春の全国交通安全運動の歴史と歴代ポスター
全国交通安全運動は、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的として行われています。戦後の経済発展に伴い、交通社会が誕生すると悲惨な事故が多発してきたことから、警察機関や関係省庁が中心として始まり、現在に至る全国的な運動です。
春の全国交通安全運動について
全国交通安全運動の始まり
発端は、戦後の交通社会の発展に伴い、交通事故が多発してきたことから、昭和23年(1948年)に国家地方警察本部長官通達に基づき実施されていたものです。その後、急速な自動車社会の進展により、交通事故がより急増したことから、昭和37年(1962年)からは政府の重要施策として交通対策本部が中心となって実施している運動です。
現在の主な主催者は、内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省,厚生労働省,農林水産省,経済産業省、国土交通省、防衛省、都道府県、市区町村、自動車安全運転センター、軽自動車検査協会、(一財)全日本交通安全協会、(公財)日本道路交通情報センター、(一社)全日本指定自動車教習所協会連合会、(公社)日本バス協会、(公社)全日本トラック協会、(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会などです。
主な運動について
全国的に、毎年「春の全国交通安全運動」を新入学児童の登下校に合わせて、おおむね4月6日から15日までの間を基本として実施されています。また、全国交通安全運動は秋にも開催されており、おおむね毎年9月21日から30日にかけて開催されています。
春の全国交通安全運動では、この期間中に全国各地域で、警察、地方自治体、学校、交通安全協会、安全運転管理者協会、交通安全母の会など、様々な機関や団体が参加して児童の登下校時の交差点における見守り活動や、横断誘導などの活動を実施しているのです。
また、この時期に合わせて関係機関や各種団体が結集して、総決起大会や、大規模な街頭啓発活動、交通安全パレードなど様々な広報啓発活動が実施されています。全国的な運動は、春(4月)と秋(9月)の2回行われていますが、地域によっては、夏(8月)と冬(11月)に都道府県単位などで開催されています。
これらの運動に先がけて、毎年1月に東京で開催される交通安全国民運動中央大会において、児童・生徒や学生、社会人などから募集した交通標語や、交通安全ポスターの優秀作品の表彰などが行われ、その年の年間スローガンなどが決定されているのです。
なお、平成30年春の全国運動重点は、次の4項目です。
1.子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止
2.自転車の安全利用の推進
3.全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
4.飲酒運転の根絶
春の全国交通安全運動の歴代ポスター
春の全国交通安全運動の歴代ポスターについて
春の全国交通安全運動では、その年の年間スローガンと児童・生徒などが描いたポスターの優秀作を元にして、交通安全活動の広報啓発ポスターを製作して、各官公庁、自治体、学校、企業、安全運動団体などに広く配布して掲示を求めて、安全運転や事故防止のなどの安全意識の高揚と啓発に役立たせています。
平成20年からこれまでの歴代ポスターについて紹介します。
平成20年
幼稚園に入園する子供が中心に描かれ、桜やたんぽぽなど春の彩りが取り入れられたポスターです。きちんと手をあげ、交通ルールを守る姿は、子供だけではなく大人も見習うべき、そんな意味合いが込められています。
平成22年
こちらは子供だけではなく、高齢者にも警告の意味を込めて作られたポスターです。歩行者はもちろんですが、車を運転するドライバーも交通事故防止を心がけましょう、という意味が記されています。
またシートベルトの重要性や、酒気帯び運転の危険性といったワンポイントや、高齢者の方が普段から身につけておくべき服装についても書かれており、1枚でさまざまな注意喚起がされているポスターになっています。
平成24年
合言葉は、みぎ、ひだり、みぎ。横断歩道を渡るとき、忘れてはいけない合言葉が大きく記されている一枚です。イラストも老若男女問わず親しめるようなデザインになっているため、街中に張ってあればふと目につくようなポスターに仕上がっています。
平成27年
子供がおじいさんに手を取り、横断歩道を渡るシチュエーションをイラスト化したポスターです。思いやりの心があれば、事故を未然に防ぎ、どの人も笑顔になる、そんな意味合いが込められています。また、交通事故死をゼロにする取り組みとして、自転車の安全利用推進やシートベルト・チャイルドシートの着用、飲酒運転の根絶といった内容が記されています。
平成29年
こちらも平成27年度ポスターのように、子供とご老人が横断歩道を渡るシーンが使われています。これまでのポスターよりも春めいた雰囲気を前面に出したデザインになっているのが特徴です。また、高齢運転者に対しても、注意喚起を促す一枚となっています。
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