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実はあまり知られていない「五月人形」のお話
五月(皐月)
 

実はあまり知られていない「五月人形」のお話

3月3日の桃の節句にお雛様を飾る様に、5月5日の端午の節句にも五月人形を飾ります。しかし、五月人形には内飾りと外飾りの2パターンあるのをご存知でしょうか? 鎧や兜などは前者に該当し、鯉のぼりなどは後者になります。ここでは、「内・外」の飾りについてはもちろん、端午の節句に五月人形を飾る習慣になった背景などについて紹介していきます。

端午の節句には何を飾るか?

「内飾り」とは一体何か?

冒頭で紹介した様に、五月人形には「内飾り」と「外飾り」があります。まず「内飾り」とは、五月人形のメインと言われる「鎧」や「兜」などの甲冑(かっちゅう)類、さらには「子供大将」や「金太郎飾り」等をはじめとする鎧を着た人形のことです。これらは、武者の格好をしているものが多いので、「武者人形」などと言われることもあります。そして、これらの様な人形を飾る習慣は、武家社会から生まれたもので、身の安全を願って神社にお参りする際、兜や鎧を奉納するしきたりに由来していると言われています。現在では、鎧兜が「身を守るもの」という意味が重視され、交通安全や病気から子供を守ってくれる様にという願いが込められています。

「外飾り」とは一体何か?

端午の節句に飾る内飾りについては前記した通りですが、「外飾り」というのは「鯉のぼり」や「幟旗(のぼりばた)」など、文字通り「外に飾るもの」を指します。有名なのは「鯉のぼり」でしょう。地方では今でも時期になると雄大な鯉のぼりが空を泳いでいる様子が見られますが、都心部では住環境の問題もあって、ミニチュアの鯉のぼりの方が売れている様です。そして、「外飾り」をする理由は「男の子の誕生を内外に知らしめ、ここにいる我が子をお守りください」と神に知らせるための目印として飾られていると言われていましたが、現代では「出身出世を祈るためのもの」として飾るとされており、内外どちらも意味が異なることから、多くの家庭では両方飾るケースが主になっています。ちなみに、内・外飾り共に、飾っておく時期については明確に決まっていません。雛人形は「女児の嫁入りが遅れるので絶対にしまうもの」と言われていますが、男の子の場合はそういう危惧もされないので、別段しまう必要もない様ですが、特に外飾りは一年中飾っておくのも方々から不精だと思われてしまうことも考えると、端午の節句が過ぎ、落ちついた頃にしまうべきでしょう。

5月人形の相場は?

内飾りの相場は?

五月人形の内飾りは前記した様に「兜」、「鎧」、「武者人形」などがあり、それぞれ相場が異なります。まず、「兜」の相場はおおよそ5万円~60万円まで。人形に使われている素材や、作りの細かさによって大きく価格は異なる様です。ちなみに、よく売れているのは10万円~20万円程度の価格帯の商品だと言われています。「兜」は他の二つよりもシンプルな飾り付けなので、比較的値段は安めの傾向にある様です。
そして「鎧」は頭から足まで、すべての防具が揃えられていることから、「兜」単体よりも相場は高めです。一般的には10万円~100万円までと広く、兜同様素材や作りによって価格帯は広くなっています。さらに「武者人形」は他の二つと異なり、人型の五月人形です。人形と鎧兜がセットになっており、最もスタンダードな五月人形と言えるのではないでしょうか。相場は10万円~50万円と、他より価格帯が狭いのが特徴です。専門店によると、10万円前後のものがよく売れていると言います。ちなみに、五月人形は三種すべてを揃える必要はなく、どれかひとつでも良い様です。

外飾りの相場は?

代表的な外飾りと言えば「鯉のぼり」です。しかし鯉のぼりは装飾や色付け具合、サイズ、さらには生地の質によって値段が大きく異なります。まず、室内用の小さなものは3,000円~10万円までのものがあります。大きさとして1メートル以内のものがほとんどですが、ちりめんで作られた可愛らしい小さな置物や、マトリョーシカ風のものなど、小さなお子様向きの簡単な商品から、兜飾りがセットになった高級感溢れる一品まで種類は様々あります。そして、ベランダ置きできる大きなものになると、1万円~10万円程度が相場。中でも、3万円程度の商品がよく売れているそうです。ちなみに、ベランダ用の鯉のぼりは1~2メートル程度がサイズの目安となります。
やはり、鯉のぼりといえば屋外用の大きなものでしょう。スタンドタイプは2万円~20万円程度までの価格帯となり、5万円程度の商品が売れ筋です。ポールタイプになると価格帯はさらに広がり、2万円~100万円程度が相場となります。サイズの目安としては、スタンドタイプが1.5~5メートル、ポールタイプで1.5~8メートルとなる様です。

購入時の注意点

屋内に飾るタイプは部屋の大きさに合うものであれば何でも良いと思いますが、気をつけなければならないのはベランダや屋外に置くタイプの鯉のぼりでしょう。可愛い子供のためと、思い切って大きな商品を購入しがちですが、その際は必ず隣近所に迷惑をかけない大きさかどうかを見極めてから決めるべきです。日照問題などにより、少なからずご近所トラブルに発展するケースも少なくないようなので、しかるべきサイズを選択するよう心がけましょう。