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転勤祝いのお返しには何を贈るのがいいの?
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転勤祝いのお返しには何を贈るのがいいの?

多くの支社や事業所を抱える会社にお勤めされている方にとっては、転勤する方を送り出すなど、転勤のお祝いは接する機会の多いイベントといえるでしょう。そしてご自身が転勤する際に、職場や友人から金品のお祝いをいただくこともあるでしょう。そのお祝いに対して、どのようなお礼をすればよいか、タイミングはいつがよいのかいくつか例を挙げて紹介していきますので、参考にしてみてください。

そもそも転勤祝いとは?

栄転の場合のお祝いの仕方

昇進を伴うものや、今より上位の部署への転勤は栄転となります。会社や部署の慣習や転勤する人のポジションによりますが、部署全体でお祝いをすることが多いでしょう。この職場で転勤のお祝いをする際に気をつけるべきは、正式な辞令が出てからお祝いをするということ。さらに、希望に沿う異動の辞令を受けられなかった人がいる可能性もありますので、周囲に気を遣いあまり派手な席にならないよう、十分配慮しましょう。加えて部署でのお祝いとは別に、個人的にお祝いを贈りたいときは勤務時間を避けて渡しましょう。
また、転勤のお祝いに贈り物をする場合はのしを付け、表書きは栄転ですので「祝御栄転」「御栄転御祝」などとします。さらに、水引はほどいて何度も結びなおしができる紅白の蝶結びにします。一度結んだらほどけない結びきりは、結婚やお悔やみなどの二度と繰り返したくないことに使うため、何度あっても良い一般的なお祝いごとである転勤祝いのような場合には使いません。また、贈った相手に余計な気を遣わせないために、あまり高額になり過ぎないようにします。部署全体で贈る場合は、1万円〜3万円、個人で贈る場合は3千円〜1万円が一般的な相場のようです。

栄転ではない場合のお祝いの仕方

昇進を伴う栄転はおめでたいことですが、そうではないケースもあります。栄転とはいえない転勤のときには、お祝いではなく餞別を贈るという形をとります。現代のような発達した交通機関がなかった時代、長距離の移動は大変なものでした。そのため、旅立つ人を送り出すときには、道中の無事を祈って餞(「はなむけ」馬の鼻向けの略)に宴を開いたり、金品や詩歌を贈る風習がありました。このような古くからの風習に餞別は由来しています。
餞別を贈るときには、表書きは「御餞別」「おはなむけ」などとし、のしを付けます。また、水引も付けますが、餞別は一般的なお祝いのため、紅白の蝶結びにします。何を贈るかについては、5千円〜1万円の現金または物品を包むのが一般的です。

栄転かどうかわからない場合のお祝いの仕方

昇進を伴う栄転か、そうではないケースか、どちらかわからない場合があります。その際は、のしの表書きを「御就任御祝」「御祝」などとして、 紅白の蝶結びで贈りましょう。

いただいた転勤祝いのお礼について

お返しをした方がいいのか? しない方がいいのか?

一般的に、栄転のお祝いをいただいた場合、餞別をいただいた場合、どちらの場合もお返しは不要とされています。ですから、感謝の気持ちはお礼状を送って示せば十分とされています。そうとはいえ、「とにかく何かお礼をしたい」、「高額な贈り物や餞別をいただいたので、何かお返しをしないと気がとがめる」、「お返しをしないと先々不都合があるかも?」などと思う方も少なくないでしょう。そうした際には、お返しをしてもかまいません。ただし、お返しで現金を包むのは失礼なことなので、品物にしておきましょう。

お礼に贈る品物は何がいい?

お礼の品を贈るときは、いただいたものの3分の1~半額の間の金額にとどめるのが妥当だと言われています。お礼の品には何がいいかというと、転勤先の土地の銘菓など、名産品から見繕うのも興があっていいかもしれません。また、友人など個人からいただいたお祝いへのお返しなら、気にする必要はありませんが、元いた部署など複数の人達へお返しをする場合には、全員に行き渡るものを選ぶように配慮しましょう。お菓子のような食品類を贈るなら、小分けされて切り分ける手間が不要なものを選ぶ気配りも大切です。さらに、生菓子のような足の早いものも避けます。
お返しをする際の体裁ですが、のしつき、この先何度あってもいいことなので水引は紅白の蝶結び、表書きは「御礼」などとします。また、感謝の気持ちや転勤先での近況などを記したお礼状も添えるといいでしょう。

お礼をするタイミングはいつ?

マナー本の中には、転勤してすぐにお返しをしすることは事務的、形式的に捉えられたり、「忙しいなか無理をしたのではないか」と心配をさせてしまうので、避けた方がよいとしているものもあります。ですから、お返しをする先にどう受け取られるかを勘案して、ケース・バイ・ケースで対応しましょう。転勤後すぐにお返しをしない場合は、ある程度転勤先での状態が落ち着いた頃に、挨拶を兼ねてお礼状やお礼の品を送るのが自然です。目安としては、赴任後1週間~2週間以内です。