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エイプリルフールってどういう日?
四月(卯月)
 

エイプリルフールってどういう日?

4月1日は、その日だけは害の無い嘘ならついてもいいとされるエイプリルフールの日です。日本では、かつて四月馬鹿という呼び方もありましたが、今はエイプリルフールという呼び方が主流のようです。このエイプリルフールの風習が始まったきっかけなどをこのページでは紹介していきます。

エイプリルフールはいつ誰が始めた?

諸説あるエイプリルフールの由来

4月1日の一日だけなら、嘘をついてもいいエイプリールは、世界各国で行われている風習です。しかし、この広範囲に行われる風習がいつどこで誰が始めたのか、様々な由来がまことしやかに唱えられているものの、実際はまったく分かっていません。
日本で流通しているエイプリルフールの由来には、以下のようなものがあります。まず、フランスで1564年にグレゴリオ暦が採用されたときの騒動によるとする説があります。これは、4月1日に新年のお祝いをする慣習がそれまであったところへ、国王のシャルル9世(1550—1574、在位1560—1574)がグレゴリオ暦を採用したことで、新年の始まりが1月1日に変更されてしまい、それに反発をした人々が、嘘の新年という名目で4月1日を大騒ぎでお祝いしたというものです。ちなみにローマ教皇グレゴリウス13世により、グレゴリオ暦が制定されたのは1582年のことです。この説は日本ではもっとも広く知られているようですが、今ひとつ説得力には欠けるようです。
また、この説にはシャルル9世が4月1日に騒動を起こした人々を捕らえて処刑したという尾ひれがついたものも流布されていますが、シャルル9世の治世下では、旧教派、新教派が激しく争いあい、1572年にはサン・バルテルミの虐殺という事件が起きています。加えて、新教を信奉する人々は、敵対する旧教のカトリックが作ったグレゴリオ暦への移行には消極的でした。もしかしたら、これらの事実が合わさり、シャルル9世のグレゴリオ暦説が生まれたのかもしれません。
また、フランスに由来する説はまだあります。フランスでは、エイプリルフールを Poisson d’avril(ポワッソンダヴリル=4月の魚)というそうですが、4月1日が漁業のシーズン最終日とされていたとのことで、その最終日に釣果ゼロで帰ってきた漁師をからかったのに由来するというものです。こうしたことから、子供が紙に書いた魚の絵を他人の背中に貼り付けるいたずらがフランスにはあるそうです。

その他のエイプリールフールの由来

フランスの説以外にも、日本で流通している説も続けて紹介していきましょう。インドでは、悟りを得るために修行をする人は3月25日から3月31日に座禅を組んで修行をする習慣があったといいます。しかし、その修行期間を終えて俗世に戻ると、すぐにまた迷いの境地に戻ってしまうことも珍しくなかったようです。せっかく悟りの境地に達しても4月1日になれば俗世に迷うことをからかい、4月1日を揶揄節と呼ぶようになったといいます。それがヨーロッパに伝わってエイプリルフールになったという説です。
また、旧約聖書の中でも有名なノアの方舟のエピソードに由来する説もあります。大洪水の中、方舟に避難していたノアは水が引いて陸地が出てないか、鳥を飛ばして調査しましたが、最初は無駄足に終わりました。それが4月1日だったことから、無駄なことをする日となった説です。
そのほかに、キリスト受難の日を4月1日に設定して、ユダの裏切りを忘れないためという説。古代のローマでは4月1日にオール・フールズ・デー(万愚節)というお祭りがあり、この日は何でも逆さまに行うのがお約束で、主人と奴隷が立場を入れ替えたり、書く文字も左から右ではなく反対から書いたりという遊びがあったことに由来する説などが、日本でよく見受けられるエイプリルフールの由来です。
以上、どれもが信憑性のない説ばかりですが、そういう様々な説が流布されているということ自体が、エイプリルフールらしいのかもしれません。

日本でのエイプリルフール

日本のエイプリルフールの受容

ここまで見てきたように、エイプリルフールは発祥の地すら分かりませんが、少なくとも日本が発祥という説はまだないようです。では、いつ日本に入ってきたかというと、大正時代の頃には欧米諸国からエイプリルフールの風習が日本に入ってきていたようです。1932年には、新聞に四月馬鹿としてエイプリルフールの紹介記事が載るくらいには、広まっていたようです。
また一説には、すでに江戸には伝わっており、不義理の日と呼ばれていたという話もあります。なんでも義理を欠かしてしまった相手に謝罪の手紙を書く日だったとか。
現在ではエイプリルフールは、日本にすっかり定着しています。また、インターネットという誰でもが情報を発信できる媒体の存在もあってか、今日ではマスコミなどのジョーク記事だけでなく、一般企業のジョークのニュースリリース、ブログやSNSを通じて個人もエイプリルフールでネタを発信しています。

エイプリルフールのお約束

エイプリルフールには特にルールはありませんが、やはり社会規範上、害の無い嘘であるべきという暗黙の約束があるようです(詐欺にあたるような嘘は当然いけません)。それに類似したもので、嘘を吐いていいのは午前中だけというものがあります。これは午後にネタばらしをするために、嘘を午前中に限ったといわれ、ローカル・ルールのようなものでしょう。
このように、無害ならどんな嘘を吐いてもかまわないわけですが、人を傷つけず、それでいて面白いような、気のきいた嘘を考えるのはかなり骨の折れる仕事です。エイプリルフールは何か嘘を吐きたいけど、何も考え付かないという方はジョークグッズでも贈ってみると良いかもしれません。