葬儀や法事の際に僧侶に渡す金品です。仏教の六波羅蜜においては、施しを与えることを「布施」と呼び、悟りに到るまでの重要な教訓とされています。布施はさらに「財施」「法施」「無畏施」と3種類に分類されて、「財施」にあたるものが「お布施」です。本尊へのお供えという意味合いもあって、「お布施を渡したから丁寧に供養してほしい」という考え方は控えましょう。

お布施の相場と目安

ご供養への感謝、ご本尊をお祀りするお寺に対する支援金という性質から、最低○万円以上といった具体的な基準がありません。同じ1万円でも扱う方によって捉え方が変わるように、ご自身の気持ちで金額を決めるものとされます。たくさん包めばよいというものではなく、ご自身が価値を感じる金額をお包みするのがマナーでしょう。地域、お寺との関係などによっても妥当な金額は変わってきて、通り一辺倒な対応はできません。
そうはいっても、大まかな目安がないことには、迷ってしまう方もいます。あくまで目安としたい水準ですが、関東圏で20万円〜35万円・関西圏で20万円前後とされます。お寺に対して「皆さまはどのくらい包むのでしょうか」など間接的な聞き方をすると教えてもらえることもありますので、聞いてみるのもよいでしょう。
「お布施の相場を教えてください」と直接的な聞き方をすれば「お気持ちで」という返答になってしまいますので、ニュアンスには気をつけましょう。お寺に聞きにくい場合には、葬儀社に相談するのも一案です。同じ檀家寺の身内がいれば、金額や渡し方など儀礼的な問題を教えてもらうとよいでしょう。

お布施を渡す相手・渡し方

葬儀費用を支払うのは葬儀社に対してですが、お布施は僧侶に手渡します。葬儀の前に挨拶に伺う時、もしくは葬儀が終わってお礼を伝える時がよいでしょう。お盆や袱紗の上に置き「本日はよろしくお願いいたします」「ご供養頂き、ありがとうございました」といった一言を添えてください。法事・法要の場合は本堂の入り口に受付がある事も多く、係の方に手渡しましょう。
お渡しする時に使うお盆は、切手盆と呼ばれるものです。葬儀社が用意してくれる事もありますので、お盆がない旨を相談しましょう。紺や深緑、紫といったシックな色味の袱紗があれば、お盆の代わりとして使えます。袱紗から取り出した状態で上に置き、僧侶にお渡しする流れです。

お布施の包み方・書き方マナー

お布施の包み方は?

お布施を包むときには、奉書紙を使います。半紙で紙幣を包むことで中包みの代わりにして、上包みの中に入れましょう。奉書紙には裏・表がありますから、間違えないように使ってください。水引は掛けないスタイルが一般的ですが、地域によっては風習が変わってきます。お寺に対してお渡しするものですから、不幸ごとに使う水引は控えるほうが丁寧という説もあって、判断に迷うようなら掛けずにおくのがよいでしょう。
奉書紙を用意できない場合には、白封筒を使っても問題ないとされています。白封筒とはいえ、郵便番号の記入欄がついたものは控えてください。あらかじめ「お布施」「御布施」と印刷された封筒も市販品にありますので、スーパーや文具店で探してみましょう。不祝儀袋を使うのはマナー違反にあたりますので、ご注意ください。

封筒の書き方・決まり事

黒墨を使って「お布施」もしくは「御布施」と書いてください。表面には何も書かずに空欄とすることもあるようです。サインペンを使っても問題ないとされますが、薄墨はマナー違反にあたります。お悔やみのために送るお金ではありませんので、普通の墨を使いましょう。
中袋の裏面には、住所・氏名・金額を記入します。頭に「金」の漢字を入れて、金額は漢数字の旧字体を使うところがポイントです。5万円なら「金伍萬圓」・10万円なら「金壱拾萬圓」というように、一般的な数字の表記とは異なる表現を使います。

封筒へのお札の入れ方

表書きが見えるように封筒を置いてお札を取り出した際、人物の絵柄が見える入れ方を守りましょう。右手に紙幣・左手に封筒を持ってそのまま入れると、自然と正しい方向におさまります。お布施以外の祝儀・不祝儀袋に入れる時も同じやり方ですから、覚えておくと役立つでしょう。
不祝儀には新札を避ける文化がありますが、お布施の場合はあまり気にしなくてもよいとされます。不自然に感じるようなら軽く折り目をつけた後、お札を入れる方法も一案です。汚れた紙幣・あまりにも使い古した紙幣は失礼にあたりますので、適当なものを使ってください。上包みは糊付け不要、中包みも基本的には糊付けなしで問題ないとされています。一部の地域では糊付けする事があるようですので、周囲に確認すると安心でしょう。