ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
紅葉狩りを風流に楽しむおすすめスポット
紅葉狩り
 

紅葉狩りを風流に楽しむおすすめスポット

春にお花見があるように、秋は紅葉狩りを楽しめる季節です。四季のある日本に生まれたからこそ、春夏秋冬の風情を味わってみてはいかがでしょうか。日本全国、紅葉が美しいスポットは数多くあり、ドライブがてらお出かけするのにもピッタリですし、温泉旅行にもおすすめです。温泉、ハイキングなども体験しながら、しみじみと日本の秋に触れる方法を紹介します。

紅葉狩りとは

そもそも「もみじ」とは?

紅葉または黄葉と書いて「もみじ」と読みますが、実は「もみじ」という木があるわけではありません。「紅葉づ(もみづ)」または「揉み出ず(もみいず)」という言葉が語源で、葉の色が変化する状態の紅葉づから、もしくは葉の色が揉み出されるように変色していく様子の「揉み出ず(もみいず)」からもみじと呼ばれるようになったという説があります。
現在「もみじ」といわれているのはカエデ属のイロハモミジ、奈良時代にはナラ、クヌギなどではなかったかといわれています。「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」」という古今集の和歌にもあるように、いずれにせよ山奥に生えている木を指し、庭木として鑑賞するものではなかったようです。

平安時代に始まった

平安貴族は桜を始めとして、花鳥風月を愛でる習慣がありましたが、季節の行事は春のものが中心でした。一方の紅葉はこの世の無常や、やがて到来する冬の厳しさを連想させるものだったようです。
やがて平安時代となり、ようやく紅葉狩りを楽しむ習慣ができたといわれています。1300人を招待した「醍醐の花見」で有名な豊臣秀吉も、醍醐寺で紅葉狩りも開催するのを夢見ていたそうです。独特の風情で歌舞伎や能の演目にもなりました。江戸時代には庶民にも広まり、伊勢参りや熊野詣(くまのもうで)と合わせて堪能する人も出てきました。現在も、春の桜ほどではないものの、秋の行楽シーズンともなると紅葉の美しい山々に出かける人は少なくありません

なぜ「狩り」なのか

ところで、いったいなぜ花は「見る」ものなのに、紅葉は「狩る」ものなのでしょうか。諸説あり定かではないようですが、秋は実りの季節であることと関係しているという説があります。古来、日本人は秋になると山奥に入り、きのこ狩り、猪狩りなどを楽しんできました。その流れで紅葉も鑑賞したため、紅葉狩りと呼ばれるようになったというのです。また、かつて思うように外出できなかった身分の高い女性のために、紅葉の枝を狩るようにして折り運び、せめて室内で風情を楽しんでもらった名残りという説もあり、いずれにせよ日本古来の習慣がしのばれる言葉といえるでしょう。

紅葉の名所と楽しみ方

山奥に名所が多い理由

秋に美しく葉が色づくためには、昼間はできるだけ日光がたくさん当たり、一日の最低気温が8℃以下になる必要があります。つまり、日当たりの良い寒暖差の大きい場所が最適ということになり、平地よりも山奥に名所が多いのです。もちろん、神社仏閣の庭に植えられた紅葉も美しいものですが、山全体が色を変える大自然こそ紅葉狩りらしいひとときを味わえるともいえます。

全国各地のおすすめスポット

紅葉狩りは1000年以上もの長い歴史があり、多くの人々から楽しまれていました。東京都北区にある飛鳥山公園は、春には桜を鑑賞し、秋は紅葉狩りを楽しめる様にと江戸時代における第8代将軍の徳川吉宗が桜や楓を植樹しました。時代の差なく、人々にとって紅葉狩りは季節を楽しむ重要な年中行事だったことがわかります。
ちなみに、江戸以前、紅葉狩りは特権階級の遊びとして知られていました。つまり、当時は庶民は楽しむことができず、紅葉狩りの際はときの貴族たちが宴を催して鑑賞したとされます。しかし、江戸時代になると風潮が変わり、庶民でも気軽に紅葉狩りを楽しめる様になったのです。さらに近代明治になると、紅葉狩りのスポットなども増え、それを目的として旅行者が増える程人気になったとされています。
では、現在の紅葉狩りスポットを紹介していきましょう。
関東では、栃木の日光いろは坂や那須高原、東京の高尾山、群馬の尾瀬、神奈川の芦ノ湖などがおすすめです。とくに芦ノ湖は遠くに富士山まで一望し、よく絵葉書にもなっている絶景を拝むことができます。湖を行き来している遊覧船に乗って鑑賞するのも良いでしょう。
また、関西では京都の嵐山、奈良の吉野山や多武峰、滋賀の比叡山などが有名です。その他、京都には光明寺や永観堂などの紅葉が美しい神社仏閣も多いので、京都旅行を計画するならば秋がおすすめともいえます。
また、紅葉は世界各地で楽しむことができます。たとえばカナダ・ケベック州のリゾート地、モン・トランブランは頂上から広大な紅葉パノラマを眺めることが可能だそうです。また、アメリカ・アラスカ州のデナリ国立公園では360°ぐるりと紅葉した景色を満喫できます。クロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園は階段状に点在する滝で結ばれた大小16もの湖があり、青い湖面に赤や黄色の山々が映し出される絶景が広がっています。いずれも日本の紅葉狩りとは一味違う体験となることでしょう。

毎年違う見頃に注意

旅行の計画を立てる際にひとつ注意したいのが、紅葉の見頃は毎年違うという点です。日本気象協会サイトやテレビニュースの見頃予想をこまめにチェックするようにしましょう。
だいたい毎年10月から11月にかけて見頃となり、南から北上していくのは桜前線と同じです。ただ、標高の高いところはそれだけ遅くなるため、一概に南の方が早いとも限りません。秋の気温だけではなく、夏の天候にも左右されいつ一番の見頃なのか見極めるのは簡単ではないので、とくに遠方への旅行は慎重に計画を立てましょう。
紅葉狩りの名所は日本各地にたくさんありますし、どこも足を運ぶだけの価値はあります。しかし「紅葉真っ盛りにはあと一步だった」「少し見頃は過ぎてしまった」というリスクはつねにあるのは仕方のないことです。とくに有名な観光地ではなくても紅葉は鑑賞できるので、あまり混雑していない近場ですませるというのもひとつの方法です。いずれにせよ、毎年の習慣にすることで一口に紅葉といっても年々違う趣きがあると知ることができるので、ぜひ続けてみてはいかがでしょうか。