ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
実はあまり知られていない地鎮祭のマナー
地鎮祭
 
祭事
 

実はあまり知られていない地鎮祭のマナー

地鎮祭とは、建物を建てる前にその土地に住む神様を祝い鎮め、土地を利用させていただく許可を得るため、そして以降の工事における安全や家の繁栄を祈願するための儀式です。また、地鎮祭は「上棟式」「竣工式」と並んで、建築の三大祭典の1つに数えらており、中でも最も重要な祭典として、この地鎮祭が挙げられています。ではこの地鎮祭、一体どの様な儀式なのでしょうか? そして、どのくらい費用がかかるものなのか? ここでは地鎮祭の基礎知識やマナーについて詳しく紹介していきます。

地鎮祭とはどんな儀式か?

地鎮祭で準備するものとは?

まず、地鎮祭を執り行う前に、建築する範囲に注連縄(しめなわ)張り、その中央に祭壇を設けるところから始めます。しかしながら、施主が祭壇を設ける訳ではなく、一般的には施工業者が手配・設置してくれます。では、施主が準備・用意しておくものは何かと言うと、まず「お供え物」です。洗ったお米、お酒、海の幸、山の幸、野の幸、塩、水などを用意しましょう。洗米の量は地鎮祭を行う神社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。さらに海の幸は鯛を用意するのが一般的ですが、尾頭付きの魚であればなんでも良く、さらに昆布・ワカメなどの乾物も用意しましょう。山の幸はリンゴやパイナップル、グレープフルーツなどの果物がメインで、野の幸は野菜がメインとなりますが、地面の上でできるトマトやなすと、地面の下にできる人参や大根などを分けて用意することを覚えておきましょう。ちなみに、塩と水は別段種類に決まりはなく、どちらも180ml用意するのが決まりの様です。
「お供え物」以外に用意するのは「初穂料」、「榊」、「湯呑み(コップ)」、「半紙」です。榊はお花屋さんで購入でき、やや大きめのものを5本程度用意しましょう。湯呑みは儀式の最後に全員でお神酒をいただく際に使うので、紙コップなどで代用するのがおすすめです。尚、初穂料については以降で詳しく解説するので、そちらをご確認ください。

地鎮祭の流れを知る

土地に住む神様を鎮め、工事の安全を祈願する儀式である地鎮祭。全体の所要時間は、規模にもよりますが約30分~100分程度です。以下は儀式の流れを順にまとめたものになります。

0.入場及び開式の辞・・・地鎮祭の開始を告げるあいさつ
1.修跋の儀(しゅばつのぎ)・・・祭壇、土地、参列者やお供え物にお祓いをして清める儀式
2.降神の儀(こうしんのぎ)・・・神様をお迎えする儀式。神主の唸りが印象的
3.献饌(けんせん)・・・お酒と水の器のフタを取り、神様にお供え物を差し上げる
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)・・・神様に奉告し、工事の安全や家の繁栄を祈願する
5.清祓い(きよはらい)・・・土地の四隅と中央に切麻をまき、土地を清める
6.地鎮の儀(じちんのぎ)・・・設計者が鎌で草を刈る「刈初め(かりぞめ)の儀」、施主が鍬で砂を起こす「穿初め(うがちぞめ)の儀」、施工者が鋤で砂を均す「土均し(つちならし)」、「鎮物埋納(しずめものまいのう)の儀」で鎮め物を納めるなどの儀式を行う
7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)・・・参列者が一人ずつ祭壇の前に立ち、玉串を捧げて神様に祈願する
8.撤饌(てっせん)・・・献饌で捧げたお供え物をお下げする
9.昇神の儀(しょうじんのぎ)・・・神様にお帰りいただく
10.閉式の辞・・・地鎮祭終了の挨拶
11.神酒拝戴(しんしゅはいたい)・・・直会のこと。神様にお供えしたお神酒等のお下がりを食す

地鎮祭にかかる費用とマナーについて

地鎮祭にかかる費用を知る

地鎮祭に必要な費用は、神職に支払う「初穂料」または「玉串料」、そして「お車代」。さらに施工業者に支払う「祭壇準備他」、また、お供え物や紙コップなども自身で用意します。それぞれの相場を説明すると、まず「初穂料」または「玉串料」は2万円〜5万円程度で、表書きには「御初穂料」「御神饌料」「御玉串料」などとします。そして「お車代」の相場は5千円〜1万円程度。白い封筒に「お車代」と書いてお渡ししましょう。また、施工業者に支払う祭壇準備費用等は1万円~5万円が相場になりますが、テントなどを設営してもらう場合は、さらに金額が上がりますので覚えておきましょう。そして最後が「お供え物関係の費用」になります。米や塩、お神酒などを始め、紙コップなども自身で用意することになります。金額的にはさほど大きくなく、5千円程度あれば十分でしょう。

地鎮祭に出席する際の服装はどうする?

神様をお迎えする儀式とあって、一般的には正装で出席するケースが多い様です。男性の場合はネクタイを着用したスーツスタイル、女性も同様に地味な色のスーツを用意しておきましょう。さらに、学生の場合は制服などで問題ありません。ちなみに、施工業者さんの場合はスーツで出席するケースと、会社指定の作業着で出席するケースがありますが、地鎮祭に於いて作業着で出席するのは正装として認められています。

地鎮祭の後にやることは?

会場の後片付けを忘れずに

直会の片付けはもちろん、お供えしていた塩、米、お神酒を土地の四方に撒くことを忘れずに。正式な方法は神職が教えてくれるので、あらかじめ入念に調べておく必要はありません。さらに野菜や果物などは施主が頂いて帰るのがマナーとされています。

近所への挨拶も必要

地鎮祭が終われば、本格的に工事がスタートします。そのため、騒音などで近隣にご迷惑をかけてしまうケースも考えられるので、地鎮祭が終わったら、周囲の住民の方々に手土産を持ってご挨拶に回りましょう。手土産の相場は1千円〜3千円程度とし、お菓子の詰め合わせなどをお配りするのが一般的です。