喪中と忌中の違いとはどのようなものか
喪中と忌中は、似ているようで異なる意味を持つ言葉です。喪中と忌中の違いを正しく理解しておくことで、不幸があったときのマナーを守ることでできます。ここでは、喪中と忌中の違いや関係する人の範囲などについて紹介しましょう。
喪中と忌中の意味と期間
喪中と忌中の違い
近親者が亡くなったときに、喪に服す期間のことを喪中といいます。外出や社交的な行動を一定期間、慎むようにする期間です。喪中の期間は、死者をしのぶ期間でもあります。そもそもは儒教から由来した考え方で、過去には法律で定められていた時代もありました。現在では法律で定められてこそいませんが、風習として近親者が亡くなったときには喪に服すのが一般的です。
一方、忌中には殺生をしてはいけない期間という意味があります。古来の日本では死は穢れとして扱われてきたため、これを祝いの場に持ち込まないとする考えが忌中です。喪中と忌中の違いは、観念的なものといってもよいでしょう。
仏教には喪中や忌中の風習がありますが、仏教の中でも浄土真宗には喪中も忌中もないとされています。理由は、死を穢れと捉えていないためです。同様に、キリスト教でも死を穢れとしていないことから、忌中や喪中という考え方がありません。喪中はがきなどを出す必要もないのは、仏教と大きな違いです。
期間の違い
喪中も忌中も、身内の死に際して身を慎むという期間を示しています。自宅にこもって慶事などを控える一定の期間は、忌服期間とも呼ばれています。喪中も忌中も考え方は似ていますが、期間には大きな違いがあります。
忌中は四十九日、喪中は一年間が目安です。神式では五十日祭まで、キリスト教で喪に服すとすれば命日の1ヶ月後の召天記念日や五十日祭までとされます。これらの期間を過ぎたことを忌明けといい、忌明け法要などが行われることもあります。忌明け法要の香典返しは、忌明け返しと呼ばれます。期間については喪中と忌中の違いは10ヶ月以上も差が出ますから、しっかり区別をつけておきましょう。
関係する範囲
喪中になる親族の範囲
喪中と忌中の違いは、亡くなった人の近親者の範囲にも出てきます。亡くなった人との付き合い方にも関係し、特に仲が良かった親戚関係などの場合は自主的に喪中とするようなこともあります。親兄弟でも疎遠になっていた場合などは、喪に服さないという人もいて事情は様々です。
基本的には、亡くなった人に対して父・母・兄弟・姉妹・子・義理の父・義理の母にあたる場合は喪中にするのが一般的です。必ずしも喪中にしなくてもよい関係は、祖父・祖母・義理の兄弟・義理の姉妹などが該当します。ただし、男性側の親族では喪中になる傾向があります。
どちらかといえば喪中にしない関係性は、曽祖父・曽祖母・叔父・叔母・従兄弟などです。さらに遠縁の親戚については、喪中としないのが一般的です。
控えるべきこと
忌中や喪中の期間中に控えるのが一般的とされていることは、大きく2つあげられます。1つは慶事への出席、もう1つは神社へのお参りです。結婚式など、お祝いの席には忌服期間が過ぎるまで出席を控えるのがマナーとされています。ただし、ごく親しい間柄を除き、お祝いをする人に対して喪中と知らせないのも心遣いだといわれます。忌明けがくれば、結婚式に出席してもよいというのが一般常識です。忌明けは、仏教の場合は四十九日を指します。
神社へのお参りも控えるのがマナーだとされており、神式の親等による忌明けランクも把握しておくのがよいでしょう。最長では50日の忌明けランクが設定されていますから、この期間はお参りだけでなくお祭りへの参加も控えるようにします。七五三のお参りなどには、気を付けておいたほうがよいでしょう。
他にも、祝い事そのものを控えるというのが忌中や喪中の風習です。パーティーや遊びの外出に出かけることにも、気を配ったほうがよい地域もあります。お祝い事を主催する側の場合は、延期を検討する必要も出てきます。周囲とよく相談して、決めるようにしましょう。最近では、亡くなった人が楽しみにしていた行事などは供養になると考えて決行されるケースもあります。
喪中の場合は、年末年始の挨拶を控える風習がよく知られています。前もって年賀欠礼の挨拶状を出し、年賀状の受け取りも丁重にお断りします。連絡する期間は、11月初旬から遅くても12月中頃までに行いましょう。喪中はがきを出さなかった人、あるいは間に合わずに年賀状をいただいた人には寒中見舞いを出します。喪中であることを相手が知らずに年賀状を送ってくるのは、マナー違反ではありません。
飲酒は、忌明けまでは控えるのが一般的です。ただ、通夜や葬儀、法事などで亡くなった人の近親者がお酒をすすめられることもありますから、飲酒が厳禁と頑なに拒む必要もありません。地域の風習にもより、食事でも魚や肉などを食べることや、釣りなどの殺生を控えるべきだとするところもあります。地域ごとの風習に従いつつ、ストレスにならない程度に考えておくのがよいでしょう。
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