ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
出棺の挨拶は誰が行う? マナーとポイント
出棺
 
挨拶
 

出棺の挨拶は誰が行う? マナーとポイント

葬儀や告別式の後には、故人に最後のお別れをして棺にフタがされます。故人の姿を見るのはこれきりとなり、霊柩車に乗せて火葬場へと出棺されるのです。出棺の際には遺族から挨拶がありますが、この挨拶のマナーについて紹介します。

出棺の挨拶を行うのは誰か

出棺時の挨拶は喪主または遺族の代表が行う

出棺は、葬儀や告別式が終わってから行われます。近親者や親しい友人など以外の参列者は外に出て出棺を待ち、火葬場に同行する人は式場内に残ってお別れの儀を行うのです。近親者や親しい友人が1人1人、別れ花を棺の中へ入れて故人と最後の対面を行います。棺に納めたいものがある場合は、このタイミングで入れます。お別れの儀の後には、棺のフタは閉じられてしまうためです。
棺のフタが閉じられたら、霊柩車に棺を運び入れます。後には、位牌を持つ喪主と遺影を持つ遺族が続きます。外ではお見送りの参列者が待っていますから、棺が霊柩車に納められたら喪主か遺族代表がお礼の挨拶をするのが一般的です。挨拶を終えたら、霊柩車と遺族は火葬場へと向かいます。
出棺するときの挨拶は喪主が行うことが多いのですが、他の遺族代表が行っても問題ありません。落ち着いて挨拶することが肝心ですから、人前で話すことが上手な人や、いつでも落ち着いている人が出るとよいでしょう。

出棺の挨拶のポイント

出棺の挨拶では、3つのことを盛り込んで話をします。1つめは会葬へのお礼、2つめは生前の厚誼(こうぎ)に対する感謝、3つめは残された遺族への厚誼や支援のお願いです。挨拶はあらかじめまとめておき、簡潔に述べるようにしましょう。お見送りをする人は立ったままであり、季節によっては外で待つのがつらいときもありますので、手短に済ませます。
挨拶はお見送りをしてくれる会葬者に対して行うため、感謝の気持ちが第一です。時間にして1~2分程度が適切で、文章にまとめておく場合は200~300文字を目安にしましょう。
故人の最期について、遺族の気持ち、これからの決意などを盛り込むと心情が伝わりやすいのですが、葬儀の準備に追われて文章をまとめる暇がない場合は、定型文をアレンジして使用するのも便利です。葬儀社も手配してくれますから、相談してみてください。
挨拶するときには、遺族は会葬者に向いて並びます。挨拶する人、遺影を持つ人の順に並ぶのが一般的で、挨拶が終わったら参列者に深く一例をします。参列者から見て右に挨拶をする人、左に遺影を持つ人がくる傾向があります。

出棺時の注意点

出棺時に音楽を流す際の注意点

出棺する際の決まりごとは、宗教によって様々です。仏教ではお経をあげ、キリスト教では讃美歌を歌う葬儀が行われますが、無宗教葬の場合は音楽を流すスタイルが一般的です。最近では、仏教やキリスト教の場合でも、葬儀や出棺時に音楽を流すケースが増えました。基本的には場の雰囲気に合う様なクラシックやアンビエントなジャンルが多い様ですが、中には故人が好きだった音楽を流すことも珍しくありません。そして、葬儀中に音楽を流すタイミングとしては、出棺時の他にもいくつかあげられます。式前や、式中に故人の思い出を振り返る映像を流す際、さらには故人の人生や人柄の紹介時や献花をする際や最期のお別れをする際などです。仏式においては音楽が流れるタイミングが大凡決まっており、葬儀が始まる前、もしくは火葬場に向かう出棺時に限定されています。ちなみに、葬儀の際にどのような音楽を流すべきか迷ったら、葬儀会社に相談するのがおすすめです。シチュエーションやプログラム別のリクエストにも、適切な曲を選んでくれます。このタイミングでこの曲を流してほしいという希望がある場合は、あらかじめ葬儀会社に伝えておき、曲の長さを調整してもらうなどのお願いをしておきましょう。
また、出棺時に音楽を流す場合、最も注意すべき点は周囲への音漏れに他なりません。葬儀会場は斎場や自宅、お寺などが利用されます。いずれの会場でも防音設備が整っているケースは稀なので、あまりに音楽の音が大きいと、クレームになりかねません。さらに、大きな斎場の場合は隣室で別の葬儀が行われていることも珍しくないので、音楽を流すことで他の部屋の葬儀に支障をきたす恐れも孕んでいます。無論、斎場などで音楽を流す場合は、会場のスタッフや葬儀会社の方も気をつけると思いますが、自宅などで行う場合は周り近所に配慮し、常識の範囲内と言える程度な音量を守りましょう。

出棺時に守るべきマナーとは?

出棺時に気をつけるべき点は音楽だけではありません。例えば、出棺に先立って棺に生花を入れる「別れ花」の順番にも気を配る必要があるでしょう。お盆に乗せられた花を一輪ずつ受け取り、遺族や親族の中でも故人に身近な人から順番に棺へ花を入れて行くのですが、一般的には「喪主→喪主の配偶者→親兄弟→息子・娘→孫」の順になります。今ではほとんど行われることはないようですが、納棺時の「釘打ち」も順序は同様で、「喪主→遺族→近親者」の流れで棺に釘を打ち、蓋を閉じます。さらに出棺時の注意点では、喪主の挨拶が終わると、棺を霊柩車に乗せて火葬場へ向かいます。参列者はまず、喪主の挨拶が終わった時点で一礼し、発車する際も霊柩車に一礼します。さらに車が見えなくなったら合掌するのです。中には、霊柩車が見えなくなった途端に周囲と話し始める方がいますが、これはとても失礼にあたるので、絶対にやめましょう。