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こんなにあった!箸の使い方のタブー
箸のマナー
 

こんなにあった!箸の使い方のタブー

フォークやナイフという西洋式のカトラリーが生活に根づいても、日本人にとって箸は文化の象徴のようなアイテムです。正しい箸使いをしていないことで、マナーの良し悪しを判断されてしまうこともあります。ここでは、箸の使い方のタブーについて、箸にまつわる知識を交えてご紹介しましょう。

箸の歴史と正しい持ち方

箸の由来

日本人なら当たり前に使っている箸ですが、箸を使う文化は日本だけのものではありません。中国や韓国、東南アジア諸国にも箸を使う国が存在します。日本の箸も、もともとは中国から伝来したという説があります。諸説ありますが、日本で初めて箸食(はししょく)制度を朝廷の儀式で用いたのは聖徳太子です。一般市民に箸食文化が広まったのは8世紀以降とはいえ、古くから日本にも箸の文化が取り入れられていたのです。

箸を使う目的

箸は、食べ物を挟むための一対の棒です。その語源には、4つの説があります。1つは挟むもの、もう1つは橋や柱などの形に似ていること、さらに先端(はし)でつまむこと、鳥のくちばしのようなピンセットに似た形だったことなどが語源です。
それらの語源の1つでもある挟む、つまむという機能が箸には備わっています。他にも、切る、ほぐす、はがす、すくう、くるむ、乗せる、押さえる、分ける、支える、運ぶ、裂くなどの動きが箸には可能です。毎日のように箸を使っている日本人の私達にすら、これほどの機能が箸に備わっているとは普段あまり意識しないでしょう。こうした様々な機能を使いこなすことで、日本人の手先の器用さが育てられているともいわれています。指の使い方や微妙な力加減など、正しく箸を使いこなせるようになるとマナーが美しい人ともいわれます。

正しい持ち方

箸を器用に扱うには、まず箸を正しく持つことが先決です。軽く持つことも大切で、力を入れると指の筋肉が自由に動いてくれません。箸を細かく動かすためには、指に力を入れるのではなく手首を動かすのがコツです。
正しい箸の持ち方は、まず下側の1本の頭が1cmほど出るようにして薬指の爪の脇にあてます。次に、親指と人差し指の股に挟んで固定してください。上側のもう1本の先端は、下側の箸の先に揃えます。中指の爪の脇にあてて、親指と人差し指で軽く挟むようにしましょう。親指を支点にして、上側の1本を中指で持ち上げられれば成功です。

嫌い箸の種類

箸の使い方のタブー

箸の使い方には、タブーとされていることがあります。それらは嫌い箸と呼ばれ、食卓を共にしている人に不快な思いをさせたり、縁起が悪いとされます。現代では周囲に不快な思いをさせる程度で済むことだとしても、タブーとされている箸の使い方を敢えて直さないのは人間関係にも悪影響を与える恐れがあります。箸の使い方でタブーとされていることを頭に入れておき、日頃から出さないように注意しておくのがマナーです。
最低限の箸の使い方のマナーとしてあげられるのが、ねぶり箸です。箸についた料理の一部を口でなめることを指し、行儀が悪いとされています。箸渡しは、箸と箸、つまり自分の箸と他人の箸で食べ物を受け渡しすることです。これは火葬の際に亡くなった人の骨を拾うときの動作と同じため、非常に縁起が悪いとされています。タブー中のタブーですから、決して行わないようにしましょう。
食べ物を一度箸で取ってから、食べずにお皿に戻すことは、そら箸と呼ばれて嫌われます。箸を握り締めて持つ人は最近大人にも多く見られますが、これはにぎり箸と呼ばれて攻撃を意味するとされています。食事中に攻撃の姿勢をとるのは、失礼です。箸渡しにも似ていますが、二人箸は食器の上で2人で一緒に料理を挟むことを指します。うっかりしてしまったときには、失礼を詫びて箸を引き下げるようにしましょう。
刺し箸は、料理に箸をつきさして食べることでマナー違反だとは思わずにやってしまっている人は多いかもしれません。料理の上を迷いながらさまよってしまう箸の使い方は、迷い箸といいます。箸で食事中に人を指すのは、指し箸です。ご飯などに箸を突き立てるのはたて箸と呼ばれ、死者の枕元に供える枕ご飯を意味して縁起が悪いとされています。このあたりまでは、最低限の箸の使い方のタブーと認識しておきましょう。

その他の箸の使い方のマナー

他にも、箸の使い方のタブーとして行わないように注意しておきたいことはあります。例えば、汁物の中をくるくると箸を動かして具を探るような使い方を探り箸といいます。重ね箸は、特定のおかずばかりを延々と食べ続けることです。これらは、気づくとやっているという人も多いかもしれません。マナー違反だと思っていなかった人もいるでしょうから、なるべく行わないようにしておくようにしましょう。箸の先端を噛むのは、かみ箸といって嫌われます。何か取りかけてから、やっぱり気が変わって別の料理に箸を移すことは移り箸といいます。箸の先端から料理の汁をポトポト落としてしまうのは、なみだ箸です。これらの箸使いはタブーというほどのことではないにしても、あまりきれいなマナーとはいえません。正しいマナーを身に着けたいと思う場合は、しないように気を付けておいたほうがよいでしょう。
箸で頭をかくような、かき箸などは言語道断の行儀の悪さです。一対になっていない箸を組み合わせて使うことも、違い箸といって行儀が良いとはいえません。食事の途中で食器に箸を渡して置くと、もうごちそうさまという合図のわたし箸になります。茶碗を叩いてご飯を催促するのも、たたき箸といって真似してはならない行為です。他にも、箸で食器を手元に引き寄せる寄せ箸、茶碗を口にあてて箸で食べ物をかき込むかきこみ箸などは正しい和食のマナーとはされていません。