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それぞれが意味を持つ正月飾りについて
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正月飾り
 

それぞれが意味を持つ正月飾りについて

正月飾りは、正月気分を大いに感じさせてくれる日本の風物詩のような存在です。ですが、あらゆる種類が存在するため、それぞれの意味をしっかり理解できている人は多くないでしょう。またもちろん、それぞれに奥深い意味も伴います。日本に生まれたからには、できるだけ多くの正月飾りについて知っておきたいところです。代表的なものを、ご紹介します。

正月飾りとは

正月飾りの特徴

さまざまな種類の飾りがありますが、いずれにも共通した特徴というものが存在します。それは、神様をお招きするもの、祀るものであるという点です。正月には、1年の幸福や五穀豊穣をもたらすとされる歳神様がやってきます。そんなありがたい神様がやってくるための目印として、正月飾りは重要な役割を果たしているのです。またそもそも、正月自体もそんな神様をお迎えすることこそが目的の行事となっています。そのため、正月飾りは正月に欠かせない存在であるということが窺えます。

いつ頃から用意するべき?

正月飾りは、正月を迎える前に準備しておくのが一般的です。年が明けてから準備しても、神様をお招きする上ではもう遅いためです。とはいえ、早すぎても違和感を感じさせるのが正月飾りの特徴でしょう。外から見えるような飾りつけであれば、常識のない家であるともとられかねません。ではいったい、いつ頃から用意するのが理想的なのでしょうか。
主には、正月事始めといわれる12月13日以降が適しているといわれています。ですが、現代の感覚ではこれでも早過ぎる印象でしょう。風習として間違っていなくても、現実的なタイミングとはいえません。また近年は、クリスマスも日本の定番的なイベントになってきているので、クリスマス前から正月飾りがあるというのは何とも非常識な感じです。そのため、早い場合でも12月13日から、そして理想としては、クリスマス明け以降に準備し出すという考え方がおすすめといえます。
また縁起を重んじるなら、12月28日がよいかもしれません。「八」は末広がりであるため、古くから縁起のよい数字として親しまれているためです。1年の初めは、きっと誰もが幸多い日々を願いたいことでしょう。その点、12月28日は理想的な日といえるかもしれません。

飾り出す日として避けるべきタイミング

理想的な日もあれば、避けるべきタイミングもあるのが正月飾りの特徴です。縁起を重要視する日本なだけに、そのあたりは繊細なのでしょう。たとえば、29日についてです。正月事始め以降であり、さらにクリスマスも越えているので一見問題ないようにも思えるかもしれませんが、そうでもありません。「八」が縁起よい数字であるのとは反対に、「九」は「苦」を連想させることから縁起が悪いとされています。さらに「二」の文字も入るため、「二重苦」に繋がるとしてあまり好まれないのです。
また、大晦日にあたる31日も適さない日であると考えられています。この場合、正月までの期間はわずか一夜のみとなってしまいます。一夜のみの飾りは、葬式でもちいられる「一夜飾り」と印象が重なってしまうため、縁起が悪い、神様に失礼などと考えられているようです。29日と31日、両方とも避けるようにしましょう。

正月飾りの種類

象徴的な存在である門松

正月といったら門松、そんな風に捉えている人も多いのではないでしょうか。家の門を挟んで、一対の形で設置します。2つで1組であるため、向かって左を雄松、右側を雌松と呼びます。門のところに飾ることから、数ある正月飾りの中でも、家に来てくれる歳神様へ向けた目印としての意味合いが大きいです。
特徴としては、中心に3本の竹を、そしてその周囲に梅や松、その他葉牡丹や南天によって彩る形が定番となっています。現在であれば、ホームセンターやネットショッピングで手軽に手に入れられるかもしれませんが、かつては正月事始めから山へ松などをとりにいき、自前で作っていたといわれています。しきたりを重んじるのであれば、手作りを楽しんでみてもよいかもしれません。
松が主要な素材となっている理由は、生命力のある常緑樹であるため、古くから神様が宿る木と考えられ、かつ不老長寿や繁栄の象徴とされているためです。また松は、「待つ」ともいい換えられるため、神様を待つという意味でも理想的な存在になっています。

手軽な正月飾りである注連(しめ)飾り

正月になると、あらゆる家で玄関の上に縄や縁起物で仕上げられた注連(しめ)飾りがつけられます。これもまた、神様への目印ですが、他にも、神様が立ち寄るにふさわしい神聖な家である、訪れた神様にずっといてもらえるようにといった意味合いも込められているそうです。手軽な価格で手に入れられ、また玄関にひとつ飾るだけでよいので、古来からの風習が苦手な人や出費を抑えたい人にも適しているでしょう。

日本らしい供えものの鏡餅

鏡餅もまた正月の定番ですが、なぜ丸い形をしているのでしょうか? それは諸説ありますが、丸い形は鏡を模していて、鏡は古くから祭事などに使われる神聖なものだったので、歳神様の依り代としては最適なお供え物と考えられたためという説が有力のようです。
また、日本は古くから農耕民族であり、稲作が盛んであったため、米が原料の餅は神聖なものとされているのです。こちらも注連縄同様手軽に手に入れられるため、実践しやすい風習といえるでしょう。