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意外と知らない雛人形の飾り方を紹介
ひな祭り
 
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三月(弥生)
 

意外と知らない雛人形の飾り方を紹介

桃の節句に欠かせない雛人形。しかし、その正しい飾り方について正確に知っている方はさほど多くないのではないでしょうか? 飾り方はもちろん、飾る時期や片付ける時期に至るまで、細かく解説していきます。

雛人形を飾る時期について

いつ頃飾るのが良いのか?

桃の節句に欠かせない雛人形ですが、飾る時期を明確に知っている方はさほど多くないと思います。大概、3月3日に向けて何となく飾っている家庭がほとんどなのではないでしょうか。しかしながら、実を言うと雛人形を飾る時期については明確な日付が決まっておらず、一般的には立春から2月中旬までに飾るのが良いとされている様です。なぜなら、立春は季節の節目であり、さらに節分によって邪鬼が追い払われたことにより、清められた状態になることから、雛人形を飾るのに相応しい日であると言えるのです。さらに、少なくとも雛祭りの1週間前には飾り終えている状況が望ましいようです。

しまう時期はいつ頃が良いのか?

飾る日同様、雛人形をしまう日もまた、明確に決まっている訳ではありません。一般的にはひな祭りから2週間後、つまり3月の中旬頃までにはしまうべきとされているようです。ちなみに、雛人形は非常に繊細な作りになっているため、湿気に弱いという側面があることから、湿度の低いタイミング、つまり天気の良い日にしまうのがベストです。さらにしまう際は桐箱などに防カビ剤などを入れておくと、良い状態を保ったまま保存できるでしょう。

雛人形はどうやって飾るのか?

飾る場所に注意しよう!

まずポイントは「飾る場所」です。どこのご家庭でも、決まった場所があるかと思いますが、気をつけなければならないのは「湿気の多い場所を避ける」点でしょう。飾ってから概ね2週間程度は飾りっぱなしになる訳ですから、カビの発生などに十分気をつけるべきです。さらに、「直射日光が当たる場所を避ける」点も欠かせません。湿気の多い場所を避けるのはカビの発生を懸念してであることに対し、直射日光を避けるのは「雛人形の変色」を避けるために他なりません。かつてはそれらを避けるため、床の間に飾るのが一般的とされていましたが、それぞれの住宅事情を考えると床の間に飾ることができない、もしくは床の間がないご家庭もあるかと思いますので、その場合には、日が当たらないリビングなどに格好の場所を見つけて飾ることを心がけると良いでしょう。

飾る際の注意点

三段、五段、もしくは七段など、ひな壇がいくつか重なっている場合は、一体どこから飾れば良いのか迷ってしまう方も少なくないでしょう。一般的に雛人形は「上段から順番に飾っていくのが良い」とされています。なぜなら、飾り付けている最中に、雛人形が落下してしまい、下段に飾ってある人形と接触して傷をつけてしまうのを避けるためです。
さらに、実際に飾る際に気を付ける点は「汚さないこと」です。例えば、冠がある人形の場合、不意に顔を触ってしまうことによって、汚れてしまうことも考えられます。人形に直接触れることで汚してしまわないように、紙などをあてがいながら持つ、飾り付けるなどの工夫をすることが大事です。ちなみに、もし汚してしまった場合は綿棒を湿らせて、優しく擦りましょう。

七段飾りの場合の飾り付けは?

ひな壇を置いたものの、一体どこにどの人形を置けば良いのかわからないという方も少なくないでしょう。ここでは、七段飾りの場合、どこに何の人形を飾ればいよいのか? について細かく紹介していきましょう。

一段目
段飾りの最上段にはご存知の通り、お内裏様を飾ります。関東では向かって左にお内裏様、右にお雛様を飾りますが、関西ではその逆に飾るのが習わしとなっています。

二段目
二段目には三人官女を飾りましょう。三人官女がそれぞれ手に持っているものは向かって左から加銚子(くわえのちょうし)、盃(三方)、長柄調子(ながえのちょうし)となります。目安としては三体のうち一体は座っているものがあり、それが中央の官女となることを覚えておきましょう。

三段目
三段目には五人囃子を置きます。順番は向かって左から太鼓、大皮鼓(おおかわつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛、謡となります。笛や謡(うたい)はわかりやすいですが、太鼓シリーズは一見すると同じように見えてしまうので、とてもわかりづらいです。大皮鼓は小鼓よりも一回り大きく作られている点などから判別しましょう。

四段目
四段目は随身(ずいじん)の場所です。随身とは、左手に弓、右手に矢を持った人形のこと。背中から帯に数本の矢を刺しているのもポイントですが、それら小物が無くならないように気を付けて保管する点に注意しなければなりません。

五段目
仕丁は五段目に飾りましょう。持っているものは向かって左に台笠(だいがさ)、真ん中は沓台(くつだい)、右が立笠(たてがさ)となります(地方によっては、熊手、ちりとり、箒を持たせ御所内での清掃係を表現する飾り方もあります)。目安としては、笠の先を左に向けている人形を左側に、右に向けている方を右に置くことです。

六段目
六段目には、お雛様の嫁入り道具と言われている箪笥や鏡台、茶道具などを飾りましょう。置く順番に決まりはないようですが、雛人形がそれぞれ持っている小物同様、道具も大きな物ではないので、紛失してしまわないように注意して保管しておくことが大事です。

七段目
最後の段には、御所車や籠、さらには重箱などを置きます。六段目と間違えやすいので、気を付けましょう。こちらも置く順番に決まりはありませんが、六段目の道具より大きなものを七段目に飾ると覚えておけば間違いないでしょう。

最後に、飾り終えたひな壇を写真に撮って保存しておくことで、次の年はそれを見ながら飾り付けることができるといった工夫をすると良いでしょう。