七七日の意味とは? 地域による違い
突然ですが、「七七日」という言葉をご存知でしょうか? あまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、「七七日」とは仏式の法要であり、四十九日のことを指しています。ではなぜ言い方が違うのか? と言うと、それは地域差があるからに他なりません。ここでは「七七日」の読み方や意味、そしてマナーなどについて詳しく説明していきます。
目次
七七日とは
「七七日」の読みについて
普通に読むと、「ななじゅうなのか」、「しちじゅうしちにち」といった具合かと思われますが、この表記が使用される場合のほとんどは「しちしちにち」、「なななぬか」、「なななのか」といったように、ちょっと変わった読み方をします。これには、日本の歴史が深くかかわっており、平安初期に書かれた歴史的書物において、四十九日のことを「ななぬか(七七日)」と読ませる箇所が存在するそうです。その歴史が現代にも引き継がれ、「なななぬか」とも読ませると言われています。
七七日はどんな日?
読み方や表記こそ難しいものの、前記したように「七七日」とは四十九日のことを言います。つまり、この日に行われるのは四十九日法要であり、内容に差異はありません。ちなみに、四十九日の香典返しの表書きには稀に「七七日忌明志(なななのかきめいし)」と書かれているケースがあります。これは「お陰様で忌明け法要が無事に済みました」という意味であり、よく名古屋で使われているそうです。
四十九日と同義語である理由
仏教においては、7の数字が深い意味を持ちます。死後、数回に分けて法要をおこないますが、このタイミングはすべて7日ごとであるのが一般的です。それぞれの日を忌日とし、七七日はその最後の法要となります。7日目が「初七日」、14日目が「二七日」、21日目「三七日」、28日目「四七日」、35日目「五七日」、42日目「六七日」、そして49日目が「七七日」と、同様の呼ばれ方をしています。すなわち、七七日とは、77日目なのではなく、7回目の7日であるということなのです。7かける7で49となるため、四十九日と同日ということになります。
ではいったい、この7日おきのタイミングにおいては、いったいどのようなことがおこなわれているのでしょうか。それは、極楽へ向かうための審判です。この審判の結果によって、四十九日目にどこへ向かえるかが決まります。つまり、すでに故人はこの世からいなくなってしまっていますが、まだまだ忘れ去るわけにいかないタイミングと言えます。故人の行く末にかかわるので、日にちや段取りなど、正しく覚えておくことが重要なのではないでしょうか。
地域によっての違い
かならずしも49日目とは限らない?
さて、七七日が四十九日と同義語であるとご紹介しましたが、だからといってかならず49日目におこなうとは限りません。なぜなら、地域によって数え方が変わってくるためです。関東では、亡くなった日の当日から、関西なら亡くなる前日から数えて49日目というように、差があります。とは言え1日のみの違いであり、四十九日の役割を果たしていることに変わりありませんが、地域差があるのは明白です。
このときに注意したいのが、住んでいる地域とは逆の地域に住む故人の法要に参列するケースです。あなたが関東に住んでおり、関西の故人のもとを訪れる場合、自分の感覚だけで考えていると、当日到着した頃にはすでに終わってしまっています。逆のパターンも、また然りでしょう。案内状をしっかり確認して、注意しておくべきです。参列時だけでなく、自身側が施主となって招待するときも気をつけましょう。
香典返しの書き方について
冠婚葬祭の金封には、表書きを書くのが一般的です。香典返しについても、もちろん同様です。ですがこのときも、地域によって違いが出るため気をつけなくてはなりません。まず、関東では「七七日忌 志」「七七忌 志」といった言葉がもちいられます。そして前記したように、名古屋でよく使用されるのが「七七日忌明志」という表書きです。読み方は「なななのかきめいし」となり、七七日は忌明けにあたる日であるため、その報告の意味を込めてこのような表記になっています。「志」という文字が入るのは、まさに志を込めているという証といえるでしょう。
さらに独特なところとしては、西日本が挙げられます。こちらは同じく志の文字が入ってはいるものの「満中陰志」という言葉を使います。その他だと神道やキリスト教にでは「偲び草(しのびくさ)」を使います。これらのように、同じ香典返しであっても、地域や宗教によって書き方に違いが見られます。故に、葬儀等に参列する場合は、相手の宗教や地域などを確認し、どんな表書きにすべきかをきちんと調べてから準備する必要があります。とは言え、どうしてもそれが分からない場合は、「志」の一文字でも問題ありませんので、是非覚えておきましょう。
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