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冬至の由来とは? かぼちゃ・小豆などのおすすめ食べ物
二十四節気
 
十二月(師走)
 

冬至の由来とは? かぼちゃ・小豆などのおすすめ食べ物

四季の移り変わりを感じる行事の1つとして、12月の冬至があります。冬本番にさしかかって寒さも増してきた頃、健康や幸運を願う世界的な行事です。そもそも冬至とはどのような日なのか、冬至に食べるとよいものを確認して、年中行事に関する理解を深めてください。

冬至の由来・柚子湯の文化

冬至とは

冬至とは、北半球において太陽が一番低い位置に来る日を指します。日照時間が年間で一番短くなるタイミングでもあって、この日を境に日が出る時間は延びていく区切りです。12月21日〜22日になるのが通常ですが、日程は毎年変わります。日の出が早い日・日の入が遅い日は冬至とは別の日程(夏至)になることが知られていて、あくまでも日照時間を基準にした考え方です。
中国や日本においては、冬至を境に運気が向上していく「一陽来復」という言葉が知られています。太陽の力が徐々に強まっていくのになぞらえて、気持ちの切り替えをするタイミングです。中国の暦は冬至から1年がスタートしますので、新年を晴れやかな気持ちで迎える意味もあります。太陽が生まれ変わることを祝して世界中で祝い事が開かれる、縁起が良い日付です。運気が下がり気味だった方も「明日からまたがんばろう」と気分を切り替えるきっかけを与えてくれます。

冬至と柚子湯の関係は?

運気を呼び込むためには厄払いが必要であるという考えから、柚子湯の文化がはじまりました。柚子の強い香りに邪気を払う効果があると信じられていて、冬の風物詩になっています。柚子は実がなるまでに一定の時間を必要とする植物ですから、長年の苦労が実るようにと願いを込めることもあって、運気があがりはじめるタイミングにはぴったりです。「湯治」という言葉遊びの要素もあって、現代まで続く風習となりました。
願掛けとしての働きだけではなく、血行促進・風邪予防といった科学的なメリットも多々あります。爽やかな香りが心身をリラックスさせる働きもありますので、仕事や家庭の用事が立て込む年末のリラクゼーション手段として、ぜひ取り入れたい習慣のひとつでしょう。

ご家庭でできる柚子湯の方法

柚子湯を自宅で楽しむなら、丸ごとバスタブにつける方法が手軽です。1個だけだと物足りなく感じますので、なるべくたくさん用意することで、温泉気分の柚子湯ができます。もっと強い香りがお好みなら、半分にカットしたものをガーゼに包み、成分だけを抽出しましょう。柚子がぷかぷかと浮かぶ様子が見えないことからやや寂しい印象にはなりますが、香りはかなり強めにでます。
お肌に刺激があることには注意する必要がありますが、身体がポカポカ温まって湯冷めしにくく感じるはずです。もっと手軽に試すなら入浴剤・バスソルトを活用する方法もありますので、挑戦しやすいやり方で冬至の文化を楽しみましょう。

冬至にちなんだ食べ物・メニュー例

冬至の七種(ななくさ)を理解しよう

「ん」が2つ入った食べ物を頂くことにより、運気を呼び込むことができると言われています。かぼちゃ(なんきん)・蓮根・人参・キンカン・銀杏・寒天・うどん(うんどん)が「冬至の七種」と呼ばれて、古くからお供え物として使われてきた食材です。「ん」が2つ入っていると縁起がよいとされる理由は、いろはにほへとの最後に「ん」が来ることにあります。一陽来復の考え方になぞらえて、1つの区切りとする風習です。

健康を願う冬至かぼちゃ

かぼちゃは、カロテン・ビタミンが豊富な食材です。江戸時代から、風邪やしもやけ・脳卒中を予防すると言われ、冬至にかぼちゃを食べる風習がありました。江戸時代のご先祖さまたちは栄養素に関する知識はなかったはずですが、経験から得た知識でしょう。血行改善や免疫力強化に役立つ効果が期待される、非常に優れた野菜と言えます。
かぼちゃの食べ方として、小豆と一緒に煮込む「いとこ煮」と呼ばれる料理があります。市販のゆで小豆を活用すれば簡単に手作りできますので、挑戦するのもよいでしょう。小豆の赤が魔除けの色と考えられて、厄払いをしてくれるとも言われています。あんこの甘さ、かぼちゃの風味がマッチして、おやつ感覚で楽しめる煮物です。

かぼちゃ・人参・蓮根を入れたほうとう

かぼちゃ・人参・蓮根・こんにゃくを使った「ほうとう」も、よく食されるメニューです。こんにゃくには、身体の中の悪いものを排出する作用があります。お寺の精進料理で悪い気を落とすために使われていた食材が一般にも広まって、冬至に食べる風習となりました。
ほうとうは、山梨県の郷土料理として知られています。うどんよりも幅が広くて、煮込んだ時にでんぷんが溶け出しとろみがつくところが特徴です。山梨県のほうとうにはかぼちゃが定番の具材ですから、冬至の日に食す家庭も多いとされます。山梨県以外なら大きめのスーパーマーケット、通販サイトなどで調達することもできますので、夕食に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ほうとうの代わりにうどんを使って、煮込みうどんにする方法もあります。うどんは七種の1つにあげられる食材ですから、理にかなった選択です。温かい鍋物は身体をポカポカ温めてくれて、寒い季節にぴったりのメニューと言えます。入っている具材の意味を理解して頂くことにより、年中行事の趣きを感じてください。