初七日で必要なお布施の相場とは
初七日は故人が亡くなってから7日目のことですが、法要の略式化が進む現代でも初七日法要は基本的に必ず営まれています。この時、気になるのがお布施です。どれぐらいの金額が相場なのか、どのようにして渡すのか等、気になるマナーについてまとめましたので、参考になさってください。
お布施の相場
お布施とは
仏教でいうお布施には、本来3つの意味があります。金銭などの財を施す「財施(ざいせ)」、仏の教えを説く「法施(ほうせ)」、恐怖心を取り除いて安心を与える「無畏施(むいせ)」です。いずれも「自分が持っている物を見返りを求めずに喜んで差し出す」ことが基本となっています。
転じて現代では、仏教式の葬儀や法要を行った際、お寺に渡す謝礼のことを意味しています。この他に戒名をいただいた時の謝礼の戒名料・院号料、僧侶の交通費であるお車料、僧侶の食事代であるお膳料などをすべて合わせて渡されることが多いようです。
相場はどれぐらいなのか
最近のお布施は、遺体を安置してお経を唱える枕経、お通夜、告別式、初七日法要を合わせて支払われることがほとんどです。ここに戒名代、お車料、お膳料を含めたお布施は15万円~25万円が相場になっています。
ただし、お寺によって金額は異なります。また、初七日法要は別途およそ3万円と設定しているお寺もあります。いずれも、それぞれの寺院のルールがあるので、まずは問い合わせてみることをおすすめします。
また、お布施の額は地方、戒名のランク、お寺とのお付き合いの度合い等によって違ってきます。お寺によって檀家の扱いも異なり、一律いくらと結構高額な値段が設定されていることがある一方、今後お寺参りをする都度お布施をしていくという形をとり、葬儀では必要ないということもあるのです。そのような場合には、初七日に納めるお布施が初めてのお礼になるので、適切な金額を調べてしっかりと渡すようにしましょう。
僧侶への相談について
初七日のお布施の金額を僧侶に直接聞いても、聞き方によっては「お気持ちで結構です」というような答えしかもらえません。金額表もないので非常に困るところです。そんな時には質問の仕方を少し変えてみましょう。「他の檀家さんたちはどれぐらいご用意していますか?」「以前の父の葬儀ではどれぐらいお包みしましたでしょうか?」というように、過去の事例を差し支えのない範囲で具体的に聞いてみるようにしましょう。
また、最近では特定のお寺の檀家になっておらず、葬儀社からお寺を紹介してもらう人も増えています。そのような時は、葬儀社に金額を相談するようにしてください。予算に限りがあるならば、あらかじめはっきりと伝えるようにすれば、金額内でコーディネイトしてもらえるでしょう。
お布施の渡し方
葬儀費用はもちろん葬儀会社に支払いますが、もし葬儀会社にお寺を紹介してもらったとしても、お布施はそれとは別に僧侶に直接手渡すことになります。タイミングとしては、葬儀が始まる前、あるいは葬儀後にお礼を伝えて渡すのが一般的です。
袋に包んだお金を、小さなお盆または袱紗に置いて渡すのが決まりです。直接手渡しするのは失礼に当たるので、必ず小さなお盆や袱紗などを用意するようにしましょう。「本日、○○葬儀のために供養いただきまして、ありがとうございます」と、お礼の言葉も忘れずに添えてください。
準備しておくもの
お布施の包み方と表書き
お札は原則的に奉書紙に包みます。まず半紙でお札を包んだら、中包み、奉書紙と順番に包んでいきます。奉書紙はツルツルしている方が表でザラザラしている方が裏面になることに注意しましょう。また、お布施そのものは不祝儀ではないので、奉書紙の折り方は弔事用の下向きにする必要はなく、慶事同様の上向きでかまいません。奉書紙は大きめの文房具店などに置いてありますが、手に入らない時は白い封筒でも問題ありません。ただし、郵便番号等が印刷されていない無地のものにしてください。
表書きも不祝儀ではないので薄墨を使う必要はなく、普通の黒墨を使います。「御布施」「お布施」と書くか、何も書かないで空白のままにしておくかのどちらかにします。奉書紙ならば中袋の裏面、封筒ならば裏面の左側に住所、氏名、右側または中央に金額を書くのがマナーです。金額は頭に「金」を置き旧字体の漢数字を書くとより丁寧になります。たとえば10万円ならば金拾萬圓になりますが、もちろん、すべて縦書きです。
お札の入れ方
香典のように旧札にしなければいけないというルールはありませんが、新札では抵抗がある人も少なくありません。そんな時は、新札に一度折り目をつけて入れるのもひとつの方法です。ただ、注意しなくてはいけないのは、お札の入れ方は慶事と同じになるようにするという点です。半紙で包む場合は開いた時に肖像画が上になるように、封筒ならば表側上部に肖像画が来るように入れるようにしましょう。
以上のように、初七日のお布施は香典とは異なる点が多いことに注意してください。これは初七日だけではなく四十九日などその他の法要でも同じなので、しっかりと基本のマナーをおさえておくようにしましょう。
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