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なぜ10月? 体育の日の成り立ちや意味とは
十月(神無月)
 

なぜ10月? 体育の日の成り立ちや意味とは

数ある休日の中でも、体育の日は少し変わった印象ではないでしょうか。運動なら、暖かい季節である夏が適しているように思えるものの、体育の日は10月に定められています。少し涼しくなってくる、秋口の頃合です。もちろんこれには、理由があります。体育の日がなぜ10月に作られたのか、またどういった意味があるのかなど特集しましたので、参考になさってください。

体育の日の詳細について

体育の日は何月何日?

従来、体育の日制定以降1999年度までは10月10日と定められていましたが、2000年からは10月の第2月曜日を体育の日にすると定められています。なぜこのような変化が起こったかというと、それはハッピーマンデー制度が導入されたためです。これは、月曜日を積極的に休日とすることにより、三連休を増やすことが狙いの制度です。これにより、レジャーや外食などにお金を使う機会を増やし、国内における消費活性化が計られました。従来であれば、曜日にかかわらず10日が体育の日となっていたため、これにより一層三連休の増加が実現されたのです。同様に曜日を固定しない休日となっているものには、成人の日・海の日・敬老の日が挙げられます。

成り立ちを知る

最初にこの休日が設定されたのは、1966年のことでした。これはたまたまそうなったわけでなく、ある体育に関する印象的な行事がおこなわれたためです。それは、日本で最初に開かれたオリンピックである、東京オリンピックです。そして、その東京オリンピックが開催された日付というのが10月10日でした。これをきっかけに、この日を体育の日として、ハッピーマンデー制度が施行される1999年まで同日が親しまれ続けたのです。
また、東京オリンピックが10月10日に開催されたことにも理由があります。それは、当時の過去の気象データ上その日が特異日であったためです。特異日とは、年間を通して見たとき、ある一定の気候が高い確率で現れる日のことを指します。もちろん、スポーツの祭典であるオリンピックですから、晴れの日におこなうに越したことはありません。10月10日は、奇しくも晴れの特異日だったのです。これこそが、東京オリンピック開催日に設定された理由です。
とはいえ、東京オリンピック以前にも同様のタイミングにおいてスポーツに関する日は存在していました。それは、スポーツ振興法で定められたスポーツの日です。10月の第1土曜日に設定されていたため、10月10日にも比較的近い存在でした。いずれにおいても、10月初旬はスポーツになじみある時期であると昔から考えられていたのです。

体育の日の意義とは

時期によって異なる意義

前述の通り、体育の日は時期によって名称や日付が異なります。これによって、休日の意義もまた時期それぞれで異なります。まず、1961年に制定され1964年まで続いた、スポーツ振興法によるスポーツの日についてです。これは、中でも特に毛色が異なります。なぜなら、そもそも休日ですらないためです。同法における、スポーツを進んで楽しみましょうという推奨こそが、この日の意義でした。
次に、1964年以降の同休日です。記念すべき東京オリンピック開会式が開かれたタイミングを記憶によみがえらせつつ、さらにスポーツに励みましょうという推奨の意味も込めた、いわば二重の意義が伴う日といえます。また制定以前と異なり、国民の休日に変わっています。仕事や学校を休んで、思いっきり体を動かすべき日、そんな意味合いが感じられます。
そして現在も親しまれている、1999年以降についてご紹介します。こちらについては、それまでと比べると、スポーツ推奨の意味合いはやや薄れてきているかもしれません。前述の通り、ハッピーマンデーを定めて三連休を作り、国民の消費を後押しする意味合いが大きくなってきているためです。とはいえ、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう日」という意識のもと作られたそれ以前の休日と同じ名称であるため、やはり運動に関連していることに変わりはありません。

運動にまつわる特徴

体育の日は、ただ何となく運動を推奨している日というわけでもありません。実際に10月の第2月曜日前後は、スポーツイベントが開催されることの多い時期となっています。たとえば、運動会や体育祭といったスポーツ行事、ハイキングやピクニックイベント、その他体力測定やスポーツ施設の開放なども積極的におこなわれています。この休日があることにより、普段は運動に縁遠い人でも体を動かそうと考える人が多いためです。ただ特徴的なのが、休日当日についてイベント等がおこなわれるケースはそこまで多くない点です。これもまた、ハッピーマンデーによる消費推進という現行法案が影響しているからこそでしょう。いち休日として満喫した方が理に適っているため、学校行事などを持ってくるケースは少ないのです。
また、運動といえば活動的な季節である夏といった印象が強いかもしれませんが、一方で健康に影響が出やすい時期でもあります。その点でも、気温が穏やかで気候も安定しやすい秋口はスポーツに向いているといえます。これもまた、体育の日がスポーツに適した休日である理由のひとつに挙げられるでしょう。