『私の自慢の祖母』 入賞作品2-531-023 佳作 ありさ 様
私の家には一年に一度、ある人から贈り物が届きます。桃やメロン、長芋、明太子など毎年様々な美味しい物が贈られてきます。
誰に贈られてきているかというと私の祖母にです。しかし、私の祖母はもうこの世にはいません。私の祖母は十三年前、私が小学三年生の時に癌で亡くなりました。なぜ亡くなった祖母に今もまだ贈り物が届くのか、私はある日母に聞いてみました。すると母はこんな話をしてくれました。
私の祖母は昔、小学校の先生をしていたそうです。ある日のこと、祖母は担任していた小学一年生と体育の授業をしていました。するとある一人の児童が転んで足に怪我をしてしまいました。とても痛がり足もどんどん腫れ上がってしまい、病院に行かなければならない状態でした。しかし、当時は車もなく、病院も町に下りていかないとありませんでした。病院まで約四キロの道のりでしたが、祖母はその児童をおぶい、急いで病院に向かいました。病院に着き、お医者様にみせると、
「あともう少し遅ければこの子は歩けなくなっていた」
と言われたそうです。その後、児童の足は回復し、走れるようになりました。そして十年後、その児童は高校で陸上の短距離の選手として活躍したそうです。
祖母の生徒を想う気持ち、とっさの判断のおかげで一人の児童が救われました。そして、その児童だった人が祖母の亡くなった今でも、感謝の気持ちとしてもう四十年以上、毎年贈り物をくれているそうです。この話を聞いて、私は非常に感動し、祖母のことを改めて誇りに思いました。毎年この贈り物が届くたび、祖母の仏壇に
「今年も届いたよ。ありがとう。」
と話しかけ、祖母との思い出を家族で語っています。
この贈り物によって、まるで祖母からの贈り物が届いているように感じ、毎年元気をもらっています。私も祖母のように人のために尽くし、亡くなっても人の心に残っているような人になりたいと思います。
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