ギフトマナー辞典
ギフトの老舗シャディが贈るGIFT MANNERS
メニュー
仏教の法事に似たもの? 「霊祭」って一体何?
霊祭
 

仏教の法事に似たもの? 「霊祭」って一体何?

仏教やキリスト教など、世界中に多くの宗教がある中で、我が国独自の宗教として広く知られているのが「神道」です。「神道」とは、山や川などの自然、そして風や雨などの自然現象を始め、神話に残る神様や怨念を残して死んでしまった者への敬いから、それらに八百万の神見出すという多神教のこと。そして、「霊祭」というのは、仏教で言うところの「法要」にあたる行事です。では一体、「霊祭」とは具体的にどんな行事なのでしょうか? 以下で詳しく解説していきます。

「霊祭」の詳細としきたりについて

「霊祭」とは何か?

前記した様に、「霊祭」とは仏教で言うところの「法要」に当たる行事です。しかし、そもそも「神道と仏教って何が違うの?」という点に於いて疑問を感じている方も多いでしょう。そこでまず、両者の違いについて解説していきましょう。
簡単に言うと、仏教の場はお寺であり、神道の場は神社であるのがまず大きな違いです。さらに、仏教ではお釈迦様が説いた教典があり、教義や戒律などが定められていますが、神道には確固たる決まりや規律はありません。さらに、仏教はインドを発祥とする世界三大宗教のひとつとされていますが、神道は日本独自の宗教です。
そして、霊祭について詳しく説明していきましょう。
霊祭は大きく二つに分けられます。一つ目は「霊前祭」と呼ばれるもので、十日祭と五十日祭、そして百日祭の大きく三種の行事から成り立っています。そして二つ目が「祖霊祭」と呼ばれる行事で、仏教で言う「法事」に似たものです。それぞれの詳細は以下にまとめた通りとなりますので、参考にしてみてください。

【霊前祭とは】
●十日祭・・・故人が死亡した日から数えて10日目に執り行うもの。遺族、親族、友人、知人などが参列し、神職による祈りの後、神職をお食事でもてなします
●五十日祭・・・故人が死亡した日から数えて50日目に執り行うもの。仏式の忌明けにあたり、神職や奏楽隊などを迎えて盛大に行われます。この日は遺族、親族、友人、知人、関係者などを招き、霊祭の後に酒食でもてなします
●百日祭・・・故人が死亡した日から数えて100日目に執り行うもの。遺族、親族などの身内で行われるもの。神職による祈りの後、神職をお食事でもてなします

【祖霊祭とは】
●祖霊祭・・・一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、二十年祭、三十年祭、四十年祭、五十年祭と行われ、特に盛大に行われるのは十年祭までとなります。各年の故人の命日に執り行われ、参加者は基本的に遺族と親族で、神職により祈りの儀式を済ませた後、神職を食事でもてなすものです。尚、十年祭以降は省略するケースが多いようです

霊祭のしきたりを知る

神道は仏教とは違うものなので、当然「お墓」も異なります。とは言え、姿形は一般的な「お墓」と変わりありません。違うのは暮石に刻む文字です。神道の場合は「○○家之奥津城(おくつき)」と刻みます。また。お参りする祭は線香を供えず、お米、水、酒、榊などを墓前に供えます。ちなみに、故人が生前に好んだ食べ物やお花を供えるのは問題ないようです。
さらに、神道では「喪に服す」期間を「忌服」と呼びます。忌服の「忌」とは、世間に出ることを慎む期間を指し、「服」とは文字通り衣服、つまり喪服を着て謹慎すべき期間のことです。期間は故人によって異なり、「忌」は最大で50日(父・母が亡くなった場合)となり、「服」は最大で13ヶ月(父・母、夫が亡くなった場合)とそれぞれ定められています。

「霊祭」の心得とマナーについて

「霊祭」に招くのは、どんな方? そして服装は?

前記したように、百日祭以外は全て知人、友人を招いても良いことになっています。また、日取りの決め方やマナーについては仏式(仏教)に準じるので、さほど気にする必要はないでしょう。さらに、霊祭に参列する際の服装は、霊祭によって異なります。まず遺族の場合は一年祭、三年祭まで、喪服で参列するのが一般的です。三年祭以降は略式にします。また、遺族以外の参列者は仏式同様、略式喪装か地味な平服となります。

香典や供物はどうする?

まず、金額に関しては仏式と同様の認識です。注意すべき点はのしと表書きでしょう。現金を送る場合はのしを付けず、表書きは「御玉串料」とします。神式では香を使わないので、弔慰金の意味合いで「玉串」とします。また、お供えを贈る場合は現金同様のしを付けず、表書きは御供、奉献、奉納とするのが一般的です。逆に、お返しをする場合は、のしは付けず表書きには志、偲草、偲び草としましょう。好適品としてはタオルやお茶、さらには石鹸などの日用品、消耗品が選ばれやすいようです。