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厄除けのお返しは必須か?
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厄除けのお返しは必須か?

日本では、一生のうちに厄災が多く降りかかる恐れがある年齢として「厄年」という考え方があります。男性は数え年で25歳、42歳、61歳、女性の場合は19歳、33歳、37歳が厄年にあたります。そして、それぞれの前後年である前厄・後厄を加えた期間は、神社に詣でて厄払いをするというのが習慣化されています。そんな厄年に厄除けの品をもらうことがあります。その際のお返しは一体どうすればいいのか? 以下で詳しく紹介していきます。

厄除けに贈り物をする理由と贈る品物について

地域によって根強く残る「厄祝い」の習慣

一般的な認識だと、厄年は縁起の良い時期ではありませんし、間違ってもお祝いするイベントではないでしょう。しかし古来より、地域によっては「厄祝い」という習慣があるのをご存知でしょうか? 縁起が良くないのを祝うなんて、常識外れだと思う方もいるでしょうが、これは何も嫌がらせやイタズラじみた行為ではありません。厄祝いとは、本厄を迎えた方が厄を分けることで払うという意味合いがあるそうです。親しい方たちを招いて食事や酒宴でもてなし、お土産と一緒に自身の厄を持ち帰ってもらうという行事です。しかし、お食事や宴席を設けるという習慣は少なくなった様で、昨今では親族やご近所などに、厄払いの品を配るというケースが多い様です。
ちなみにこの厄祝いは地域性の強い行事で、現在では習慣がなくなってしまったところもあるなど、全国的に行われているものではない様です。
そしてここで紹介する厄除けの贈り物というのは、厄払いに役立つアイテムを本厄を迎えた方に贈るという習慣のことを指します。

厄除けの贈り物は何が良いか?

一般的には「長いもの」や「ヘビのウロコ模様のもの」や、「肌身離さず持ち歩けるもの」を贈ることで厄払いの効果があるとされています。男性の場合であれば「ネクタイ」「ハンカチ」「ベルト」「財布」「名刺入れ」などが多く、女性の場合は「ベルト」「帯」「定期入れ」「小物入れ」「ペンダント」「スカーフ」などがふさわしいと言われています。中でも、ヘビ皮のベルトや財布などがオーソドックスな様です。なぜ「ヘビ」なのかというと、古来よりヘビは再生・邪気払い、魔除けに通じる神聖な生き物として扱われており、その証拠に大黒様や弁財天様がヘビを身にまとっている掛け軸などがあります。そこから、厄除けの贈り物としてヘビを連想させる長いものやウロコがモチーフになったものを選ばれる様になったと言われています。
また、無事に厄年を終えた際にもお祝いを贈る習慣があり、その際は「ハンカチ」や「タオル」「ボールペン」などを贈るケースが多い様です。ちなみに、「厄除け」ということから8(や)9(く)の前となる「7」がつくものを贈るのも縁起が良いとされています。

贈答のマナーを知ろう

厄除け祈願の贈り物をする際のマナーは?

まず、厄除けの祈願金を贈る際は表書きに「厄除け祈願」「厄払い祈願」などとし、のしは結び止め(結び切り)とします。さらに金封は紅白結び切りか紅白あわじ結びを選びましょう。さらに、前記した厄除けの祈願品を贈る場合は、「厄除け祈願」「厄払い祈願」といった表書きにし、のし紙は5本結切り祝にします。また、厄落ちの御祝いを贈る際は「祝 厄払い」「祝 厄落ち」「御祝」などと表書きをし、のし紙を5本結び切り祝にします。

いつまでに贈ればいいの?

厄年の贈り物は、一般的に「節分の日」までに贈るのがマナーとされています。厄払いが年始だから、年が明けたらすぐに送らなくてはいけないという訳ではない様です。また、地方によっては風習が異なりますので、地域ごとのマナーを調べ、それに合わせて準備すると良いでしょう。尚、贈るのにふさわしいのは誕生日か大安日とされていますが、その際は節分を気にする必要はないでしょう。

お返しをする際のマナーは?

祈願お礼返しとしてお返しする場合は、表書きに「厄除け内祝」「厄払い内祝」「内祝」のいずれかにし、のし紙を5本結切り祝にします。しかしながら、お返しの場合は何も品物にする必要はなく、厄が終わった御祝いとして、厄除け祈願をしてくれた方々を呼んでお食事の席を設けるなどでも良いでしょう。さらに、品物を贈る場合には、日用品やお菓子などの手軽な物や、カタログギフトなどもおすすめです。

厄除け祈願のお返しと、厄祝いのお返しの違いは?

前記した「厄祝い」におけるマナーの一つに「お返しをしない」というものがあります。何故なら、「厄を送り返す」という意味で捉えられる様で、基本的に厄祝いのお返しは不要とされています。しかし、厄除け祈願として贈り物を頂いた際は別です。御祝いを頂いたのと同じ扱いであるため、きちんとお返しをしておくべきでしょう。