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夏至とはどのような日?
二十四節気
 
六月(水無月)
 

夏至とはどのような日?

夏至(げし)とはカレンダーの上では6月21日くらいの、北半球の昼の長さが一番長くなる日のことをいいます。夏至の逆に一年でもっとも昼が短くなる冬至(とうじ)と比べると、実に昼の長さが5時間近く差が出てくる地域がある日本です。一年のうちで、最も昼の時間帯が長い夏至について、このページでは紹介しています。

夏至という季節の移り変わりの目安

二十四節気のひとつで、最も昼が長くなる日

6月21日頃の、昼間が一年で一番長くなる日を夏至と言います。この夏至とは、二十四節気という季節の移り変わりを示す節目になります。また、二十四節気とは一年を24等分に区切ったものです。元々は中国の戦国時代に考え出されました。太陽年といって、太陽が天球上を360度一周して一年とした動きを春分を0度として、15度ごとに24等分しています。その際、夏至は90度の位置にあります。夏至や昼間がもっとも短くなる冬至など昼間と夜間の時間に変動があるのは、地球の自転の軸が傾いているためです。その傾きにより夏至では北半球の昼間の時間が伸びますが、南半球では逆に太陽に面している時間が少なくなります。
なお、二十四節気は農作業を適切な時期に行う目安として作られています。食べ物がなければ人も国も成り立っていきませんから、食料の生産は人間社会の重大事でした。そのために一年を通して季節の巡りを把握する暦がつくられ、二十四節気のような節目がつくられました。中国が唐の時代に日本はこの二十四節気を導入しました。

梅雨の真っ只中で太陽を感じにくい夏至

夏至には「日長きこと至る(きわまる)」という意味があるそうですが、昼間が長くなったといっても6月21日頃は梅雨の只中のため、実際の日照時間はあまり長くない地域や年が多いと思われます。またこの時期になると、地域にもよるでしょうが、田植えの時期のピークとされています。ちなみに、稲がしっかり根が張るようにと縁起をかついで、この季節に蛸を食べる風習が関西にはあるといいます。

夏至に付随した半夏生

現在ではほとんど見られなくなりましたが、季節の区切りには二十四節気による区分をさらに細分化した、七十二候というものがあります。これは二十四節気のそれぞれの区切りを中心にした期間を、約5日ごとに3つに分けたものです。夏至も鹿角落(しかのつのおつ)、蝉始鳴(せみはじめてなく)、半夏生(はんげしょうず)の3つに分けられます。鹿角落とは、文字通り鹿の角が生え変わりのために落ちることをいいます。日本ではおおよそ4月の時期が鹿の角の生え変わりの時期といわれていますから、七十二候が作られた中国とは気候の差などでずれがあったものと推測されます。また蝉始鳴も読んだままに蝉が鳴き始める季節という意味です。このふたつは現在ではほぼ使われていません。残りの半夏が生ずる(半夏という薬草が生える頃)という意味の半夏生のみが、現代の日本でも雑節という形で残されています。雑節とは、二十四節気など中国で作られた節目では、日本の季節の巡りの実際を把握しきれないのを補完するために作られた節目のことです。また、半夏とはサトイモ科の植物のカラスビシャクのことで、多年草で球根を乾燥させたものが鎮痛や嘔吐薬の漢方薬として利用されている植物です。

夏至のイベント

夏至ならではのスポット

夏至という日に何か特別なことがしたい、または見たいという方には三重県伊勢市の猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を祭神とした二見興玉神社があります。正面にある海の700メートルほど沖合いに夫婦岩と呼ばれる岩があり、縁結びの神社としても知られています。この岩と岩の間からは富士山も見えるため、特別感のあるロケーションが人気となっています。さらに二見興玉神社では夏至祭が行われており、夏至の日には岩と岩の間に朝日が昇ります。
この夫婦岩と夏至の日に岩と太陽という点で似たようなものに、イギリス南部のストーンヘンジがあります。ただし、こちらは自然の造形物ではなく、古代の人工物です。夏至の日になると、ヒール・ストーンという巨石と中央の祭壇を結んだ直線上に朝日が昇ることが有名です。こうしたことから、天体の動きを知っていたと考えられ、太陽を崇める集団の祭祀の場だったという説や、天文台だったという説など様々な説が唱えられています。

北ヨーロッパの夏至祭

また緯度が高く、冬場は太陽が昇っている時間が極端に短い、極圏では太陽の昇らない極夜という現象もあります。ヨーロッパの北部では、昼間の時間が最大になる夏至(極夜の反対で日が沈まない白夜という現象もあります)はとりわけ喜ばしい日のようで、夏至祭というお祭りが各地で開かれるそうです。たとえばフィンランドでは、夏至の日は重要な国民の休日になっていて、こぞって都会を離れのんびりしながら家族や友人と夏至をお祝いします。またコッコ(フィンランド語で焚き火)で邪を払う風習もあります。スウェーデンでは、季節の草花で飾られたマイストングという大きな柱を広場に立てて、その周りで唄い踊り、また食事を楽しむという風習が有名です。
このスウェーデンの夏至祭は日本でも体験できます。スウェ−デンに姉妹都市を持つ、北海道の当別町では本場さながらにマイストングを立て、ダンスなどをします。「ヨーロッパは行くのに遠すぎるけど、ヨーロッパ風の夏至祭を見たい」という方にはちょうど良いかもしれません。夏至は梅雨の期間中ですが、北海道には梅雨前線がかかるということはあまりないようです。少しでも天気の良さそうな、ジメジメしていないところで過ごしたいという方にとっても、国内旅行先として手ごろで良いかもしれません。