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「追悼ミサ」はキリスト教のお葬式?
追悼ミサ
 

「追悼ミサ」はキリスト教のお葬式?

仏教にお葬式がある様に、宗教にはそれぞれ故人を追悼する儀式があります。中でも、今回紹介するのはキリスト教の「追悼ミサ」。これは、カトリックというキリスト教の教派の一つにおける追悼儀式を指します。ここでは、キリスト教の教派に関する簡単な解説と、「追悼ミサ」について紹介していきます。

プロテスタントとカトリックの違いって何?

カトリックって何?

前記した様に、キリスト教にはいくつかの教派が存在します。そして、先ず誕生したのが「カトリック」です。カトリックは初期キリスト教の流れを汲んだ教派で、当初はキリスト教の主流と言われていました。312年に当時ヨーロッパの一大勢力であったローマ帝国の皇帝 コンスタンチンがカトリックの信者になったことで、ローマ帝国の国教として広まっていきます。ちなみに、当時のカトリックでは、自らの罪を軽くするためには、教会が行なっていた奉仕活動や改修費として金銭を出すことが近道であるという教えを説いていました。そしてその考えこそが、プロテスタントを生むきっかけになったのです。

プロテスタントとは? そしてカトリックとの違いは?

許しをお金で買うのはおかしいのでは? と、カトリックの教えに異を唱えたのが、ドイツの聖職者マルティン・ルターでした。ルターはこの考えを真っ向から批判し、挙句カトリックを破門されてしまいます。しかし、ルターの考えに賛同する者が多く、彼らを募って新たに立ち上げたのが、新しい教派である「プロテスタント」だったのです。プロテスタントは「抗議」という意味で、思想や活動内容もカトリックと相反するものになっており、同じキリスト教でありながらも大きな違いがあるのです。
具体的な両者の違いについて紹介すると、まずキリスト教の聖地として有名な「エルサレム」や「バチカン市国」についてはカトリックの聖地であり、プロテスタントには聖地の概念すらありません。また、教派によって呼び方は違いますが、キリスト教の聖職者には「神父」や「牧師」などがあります。これらを厳密に言うとカトリックが「神父」で、プロテスタントは「牧師」となります。
さらに聖書にも違いがあります。まずカトリックの聖書には細かい注釈がありますが、プロテスタントの聖書にはそれがありません。理由としては、「内容の解釈は個人の自由」としているからです。
そして、両者最大の差異は教会にあります。一見、差が分かりづらいと思われがちですが、細かいところに違いがあります。カトリックの教会は装飾や銅像、絵画などの点数が多く、豪華なイメージの造りになっているところが多いのが特徴です。しかしながら、プロテスタントの教会は簡素なものが目立ちます。さらにカトリック教会の中には大抵「懺悔室」が存在しますが、プロテスタントの教会にはありません。そして、決定的な違いはキリストが磔にされている十字架があるのはカトリックで、十字架のみのものはプロテスタントといった差があります。細かいところをあげるとまだ両者の差は多くありますが、代表的な例を挙げると以上になります。

「追悼ミサ」はどんな儀式? そして贈り物は?

カトリックの儀式「追悼ミサ」とは一体?

これまでカトリックとプロテスタントの違いを例として、キリスト教の教派について解説してきましたが、今回の主題は「追悼ミサ」についてです。前記したように、追悼ミサとはカトリックの儀式のことで、故人を追悼する儀式です。尚、プロテスタントにおける同義の儀式は「記念式」になります。
追悼ミサとは、いわば定期法要のことで、故人の命日より「3日、7日、30日、1年」を区切りに、遺族をはじめとする関係者が集まって故人を偲びます。開催場所は教会で、神父様が進行役になるのが一般的です。そして各々が献花し、聖歌を歌って故人を送ります。ちなみに、昨今では3日目と7日目の追悼ミサは省略されるケースが多いとのことです。

謝礼とマナーは?

教会や神父さんへ謝礼としてお金を払うのは、「寄付」もしくは「献金」という形になります。よって、謝礼を渡す際には無地の白い封筒に「献金」、「ミサ御礼」と行った文言を表書きするのが一般的です。また、それとは別に神父様へ謝礼を渡す際は「御車代」、「御礼」などとし、別に包むと良いでしょう。ちなみに、金額の相場はなく、5万円程度が一般的と言われていますが、教会を使った場合は10~30万円程度包むケースが多いようです。
また、追悼ミサに参列する際、遺族は喪服を着用し、3年目以降になると地味な平服にするのが一般的です。遺族以外の参列者は、略式の喪装か地味な平服で良いでしょう。招かれた際は茶菓子などを持参するか、御花料として現金を包むケースが多いようです。中には、故人の好きな花束に白いリボンをつけて持参する方もいます。参考にすると良いでしょう。