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四十九日の精進落としで喪主が行う挨拶の基本マナー
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四十九日の精進落としで喪主が行う挨拶の基本マナー

葬儀後の挨拶回りを終えて一息ついた矢先、四十九日の法要が迫ってきます。通夜・告別式とは違ってリードしてくれる葬儀社がいませんから、不安に感じる方も多いでしょう。四十九日とはそもそもどのようなものか、精進落としにおける喪主挨拶はどのように行えばよいのかについて見ていきます。

四十九日と精進落とし

四十九日の法要とは

四十九日を迎えるまでは、亡くなった方の霊がこの世とあの世の境目をさまよっている期間とされて、この期間にご遺族が冥福を祈る事により、極楽浄土に向かうと言われています。ご供養のために精進料理を食べていたご遺族は法要を終えた時から忌明けとなって、通常の食事に戻す風習がありました。この区切りにとられた料理が精進落としの本来の意味合いで、現在でも残っています。
代表的な流れとして、僧侶が読経を行った後に法話、納骨と進んでいきます。僧侶の立ち会いのもとで納骨を行い、参列者をもてなす精進落としを用意する風習です。葬儀や告別式の時と同じように僧侶に対する感謝の意味合いもありますから、参加頂けるかを確認しましょう。辞退される場合は御膳料をお包みして、謝礼と一緒にお渡しします。

精進落としで行う喪主の挨拶

精進落としの始めに喪主が挨拶を行って、会食がスタートします。法要を終えた事に対する感謝の気持ち・故人に関するエピソードや想い出を簡単にお話した後、今後も変わらずおつきあいをお願いする流れが自然です。葬儀・告別式で行う挨拶と同じような内容でも構いませんので、簡潔にまとめましょう。
四十九日は故人が亡くなってすぐに行うご供養の最後にあたって、節目となる法要です。通夜からお手伝い頂いた親族に対して改めて感謝の気持ちを伝える機会となりますから、お世話になった方に対する想いをそのまま表現することによって、心が伝わる内容となるでしょう。

挨拶で守りたい基本のマナー

伝えたい内容をあらかじめまとめた原稿を用意、見ながら話すあり方でも問題ないとされています。簡単なメモを用意する事によって落ち着いて話しができるようにもなりますので、暗記にこだわる必要はありません。原稿を用意する際には「亡くなる」「生存中」といった生死に関わる言葉を控えて、「逝去」「生前」といった言い換え表現を使います。不幸ごとが重なる事をイメージさせる忌み言葉「重ね重ね」「たびたび」なども、控えたい表現です。
故人の供養をする事が目的の法要ですので、親族が不快に思うエピソードや亡くなった方の尊厳に関わる話題は控えて、場にふさわしい内容を考えましょう。長過ぎるのも望ましくないのですが、短すぎても何となく事務的で冷たい印象になりがちです。原稿を用意したら実際に読み上げてみて、適度な長さになっている事を確認しましょう。

献杯・締めの挨拶について

喪主が献杯をする場合

喪主の挨拶からそのまま献杯に移る流れであっても、飲み物を用意する時間をとります。「献杯させて頂きます」と伝えたところで参列者同士が飲み物を継ぎ合って、準備が整った事を確認してから「献杯」としめやかに発声します。
献杯を行った後の「お食事をお召し上がりください」という合図があって始めて、会食が始まる流れです。参列者として精進落としの場に行く際には、喪主の合図があるまでお膳に手をつけない・盃は掲げるだけでグラスを合わせる事はしないなどのマナーを意識しましょう。
献杯のお酒は完全に飲み干すものではないため、グラスに口をつける程度で構いません。祝い事があった時の乾杯とは違う事を念頭に、場にふさわしい対応を守ってください。喪主以外の方に献杯をお願いするケースでは、事前に話しを通しておきます。「父の友人○○様より一言」など簡単に紹介をする事で、お願いしている相手へとつないでください。
献杯が終わったところで飲食を促す掛け声は、喪主の役割とされています。いつまでも声を掛けずにいると間延びしてしまいますので、場の雰囲気を崩さないように適切な対応が重要です。

締めの挨拶に含めたい内容

1〜2時間の会食を行った後に喪主が締めの挨拶をして、精進落としがお開きとなります。挨拶を始めるタイミングは、参列者のお食事が一段落した頃合いです。長引くと参列者の負担になりやすく、間延びしないくらいの適度な長さで終えるように配慮しましょう。
含めたい内容としては「名残は尽きませんが」といった親族と過ごす時間を大切に思っている気持ち、改めて伝える感謝の言葉などが考えられます。始まりの挨拶と完全に重複すると使い回しをしているような印象になってしまいますから、前後の調整は必要です。始まりの挨拶を簡潔な内容に留めて、お礼の言葉を締めの挨拶に持ってくるのも一案でしょう。
内容として「これだけは含めたい」という決まったルールはありませんので、故人の冥福を祈る気持ち、親族の心配りに励まされた事に対するお礼など状況に応じた文面を考えます。難しい言葉を使うよりも感じている事をありのままに表現、お世話になった方々に気持ちが伝わる内容としてください。