これだけは守りたいお花見マナーと人気弁当レシピ
入学式や入社式など年度初めには重大なイベントが多くあり、身が引き締まる思いです。そんなイベントを彩る満開の桜はこの時期にしか見られない美しい景色です。そんな桜に惹かれて多くの人が桜の木の下に集まりお花見をしますが、マナーについてはご存知でしょうか。この記事では、お花見をより一層楽しむために知っておきたいマナーや歴史、持っていきたいお弁当のレシピなどをご紹介します。
目次
覚えておきたいお花見のマナー
お花見の歴史は長く、始まりは桜ではなかった
桜を愛で、料理やお酒を嗜みながら楽しく過ごすのが花見だとは思っていないでしょうか。実は、花鑑賞と言えば『梅』が一般的だったのです。日本に現存する最古の和歌集である「万葉集」には、桜を題材にした和歌が約41首、梅を詠んだ和歌が約116首と梅の花のほうが人気だったことが分かります。
桜が愛でられるようになったのは、平安時代になってからです。平安時代に作られた「古今和歌集」では、梅を詠んだ歌が約16首に対して、桜を詠んだ歌が約68首と桜の花が梅の花より人気となってきたのです。その背景には、遣唐使の廃止が大きく関わっています。もともと遣唐使を派遣していた時代は、古代中国文化の影響を強く受けていました。古代中国から伝来した梅の花を愛でる習慣もその一つです。遣唐使の廃止によって、今まで影響を受けていた中国文化ではなく、日本独自の文化が発展し始めたことによって、日本古来より自生していた桜に注目が集まったのです。
花見文化を庶民に広げたのは徳川吉宗と豊臣秀吉
安土桃山時代には武士たちにも花見の文化が広まり、庭にある桜の木の下で歌を詠むという花見が行われていました。歌を詠んでいたのが、酒宴にかわり現在のお花見の形となりました。有名なところでは、現代でも有名な武将である豊臣秀吉は、醍醐寺で近親者や大名の女房や女中を集め、大規模な酒宴を開いたことが有名です。また、江戸時代には、貴族階級だけのものだったお花見文化が庶民にも広まりました。徳川吉宗が浅草や飛鳥山に桜を植えさせ、庶民の行楽を進めたのです。
お花見を楽しむ上で守りたいマナー
仲間が集まり、風情を感じつつ酒宴を楽しむことは伝統的なお花見です。ですが、自分たちだけが楽しいのではなく、他の人たちに迷惑が掛からないように酒宴を開く上で最低限守りたいマナーを記載します。
1.必要以上に場所取りを行わない
快適な宴会を開くには、桜が良く見える広いスペースが必要です。ですが、その場所を確保するためにテントを張ったりシートで屋根を作ったり、ひもで回りを囲うことはマナー違反になります。だれもが良い場所を確保したいものです。必要以上に広いスペースを確保することがないように気を付けましょう。
2.お酒は飲んでも呑まれるな
酒宴にアルコールは必要ですが、飲み過ぎやアルコールハラスメントは控える必要があります。アルコールハラスメントとは、飲酒や一気飲みの強要、意図的に酔わせようとすること、飲めない人への配慮を怠る事、酔ったうえでの大騒ぎをするなどの迷惑行為です。アルコールハラスメントは、人権侵害だけではなく傷害行為にもあたります。
3.敷物と敷く場所への配慮
桜の木の根にビニールシートを敷くと、根を痛めたり、呼吸を妨げることになるので、通気性の良いものを敷き、桜の根元から離れて敷くことがマナーです。
4.持参した物やゴミは持ち帰る
花見もゴミの中で行うのは風情も台無しです。使い捨ての物を使わずゴミを出さないことや、ごみは各自で持ち帰るなどの配慮が必要となります。
5.桜には触れない
桜は見て楽しむものです。きれいだからと言って桜の枝を折ったり、ゆすったりと傷つけることで枯れてしまう場合もあります。桜を傷つけないようにすることがマナーです。
人気のお花見弁当レシピ
花見のお弁当はお供えだった
花見弁当は正式には「提げ重箱(堤重:さげじゅう)」と呼ばれ、重箱に持ち運びしやすいように取っ手がついており、漆塗りのされた3段から4段重ねの重箱です。本来の花見は、山から桜の木に降りてこられた田の神を料理や酒でもてなし、人も一緒に食事を行うことが目的でした。花見弁当は田の神に捧げるお供え物だったのです。
花見弁当人気レシピ
江戸時代に書かれた「料理早指南(りょうりはやしなん)」の中に、花見弁当の献立が記載されていました。上等なお弁当には玉子焼き、かまぼこ、蒸しカレイ、さくら鯛、ひらめの刺身 そして甘味として椿餅やきんとんなどを詰め、割籠(わりご)と呼ばれる別のお弁当箱には焼おにぎりなどが用意されていたと記載されています。
現代でも、主食にはおにぎりやいなり寿司、巻き寿司、サンドイッチなど箸やフォークなどを使わず手軽に食べられるものが定番であり、人気となっています。具材を菜の花や桜エビを使い、時季の食材を使用したり「でんぶ」を使いおにぎりをピンク色に染めていたり、季節を感じられるよう考えられているのです。見た目も鮮やかなため、子供から大人まで人気のレシピです。
酒宴にぴったりなレシピは、カブや大根の酢漬けに桜を加えた物や、卵焼きに煮物、南蛮漬けなどの和食も定番となっています。ですが、唐揚げやキッシュ・ウインナー・ハム・カルパッチョやマリネなど和洋折衷で、いろいろな食材の楽しめる花見弁当が現代の人気レシピとなっています。
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