失礼のないように確認しておきたい、通夜のマナー
今一度知っておきたい、通夜のマナー。故人との別れの大切な儀式の一つです。そのため、きちんとしたマナーを身につけておくことが大切。なお、宗教・宗派や地域によって、それぞれ異なる場合があるため、迷ったら親しい方に確認することをおすすめします。
通夜または告別式、どちらに行くか
通夜とは、親交のあった人が最後の一夜をともにして、冥福を祈るもの。そのため、特に親しい方については、通夜、葬儀、告別式のすべてに参加するのが一般的です。
どちらかにしか参列できないのなら、葬儀、告別式へ弔問をするのがよいかと思いますが、都合がつかない場合には通夜でお別れをします。
気を付けたい服装
知っておきたいのが、喪服にはいくつか格式の差があるということ。正、準、略などですが、遺族は弔問客より一段上の喪服を着るのが一般的です。
●遺族の場合<準喪服・近親者は略式喪服>
男性 和装なら三つ紋程度の羽織、着物に袴、洋装はブラックスーツに黒のタイ
女性 和装なら色無地に黒の帯、洋装は黒のスーツ、アンサンブルなど
若い遺族 学生服や制服、紺やグレーのブレザーなど
葬儀委員長または世話役代表は準喪服を着用、受付などの手伝いをする方は準喪服か略喪服を、裏方の手伝いをする方は黒のスカートにブラウスなどでもかまいません
なお、遺族や近親者、世話役などは左胸や左腕に喪章を付ける場合があります。
●弔問客の場合<準喪服または略喪服>
葬儀よりも一段格を落とすのがきまりの通夜。遺族側は準喪服なので、立場をわきまえ、主だった人は準喪服、通常のおつきあいの方なら略喪服。
男性 ブラックスーツ、黒のタイ、白いワイシャツ、靴、靴下も黒
女性 無地のスーツやワンピース
近所の方や手伝いを頼まれた方は、必ずしも喪服である必要はないものの、地味なものにするのが良いでしょう。
宗教によって異なる通夜
●仏式
以前は通夜が夜通し行われていましたが、現在は半通夜が一般的となっています。夜半まで行う「半通夜」で、だいたい19時ごろから21時ごろまでが一般的です。祭壇を正面に右が喪主、遺族、親族など、左側に世話役代表や上司、友人、知人となっています。なお、親しい方ほど前列に座るのがマナーなので、注意しましょう。
また、最近では告別式には参列せずに、通夜に訪れる方も多いようです。読経のあと喪主から順に焼香が行われます。拝礼後、右手の三本でお香をつまみ、ささげ念じた後、香炉の中へ静かに落とし合掌、深く一礼します。くべる回数は宗派によって異なりますが、一回が一般的なようです。
通夜だけの場合も多い現在、「会葬御礼」を手渡すことが多いようです。通夜ぶるまいでは食事の席を設けますが、「粗供養」としてお茶・酒や折詰などを持ち帰ってもらう場合もあり、地域などによって違うため、相談すると良いでしょう。
●神式
神道では仏式の通夜にあたるのが「通夜祭」、続いて御霊移しの「遷霊祭」があります。神職は「斎主」と呼ばれ、氏神の神社の神主が行うのが一般的です。受付に「会葬御礼」の書状を用意しますが、清めの塩はお祓いがあるため添えません。
なお、会場に入る前に左手→右手の順に水をかけて清め、最後に左手に水をとり口をすすぎましょう。
「直会(なおらい)」と言われる通夜ぶるまいがありますが、お酒は「お清め」のため口をつけるようにしましょう。また、一時間程度で切り上げるのがマナーです。
●キリスト教式
本来行いませんが、日本では前夜祭を採用しているようです。内容は仏式に沿ったものを行うことが多いようです。
香典について
通夜と告別式に出席する場合、香典は最初の弔問、つまり通夜の際に差し出すのが自然です。告別式では記帳のみでかまいません。
水引は、仏式、キリスト教式、無宗教は白と黒、黒と銀、銀一色など。なお、蓮の花が印刷されているのは仏式です。神式は白一色となります。なお、金包の裏側は、下を先に折り、上をかぶせるようにしましょう。
霊前に供え、遺族の慰めの気持ちを含む香典なので、金額は故人との関係性を考慮します。また、香典には新札は用いませんが、あまりに古いお札を使うのも失礼にあたります。内袋には金額を、裏に住所氏名を書きましょう。
なお、表書きですが仏式は「御香料」など、神式は「御玉串料」など、キリスト教は、「御花料」などを用います。「ご霊前」は一般的にどの宗教にも使われますが、浄土真宗は「御仏前」となりますので注意しましょう。
袱紗に包んで持参し、一言添えて差し出します。なお、都合により通夜や葬儀に参列できないケースでは、郵送しましょう。
供花などを贈る場合は、5時間前までには届くよう手配するこが大切です。その際は、どんな形式のお花がいいか遺族の意向を伺うようにしましょう。「一同」とするケースでは、他の親せきと話し合います。
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