葬儀・告別式の違いは? 参列者の服装・焼香の作法
葬儀・告別式とまとめて呼ばれる事も多い儀式ですが、それぞれの違いをご存知ない方も多いのではないでしょうか。大切な方が亡くなった際にお悔やみに行く場合、告別式とお通夜のどちらに出ればよいのか迷う方もいらっしゃいます。意外と知らない告別式の基礎知識を一通りまとめていきますので、いざという時の参考にご活用ください。
告別式の基礎知識
告別式とは
告別式とは、故人のおつきあいがあった方に参列いただき、最期のお別れをする式典です。宗教的な行事である葬儀とは異なるものとされますから、僧侶が退席した後に改めて入場頂き、別物として行います。
最近ではやや簡易化された儀礼が広まっていて、葬儀・告別式を合わせて行うケースも多いようです。一定の時間内で両方を執り行う事ができる反面で「慌ただしい」「故人を見送る実感を持ちにくい」といった印象を持つ方もいますので、考え方によって理想的なあり方は変わってきます。
葬儀とは別の日程を改めて設けて、告別式に準じた形の「お別れ会」を開く事もできますから、ゆっくりと別れを偲ぶ時間が欲しい方は検討してもよいでしょう。宗教的な意味合いは持たない集まりですので、故人のお人柄や功績に合わせて、趣向をこらした内容も見られます。会社の経営者が亡くなった場合には、取引先や顧客を交えた大規模な集まりとすることもあるようです。芸能人が亡くなった際に行うファンの集いも、お別れ会の1つの形と考えられます。
告別式の時間帯
一般的な葬儀・告別式は昼に開始されるのが通常です。一連の儀式を終えて出棺を迎えるまでに1時間〜1時間半くらいとされる事が多く、火葬場へはごく親しい身内だけが伺います。一般の参列者は出棺を見届けたところで解散となり、故人に対するお悔やみを終えるものと考えてください。
葬儀・告別式の後には火葬があって予約時間帯に遅れるとよくないので、過剰に長引く事は少ないはずです。火葬、ご遺骨の法要、精進落としまで含めると、半日程度と見ればよいでしょう。親しい身内が亡くなって精進落としまで招待されているケースでは、特別な事情がない限り、きちんとした形でお見送りするのがマナーです。時間のゆとりを持って当日を迎えて、お世話になった故人への感謝の気持ちを伝えましょう。
告別式と通夜のどちらに出るか迷ったら
告別式は日中に開催される事が多いため、お仕事の関係で出席できない方もたくさんいます。夕方から夜間にかけて行われるお通夜に参列、お悔やみを済ませる方が多いようです。
弔電を届ける場合は告別式に間に合うようにすれば問題ないとも言われますが、なるべく早めに手配するのがマナーでしょう。訃報を知ったらすぐに手配、お通夜には間に合うように送っておくと、手違いがありません。
告別式の参列マナー
告別式の服装
大切な方とのお別れをする場面ですので、身だしなみには気をつけましょう。性別に合わせて注意したいポイント、基本的なルールを見ていきます。
・女性
黒のフォーマルスーツもしくはワンピースを選択して、長袖を基本とします。バッグを持つなら黒い布素材を選択、殺生をイメージさせる革素材・ファーは控えてください。スカートはひざが隠れるくらいの長さに調整、ボタンやベルトのバックルも金具がないものを選びましょう。足元は黒い布地のパンプスにして、ストッキングや靴下も黒いもので統一します。
・男性
慶弔用に作られたブラックスーツを着用します。ワイシャツは白を選び、タイピンやポケットチーフは使いません。ゴールド素材を使った時計は外して、ベルトは黒を選びます。ハンカチも華美な印象のブランドものは控えて、ベーシックなアイテムを用意しましょう。男性のスーツは、夏用・冬用で素材感が異なります。突然の訃報にも慌てずに対処できるように、しっかりとしたものを1着ずつ持っておくとよいでしょう。
お焼香の作法・マナー
葬祭場で告別式を行う場合、立礼焼香が一般的です。宗派によって細かい作法は異なりますが、基本的なマナーを理解しましょう。
1. ご自身の順番が来たら周囲に軽く会釈して起立、焼香台へと進みます。
2. 僧侶、ご遺族に軽く一礼をした後、ご遺影に向かって合掌します。
3. 親指、人差し指、中指の3本指で抹香をつまみ、額の高さまで持っていきます。静かに香炉に落として、1〜3回繰り返しましょう。回数は宗派によって異なりますから、周囲の方と合わせるとよいでしょう。会葬者が多い場合は1回ずつに統一する事もありますので、臨機応変な対応が必要です。
4. 焼香台から1歩下がり、ご遺影に向かって合掌します。
5. 僧侶、ご遺族に一礼した後、ご自身の席へと戻ります。
立礼焼香以外では、座礼焼香・回し焼香がとられる事もあります。座礼焼香とは、正座をして焼香する方式です。基本的な順序は立礼焼香とは変わりませんので、基本を理解しておけば対応できることでしょう。移動する時に真っ直ぐ立たず、腰を落として動くところだけがポイントです。回し焼香とは、焼香炉をまわして行う方式です。椅子の場合は膝の上に置いた状態で焼香、終わったら次の方へとまわします。
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