赤い羽根でおなじみ! 共同募金の詳細まとめ
共同募金と聞いても、多くの人はあまりピンとこないかもしれませんが、赤い羽根募金と聞けば、何となくイメージが湧く人も少なくないでしょう。公の行事としてはもちろん、義務教育において教えられるケースも一般的です。とはいえ、詳しい歴史や仕組みについては、あまり知られていないはずです。共同募金の詳細について、ご紹介します。
目次
共同募金を詳しく知る
そもそも共同募金とは
共同募金は、社会福祉法において規定されている、共同募金会における募金活動です。「赤い羽根募金」の名称でも知られており、募金をおこなうと印象的な赤い羽根がもらえるものとして有名です。そのため、ロゴマークに使われているイラストも古くから赤い羽根となっています。
実施は都道府県の区域単位でおこなわれており、毎年1回のペースで募金が集められます。募金活動は他にもさまざまなものが存在しますが、法律に則った厚生労働大臣認定の活動という意味では一線を画します。公的なものであるからこそ、義務教育機関においても助け合いの精神や歴史を学ぶきっかけとして広く取り入れられているのでしょう。
募金は機関を通してのものだけでなく、街頭においても広くおこなわれています。実施者は基本的にボランティアとなっており、まさに助け合いの精神無くして成立しないものとなっています。行事に伴い、芸能人やスポーツ選手、その他著名人が参加するイベントなども賑わいを見せます。まさに、福祉活動の枠を超えたいち国民的行事といったところでしょう。
共同募金の運用期間について
年一回の募金行事でありながらも、比較的運用期間が長い点も特徴的に感じられます。厚生労働大臣告示において、10月1日から12月31日までで、一部の地域では翌年3月31日までの6ヵ月間が活動期間とされています。半年に及ぶ募金なわけですから、国が大きく力を入れていることが窺えてなりません。またその他、実施直前の9月30日や、開始日である10月1日には行事を周知すべく特別イベントがおこなわれるのも定番となっています。
共同募金の歴史を知る
共同募金には、とても深い歴史があります。それこそ今年2017年で、ゆうに70周年を迎えるほどとなっています。つまり、スタートしたのは70年前の1947年、戦後直後のタイミングにも遡るわけですから、奥深さが窺えてなりません。なぜこのタイミングでスタートしたかといえば、そこにはやはり戦後という背景が大きく関わっています。戦争で大打撃を受けた福祉施設を中心に、戦後復興の一助として募金が開始されたのです。現代でこそ福祉的な意味合いが強い赤い羽根募金ですが、当時においてはもはや死活問題といっても過言ではない重要な存在でした。
社会福祉事業としての面が強くなってきたのは、社会福祉事業法こと現社会福祉法が制定されたタイミングからです。戦後復興がひと段落し、さらなる意義において集められた志を有効活用すべく、時代に合った取り組みへと変化していったのです。
都道府県の区域を単位として、毎年1回、厚生労働大臣の定める期間内に限ってあまねく行う寄付金の募集であって、その区域内における地域福祉の推進を図るため、その寄付金をその区域内において社会福祉事業、更生保護事業その他の社会福祉を目的とする事業を経営する者(国及び地方公共団体を除く。)に配分することを目的とするものをいいます。
上記の規定のもと、「じぶんの町を良くするしくみ」として有効に機能しています。
募金額の用途について
共同募金の使われ方とは
前述にて、募金額が社会福祉のために使われていると紹介しましたが、これだけでは具体的な用途は想像しにくいことでしょう。福祉といっても、含まれる領域は幅広いです。ではいったい、どういった部分に使用されているのでしょうか。
まず基本的に、決まった使用先というのは存在しません。なぜなら、開催年翌年度末日までに、各都道府県における地域福祉団体等に使途を明確にした上で毎年配分が決められるためです。社会の状況や各地域の事情を考えて決定されるといった具合です。具体例としては、高齢者や障害者等を対象とした食事や入浴などの福祉サービス事業、住民全般を対象とする福祉関連の研修や講座における開催事業、機材整備資金といったものが挙げられます。少子高齢化に伴い、こうした費用の重要性は年々高まってきているため、近年まさに欠かせない財源となっています。協力する意味は、とても大きいといえるでしょう。その他、災害に備えての準備金としても役立てられています。
配分を受けるための手続き
国独自ではなく、地域それぞれに活かすための募金として運営されているため、いずれの都道府県においても配分希望をおこなうことが可能となります。ただ、適切な事業内容でなくては承認されないため、審査を通ることが必須となります。主には、書面申請ののち、法律に基づいて設置された配分委員会の審査を経て、公正・公平な配分が検討されるといった具合です。手続きについては、共同募金会に問い合わせる形となります。
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