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十五夜だけではない? 「十三夜」で秋を楽しむ
九月(長月)
 

十五夜だけではない? 「十三夜」で秋を楽しむ

秋のイベントの中でも、十五夜という言葉は広く浸透しているかもしれません。しかしそれに似た十三夜というものがあることは、あまり知られていないのではありませんか? 十三夜も日本で古くからある風習です。今年の秋は十五夜だけでなく、十三夜も楽しんでみませんか?

十三夜って何? その基礎知識を理解しよう

後の名月ともいわれる十三夜

十三夜は十五夜と密接な関係があって、十五夜の約1か月後に廻って来る月のことを指します。旧暦でいうところの9月13日前後を指します。新暦で見た場合、例年大体10月の中旬から下旬ごろになることが多いです。ちなみに2018年の十三夜は、10月21日になります。
十五夜は別名「中秋の名月」といいます。十三夜にも別名があって、十五夜の後にやってきますので「後の名月」や「後の月」と呼ばれます。さらに後で過ごし方は詳しく見ていきますが、栗や大豆をお供えする習慣もありますので「栗名月」「豆名月」と呼称される場合も見受けられます。十五夜を見ると、あまり天候に恵まれないことも少なくありません。しかし「十三夜に曇りなし」という言葉に代表されるように、十三夜はすっきり晴れる傾向が見られます。

十三夜の歴史について

十五夜は中国から伝わってきて日本に定着したといわれています。そうなると十三夜も同じく中国から渡来したと思いがちですが、こちらは日本固有の風習になります。宇多天皇が十五夜の宴だけでなく、9月13日でも宴を行うようになったのがそのルーツとされます。この説には他もあって、秋の収穫祭だったものが十三夜と呼ばれるようになったという話も聞かれます。十五夜には若干劣るものの十分月が美しいので、両方でお月見を楽しむのが一般的でした。逆にどちらか一方でしか月見をしないことを「片月見」と言いました。これは縁起がよろしくないということで避けるべきと古くは考えられていました。

1年に2回あることも?

通常十三夜は年間に1回しかやってきません。ところが例外でたまに2回やってくることがあります。それは閏月の存在が関係しています。旧暦では季節を調節するために、約3年に1回のペースで閏月を用意する必要があります。月と月の間にもう一月はいることで調整します。もし8月や9月の後に閏月が発生すれば、それぞれ2回巡ってくる形になります。そうなると十五夜も十三夜も1年間に2回発生する形になります。この場合、2回目を「後の十五(十三)夜」と呼んでいました。1年に2回発生することはめったにありません。ちなみに近年では、2014年11月5日に後の十三夜が発生しました(1回目は10月6日)。これは実に171年ぶりの珍事でした。

十三夜は具体的にどう過ごす?

十五夜同様、月見団子を用意しよう

十三夜を楽しみたい、でも具体的にどう過ごせばいいのかわからないという人もいるでしょう。十五夜と一緒で、お月見を楽しむ秋の風物詩ですから、似たような感じで過ごすとよいでしょう。十五夜の場合、月見団子を備える家庭も多いでしょう。後の名月も同じく月見団子を準備して供えるのが基本的な楽しみ方です。ただし、準備するお団子の数が異なります。十五夜の場合、15個の団子が必要です。しかし今回は13個の団子を準備しましょう。お団子はお供えしたら食べてもよいです。ただし中にはお団子がどうも苦手という方もいるはずです。その場合には、お饅頭なりお餅なりで代用することも可能です。

栗や豆を準備するのもよし

冒頭に紹介したように、「栗名月」や「豆名月」という呼称もありますので、当日、栗やお豆をお供え物として準備するやり方もあります。お月見で月見団子をお供えするのは、もともと収穫に関する感謝を伝えるお祭りという意味合いがありました。ちょうど秋に行われる行事なので、その時期に収穫される栗や枝豆を供えるようになったと考えられます。

ススキを飾ってみよう

ススキは十五夜の時に飾る風習が昔からありました。後の名月についても、同じようにススキを飾ってみるといいです。ススキがあるだけでも、お月見感がより増します。なぜ月見でススキが欠かせないのか、それはススキの持っている役割が関係しています。ススキは古くから神様の依り代と考えられてきました。稲穂が好ましいのですが、この時期はまだ稲穂が十分実りません。そこで、見た目が稲穂に似ているススキが代用されるようになったといわれています。また、昔からススキは魔よけの道具としても使われてきましたので、お月見をするときに飾られることが多かったともいわれています。
ススキをお供えしたいけれども、どこにセッティングすればいいかわからないという人もいるでしょう。別に厳しいルールがあるわけではないです。月の眺められる場所であれば、どこにおいても問題はありません。縁側などが好ましいですが、マンションなどであればベランダなどにおいても別に問題はありません。あまり堅苦しく考えずに、澄んだ空に浮かぶきれいなお月さまを眺めて日ごろの疲れをいやし、気分転換してみてはいかがですか?