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忌服期間はどんなことに注意したらいい? 基本のマナー
喪中・忌中
 

忌服期間はどんなことに注意したらいい? 基本のマナー

近親者が他界したときには、一定期間の喪に服するのが一般的です。喪に服する期間は忌服(服喪)期間といわれ、立場によっても期間が異なります。ここでは、忌服はどのくらいの期間を指すのか、期間中に控えておくべきことについて紹介します。

忌服期間について

忌服期間とは

忌服とは、近親者が死亡したときに一定期間、喪に服することです。明治7年に定められた布告令では、故人との関係別の忌中と喪中の期間が細かく決まっていました。しかし現在では、忌中は四十九日までとされるのが一般的になっています。喪中についても、父母、子や配偶者などのごく親しい関係において一年間とするのが通常です。
具体的な忌服期間としては、配偶者が10日、父母・養父母が7日、子や養子が5日、祖父母が3日、兄弟姉妹が3日、孫が1日、伯叔父母は1日、配偶者の父母は3日、配偶者の祖父母は1日、配偶者の兄弟姉妹は1日を目安とすればよいでしょう。

忌服中に近親者が亡くなった場合

忌服中に、新たに近親者が他界することもあります。その場合は、亡くなった人の喪が明けるまでが喪中です。新たに他界した人の死亡日から次の忌服を重ねて、その喪が明けるまでが喪中とされます。忌服が重なることは、重忌服と呼ばれています。
遠方にいたなどの事情で近親者の死亡を後日知った場合は、不幸が明らかになった日から忌服期間を数えてもよいでしょう。この風習は、聞き忌(ききいみ)あるいは聞き喪といいます。

忌服期間の注意

忌服期間中の慶事の席について

忌服期間には、華やかな慶事などの出席は控えるのがマナーです。結婚披露宴や祝賀会などの慶事への招待がある場合は、忌服期間であることを告げて丁重に断りましょう。結婚披露宴に招待されて出席するのは、少なくとも忌明けの法要がすむまでは遠慮するのが一般的です。ただし最近では、父母や子、同居親族などが他界した場合を除き、慶事に出席するケースも増えてきています。基本的には断るのも気遣いですが、相手との相談で決めてもよいでしょう。
当事者の結婚式の場合は、延期するのが常識です。亡くなった方との関係や年齢などにもよりますから、周囲との相談や都合を考慮して決めれば大丈夫です。
神社への参拝や祭事への参加も、基本的には慎みます。特に神道では、死との関わりを避けることに厳格です。神社への参拝をはじめとして、氏神の祭事などへの参加、初詣などは控えるようにしましょう。近親者が亡くなった翌年の正月は、年神を祀りません。しめ縄・門松・鏡餅などの正月飾りは不用ですし、おせち料理やお屠蘇などの用意もしないのが以前からの習慣です。年始回りも控えますが、最近ではおせち料理の扱い自体が変わってきていますから、食事に関しては柔軟に考えてもよいでしょう。

年賀状について

忌服期間に年越しが重なった場合は、年賀状を控えます。年賀状を送るのを控えるだけでなく、受け取ることもお断りするのが常識です。そのため、前もって忌服期間を知らせる連絡として年賀の欠礼をお詫びする挨拶状を出します。年賀欠礼の挨拶状は、12月上旬までには届くようにしましょう。誤解されやすいことですが、忌服期間が過ぎている場合は年賀欠礼は不要です。例えば年始に祖父母が他界して5ヶ月間喪に服していた場合は、年末にはとうに忌服期間は過ぎていますから年賀欠礼にこだわる必要はありません。
欠礼の挨拶状を出していない人から、年賀状が届くこともあります。その場合は、寒中見舞いを松の内が過ぎた頃に出しましょう。不幸があった事情で返礼ができなかったお詫びも、書き添えておきます。ただし、プライベートとビジネスは切り離す意味で、仕事上の関係者には年賀状を出すケースが増えています。

喪中の人への年賀状や中元・歳暮について

年賀欠礼の挨拶状が届いた場合は、年賀状を出すのは控えるのがマナーです。年賀欠礼の挨拶状が届かなかった場合でも、先方の喪中を把握していれば年賀状を出すのは控えます。その代わり、寒中見舞いを出すと年始の挨拶となります。親しい間柄であれば、松の内が過ぎてから喪中の見舞状を送るのもよいでしょう。
年賀状を手配してしまった後に年賀欠礼の挨拶状が届いた場合は、お詫びとお悔やみを兼ねてはがきを出すのがマナーです。このような行き違いがなるべく生じないように、喪中の人は早めに年賀欠礼の挨拶状を出したほうが相手への配慮となります。適切なタイミングで年賀欠礼の挨拶状を送るように、計画的に用意するようにしましょう。
お中元は、四十九日を過ぎてからであれば問題ありません。お歳暮は、寒中見舞いとして贈るようにします。いずれにしても、忌服期間が過ぎるのを待つようにして熨斗にも気を付けましょう。熨斗は紅白の水引は避けるようにして、白無地の奉書紙に「御中元」あるいは「暑中見舞い」との表書きをします。略式の短冊でも可能ですが、お中元やお歳暮を購入したお店で相談すれば配慮してもらえます。年末が迫ったときに忌服期間が明ける場合は、松の内が過ぎるのを待って寒中見舞いとして贈れば大丈夫です。