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サン・ジョルディの日とはどんな日か?
四月(卯月)
 

サン・ジョルディの日とはどんな日か?

4月23日は「サン・ジョルディの日」です。しかし、一体何の記念日なのでしょうか? 世界的には有名な日ですが、日本ではあまり知られていないかもしれません。ここでは、「本とバラ」が主役の記念日「サン・ジョルディの日」について詳しく紹介して行きたいと思います。

サン・ジョルディの日とは何の日?

サン・ジョルディとは何者か?

この日を紹介する前に、まず記念日の名前に冠された「サン・ジョルディ」についてお話していきましょう。サン・ジョルディとはカタルーニャ語で、スペイン・カタルーニャ地方における守護聖人として、地域の人々から親しまれた騎士の名前です。実はこの方、実在していたのか、はたまた架空なのかは議論が分かれるところで、未だ明確な答えは出ていません。しかしながら言い伝えでは、4月23日にトルコのカッパドキアで殉教したと言われています。

サン・ジョルディ伝説とバラ

サン・ジョルディの日は、愛する人にバラを贈るという、日本のバレンタインデーに近い風習があります。しかしながら何故「バラ」なのか? まずはその秘密について解説していきましょう。
このお話は、古来よりカタルーニャ地方に伝わる伝説です。
その昔、カタルーニャ地方には、恐ろしいドラゴンがいたそうです。そしてそのドラゴンの怒りを鎮めるために、住民たちは毎日一人ずつ生贄を捧げたと言われています。そしてある日、王様の娘が生贄になる順番が回ってきたのです。そこで、大勢の人がその身代わりになることを申し出ましたが、王様はその申し出を受け入れず、娘を生贄に差し出しました。
そして、丁度お姫様がドラゴンの生贄になるその時、白馬に乗った若い騎士が現れ、怒れるドラゴンを一突きで仕留め、見事お姫様を救い出したのです。彼が槍で突いたドラゴンの心臓からは、血が溢れ出し、そこには見たこともないほど美しいバラが咲き乱れたと言います。その中で最も美しいバラを永遠の愛のシンボルとして、騎士はお姫様に贈ったのです。
もうおわかりだと思いますが、このお話に出てくる騎士こそがサン・ジョルディであり、この日に愛する人たちにバラを贈る習慣が生まれたのも、これが元になっています。

何故「本の日」でもあるのか?

前記したように、サン・ジョルディの日には愛する人にバラを贈る習慣があります。しかしそれだけでなく、「本を贈る日」にもなっているのです。何故「本」なのでしょうか? その理由は、「ドン・キホーテ」の著者であるスペインの文豪、ミゲル・セルバンテスの命日だからなのです。つまり、カタルーニャ地方における2名の英雄の命日であることから、習慣が二乗されたという訳です。さらに別国ながら「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」で有名なウィリアム・シェイクスピアの誕生日・命日であることも手伝ったようです。

世界と日本の4月23日

世界における4月23日の催しとは?

スペイン以外の国でもこの日は文学にちなんだ催しが行われており、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)では、1995年11月に開催された総会において、4月23日を「世界図書・著作権デー(世界本の日)」に制定しており、広く本の日として発展を遂げた格好です。ちなみにこの日が制定されたのは、スペインからの提案に基づいたものだと言われています。

日本における4月23日の催しとは?

日本では、日本書店組合連合会と日本カタルーニャ友情親善協会等が組んで、花と本をプレゼントし合う欧米の習慣を日本にも定着させるべく、1986年にこの日を「本とバラを贈るサン・ジョルディの日」として、大々的にプロモーションをはじめました。それから毎年この日には、東京、名古屋、横浜、北海道、山形など、各地でイベントや講演会が行われています。特に名古屋のサン・ジョルディ・フェスティバルでは、名古屋の中心地にバルセロナのランブラス通りのような花屋や本の市が屋外にたち、週末のお休みに合わせて大規模なイベントが行われています。さらに日本の各書店では、組合が始めた「書店くじ」を開催するなど、全国的にこの日を盛り上げている様子がわかります。尚、この日は2001年12月に「こども読書の日」として制定され、子供の読書活動についての関心と理解を深め、子供達が積極的に読書する意欲を高めることを目的とした運動が行われています。
それに加え、一部では本のみならず、本国にならって恋人や伴侶に花を贈る習慣も浸透しつつある様です。本国では赤いバラを贈るのが習慣とされていますが、他にもユーカリ、トルコキキョウ、ムギ、カーネーション、ドラセナなどの花を贈るのが良いとされている様です。日頃お世話になっている方へ本を贈り、パートナーには気持ちを込めてお花を贈ってみてはいかがでしょうか。